先輩が好きなのでここで働かせてください
就労Bのマサ
第1話 就活は、初恋よりも奇なり
事実は小説より奇なり。この言葉の通り、事実というのは、小説よりも奇怪である。しかし、思ったことはないだろうか?真実ではなく、事実なのか?そもそも、真実と事実とは何が違うのか?それは、真実は、あったこと。事実とは、そうだと言われていること。つまり、事実とは、嘘であることもあるのだ。
1人の青年がとある出版社に面接に来ている。彼は、この真実と事実の狭間で何を思い。そして、恋をしてどう向き合っていくのか?そんな、真実と恋を知ろうとする作品です。
ここは、某出版社前。政令指定都市にあるどこにでもある出版社。だが、そこに1人の青年が、履歴書を持って立っている。
「ここで13社目だ。もう、後がない。」
そんなことを思い?言いながら面接に望むのは、太田清一。24歳、再就職活動中。なぜ、この青年が再就職活動しているのか?それは…
「さあいくぞ!ここで受からないとアパートから追い出される!」
察するに明らかに仕事なくてヤバいのは分かった。まあ、彼がこうなったのは、おいおい語ろう。というかホームレスか生活保護の二択しかないな。
エレベーターに乗り、5階についた。降りてすぐの案内板を見て日の丸出版社の場所を確認した。
「ヒストリ出版は、奥か。」
薄汚れたビルであったが、掃除は行き届いている。だが、あまりにもミステリアスなところだな。
「あった。ヒストリ出版社!」
エレベーターから降りて本当に奥の非常階段に近いところに会社はあった。
「本当にここか。月20万円 ボーナス2ヶ月保証。こんな会社で出してくれるのか?」
そんなことを思っているとドアが開いた!
「あら?あなた、ここに何のよう?」
メガネをかけた綺麗な女性が尋ねてきた。
「あっ、あのー。」
女性に話しかけられるなんて3ヶ月ぶりだ。
「あなた、もしかして今日、面接日の人?だったら早く来て猫の手も借りたいのよ。」
そういうと僕の手を握って会社に入っていった。綺麗な手でいい匂いがする。というか、これならどんな辛くても頑張ると思っていた…
中に通されて一言で言うと汚い。明らかに昭和のオフィス。デスクには、書類や本が散乱していてパソコンには、多数の付箋が1つだけ綺麗なデスクがあったが、明らかにこの女性のだろう。
「ごめんね。社長は、もうすぐ、帰ってくるから少し、ここで待ってて。」
そう言うと僕を置いて給湯室に向かった。お茶でも出してくれるのか?そうしていると。
「おおおーーー。新人か!」
なんか、でかい声が聞こえたと思ったらヤンキーぽい美人が出てきた。
「え、あの。」
僕は、戸惑っていたが、この人の真っ直ぐな目を見て呆然としていた。
というか、その人を見て僕は、心臓のバクバクが止まらない。こんなことは、始めてだ。
「じゃあ、さっさと歴史の真実にレッツゴー!」
なにか、アニメっぽい単語がでたが、いきなり、どこに連れていくんだ?
「そういえば、名前は?」
連れ出そうとして名前聞く。まるで誘拐だ。
「太田清一です。」
「私は、新井白。今日からお前は、私の相棒だ。付いてこい!」
そう言うと黒い変なドアがある部屋に入った。そこには、2つの椅子とパーマ屋にある頭を覆う機械か?なんだここは、パーマ屋か?
「さあさあ、早く、ヒストリくんに座って。」
「あーあの…」
僕は、何がなんだか分からなくなって言われるがまま座った。そのあと、新井さんも隣に座った。
「さあ、行こう!遷太郎、起動して。」
そういうとなんだか暗い声が聞こえてきた。
「白ちゃん、いいの?社長の許可なく、ヒストリマシーンを起動したらいけないんだよ。」
なんか、このマシーンやばそうだな。というか、許可取ってないんか?
「固いこと言うなよ。次の4月分の作品できてないんだ。このままだと来月の給料なしだぞ。」
給料なし、それは、困る。
「給料入らないとアパートから追い出されます!」
僕は、とっさに声がでた。
「あーはっははは!新人くんもやる気だし、早く、起動しろよ。大丈夫、軽めのやつだから。」
「もう、知らないよ。」
遷太郎は、赤いスイッチを押した。そうすると上のパーマ屋が、降りてきた。そして、
「さあ、新しい真実を知りに!」
なんか、ゲームでも始めるのか?なら、これは、面接の合否を決める試験。何がなんでもやり通さないと。僕は、最初は、そう思っていた。しかし、これは、命をかけた探索だった。僕がそれを知るのは、少し、後だった。
それよりも新井さんのことが頭から離れない。心臓もバクバクがまったく止まらない。ずっと、この人といたいと思う。なんなんだよ。美人だからって勝手に見とれるなよ。
はてさて太田清一と新井白は、無事に新しい真実を知れるのか?そして、心臓のバクバクは止まるのか?
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