第4話 慌てたら負け
◇ ◇ 延期
そもそもの話、なんで僕に会いたいの?おかしくない?僕は会いたくないよ。
いや知ってしまったのもあるけど、目の前に来て爆発されたら夢見が悪いと思うんだよ?
いや、そんなの目の前で爆発なんかされて死なれでもしたら確実に僕は巻き込まれて死んでしまうじゃないか!夢見も何も夢自体見れなくなってるよ!
元馬鹿ガキどもには気の毒とは思うし、それは僕の従者?になった途端に爆発して爆死するなんて分かったから同情はいくらでもするし従者も解除出来るもんなら今すぐにでもして差し上げたいけど、今のところ解除の仕方なんて今のところ分かってない訳だし、僕だってハッキリ言って巻き込まれて死ぬなんてしたく無いよ。僕だって当たり前だけど死な無いなんてないんだし、子供なんだから耐えられる訳なんて明確に言っても無いモノは無いんだし、間違いなく死んでしまうよね?
でもあれ、不死身かな?
不死身になれるかな?
スキル『キトウ』を視る。
【真に欲し神へと祈り捧げば祈願力高く心願成就可能な能力。煩悩祈願不発1回。1日1回制限。初期化刻0時設定。1回既発。上級祈祷スキル起動時〔タマグシ〕か〔ハラエグシ〕必須。】
あれ?今日既に使ってるし、何に使ったんだろ?
残念だね不死身はむりなのか、でもなんか間違ってる気がして来た。
僕が助かっても家族が巻き込まれたら意味ないじゃないかな?
おっと!気がつかなかったし危なかった。
奴等が爆発したらもうお終いだよ。
家ごと村ごと吹き飛ぶんだろうなぁ。
そんなのダメだよ!
これは兄に言って、取り敢えず明日合うのは約束しない方向が良いと今更だけど、そう思うんだ。
これは早速兄に頼み込んで予定変更させて貰おう。
「兄起きてたら聞いて、明日の馬鹿ガキに会う件、取消したいです。来週ぐらいのどこかいい日を先にあちらさんに聞いて欲しいんだよね。それ聞いてからこっち調整するから」
「いいけど、急にどうした?さっきは早く終わらせたいとか、そんな事を言ってなかったっけ?」
「ほら僕には、まだ『キコリ』が生まれてないし、他の秘密のヤツとかあるからね?さっき寝る前にちょっと整理したりして考えてたら、延ばしたくなったんだよ。本当はこっちは直ぐに会いたいわけではないんだし、向こうの勝手なわがままって奴の都合だしね」
「ああそんな理由ならわかったよ、明日言っとく!」
「じゃあ、お願いしますね、おやすみなさい」
大丈夫だったし約束が取れた!よかったよかった!
兄が起きてたのも良い事が続く知らせかもだ!
安心したらすごく眠くなってきた。
明日も薪割り適当にやって過ごすかな。
おやすみなさい。
◇ ◇ 痛い夢
また、変な夢を見てしまった。
今度は普通の夢だったと思うけど、朝のベッドの中で汗をたくさん全身に掻いて、目が覚めたと分かって凄く安心した。
本当に悪夢だった。
その夢の中では僕はカエルになってた。
手も足も動かなくて何度も自由に動きたくて、それでも動かなくていつまでもモゾモゾしてた。
そのあとでひとつだけだったけど大きな筒みたいなのを口の奥までガッツリ突っ込まれて吐きそうだったし泣けてきた。
気持ち悪いから泣きながら咥えさせられたヤツを吐き出そうと必死にウゲウゲとゲロゲロと何度も繰り返してた。
でも吐き出すことは出来なかったし何度もウゲを繰り返しても口から出す事が出来なかった。
また暫くそんなことしてたら今度は火のかたまりみたいなモノが此方に近づいて来る!なんの火かも松明の火でもないただの火のかたまり。
火の玉でもない赤い色した火のかたまり。
火の玉って、青白いらしいから違うと思いたい。
その火が怖くてじっとしてたら僕が死んだと思ったのかどこかに離れて行った。それでまた火が消えたから、モゾモゾと身動きをして口の筒を取ろうとすると、また火が近くに来るからそれならと此方も死んだふりをする事を繰り返す。そんな感じで、近づく離れるを何度もとか、そんなことを繰り返してたんだけど、死んだふりも効かなくなってとうとう火が、僕のすごく近くまで来た!そうしたら今度は、筒の頭辺りに、さっきまで無かった筈だけど突然現れた燃え易そうな縄へと、火が燃え移った!
僕は暴れて暴れて暴れ捲ったけど当然のように火は縄に着いたまま消えずに本体の筒の頭に近づいて行くし短い筈の縄がとても長く感じられて、1時間とか2時間とかとても燃え続けてるみたいに感じる!
頼むから消えてよ!火なんか危ないよ!こっちに来ないでよ!消せないなら途中でブチキレてどこか空のかなたにとんでいけ!土にうまって消えてなくなれ!
でもとうとう火は筒の本体の頭の中に届いて暫く燃えていたけど縄が無くなったのか?火そのものは消えてしまった。
しかし縄についた火は消えたのに僕のカエルになったガマグチの様な口に咥えられた筒は燃えたりしないでその頭から煙を出していて、暫くそんなのが続いたあと唐突に煙も止まってしまった。
僕は少しの間茫然としてたみたいだけど苦しいのにまた気づいてまたモゾモゾと身動きをし始めたら今度もまた筒の頭から煙がモクモクと出始めた。煙が吐き出されはじめたその直ぐあとに、火が筒の頭から勢い良く吹き上がり僕がびっくりしたと同時に筒がドカンと爆発した。
爆発と同時に口が裂けた様な?直接見えてないから特に分からないけど、本当に裂けててかなりの激痛が口の周りに走った!電撃の様に走り捲り見えて無いけれども体も彼方此方に塵芥が飛ばされる様な感じとも、勇者の国の天草や肥後や高千穂や日向の方言のチンジンバラバラということばのように粉々に砕けばらばらに塵散りに散撒かれてる様な体の感じだ!それなのに、体がバラバラになってくっついてないのに、電撃が、激痛が、体の中に広がってる!僕はその激痛に耐えられず、苦しさのあまりに、体はバラバラなのに、七転八倒を何度も繰り返す!
「だれかたすけて!いたいよ痺れるよ!死んじゃうよ!神さま助けて!いい子になるよ!悪いことしないよ!お手伝いもします!助けてください!熱いよ!やけどで死んじゃうよ!」爆弾が弾け飛んで無くなって自由になった口で、僕は大声で叫んでいた!
そこで目が覚めた。
汗だくだった。それもそうだよこんな夢。
ふー。勘弁してよ、僕。
ふとバチッて音がした気がしてそこへと視線を向ければ、弟のアスラが僕の唇を片方の手で痛いほど強く抓んでいた。恐らく3歳の男の子が、出せるだけ精一杯の力を引き絞り、引っ張れるだけ引っ張っていたと思う。更にもう片方の手で僕の口を開けれるだけ開からてた。それで仰向けで寝てた僕の胸の上に跨るように尻を据えて座り込み、僕のその口に片方の足の腹を使ってカエルのおもちゃをグリグリと突っ込んで、かなり僕が見たこともないような上機嫌で楽しそうな雰囲気の中で遊んでいた。ヤツは口の口角を吊り上げれるだけ上げた魔物のオークの様なニマニマした悪い顔を浮かべながら、僕に話しかけてきた!
「兄ぃちゃん、お母さんが、朝ご飯だから、起きて来てって」
カエルを取り渋々と僕の上から床に降りた弟は「お母さん、兄ぃちゃん、起こしたよー!」って言って、寝ぼけ眼の寝ぼけた僕が起きる前に、走って行ってしまった。
弟が去った先でパチッ、って音がした気がした。
◇ ◇ どんな朝
汗をたくさん掻いたので、下着も全部着替えてから、神棚のお祈りを済ませてから朝ご飯に行った。
みんな揃ってるようだ。
その前に汗だくの洗濯物をかごに全て出してっと。
「おはよう」
兄が居たので昨日昨夜の件について、早速の催促と再確認。
「おはよう兄。昨日の約束の件、よろしくお願いね?」
「ああ、必ず伝えるよ」
うん、よろしく、よろしく、ってことで、朝ご飯を頂く。
母は兄を学校へ送って行く。
弟はもうどこにもいない。
奴め、どこに隠れた?
僕が3歳の10月、弟は生まれて来て、僕から愛する母を取り上げた。
母から相手にされなくなった3歳の僕は、誰にも見つからない場所を、一人でやっとこさっと探し当てて、そこで暫く目に汗を掻きながら、ひとり寂しく過ごしたものさ。
その場所はもう既に僕には必要とされなく成ったとはいえども、仕方なく今は薪達や野良猫に、時々僕も利用しつつも、奴等に譲り渡している。
抱っこされなくなって、いく年月か。
そんなことを思い出しながら朝ご飯をお腹いっぱい食べたので、食後の薪割りに向かう事にした。
◇ ◇ 思考と模索
薪割り、薪割り。
朝の分の薪割りの準備が出来、斧を振る。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
凄く斧の調子がいい。
腕も軽いし、身も軽く動きやすい。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
そうだ、寝る前に見たヤツ見るの忘れてた。
なんかしようとしてたけど、今朝の悪夢の所為ですっかり忘れてた。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
えっと、そう『キトウ』だったよね。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
スキル『キトウ』を視る。
【真に欲し神へと祈り捧げば祈願力高く心願成就可能な能力。煩悩祈願不発0回。1日1回制限。初期化刻0時設定。1回既発。上級祈祷スキル起動時〔タマグシ〕か〔ハラエグシ〕必須。】
あれれ、既に1回使用 と出て来た。
朝は起きてから使ってない?
昨日の寝る前から確認してたし、そんな祈願的なのしてないと思う。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
うーん、妄想を想像を、創造を膨らます。
ミタイ『ホルス』最新登録分が見たい詳細オープン!
検索、探知!
✖️ 『ホルス』最新登録分
✖️技術
✖️『チユギ』
✖️ヒールLv1〔隠〕
聖属性魔法治療補助
経験値 1/100
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
おおっ!なんと、表示してくれた!
でも治癒魔法?それってヒールかな?
勇者伝説の中で聖女様が、事ある毎に勇者様達に治癒魔法で治療する時に使うあの『ヒール!』かな?
あ、もしかして夢かな!
確かにあの時は痛くて痛くて神さまに泣きながら必死に助けてってお願いした様な気がする。
だいたいやつのカエルが元凶だよ。
ま、使ったんだし授かってしまったモノは仕方がないね。
貰っといてなんだけどさ。
誰さまだよね。
僕なんですけど。
子供は片隅で呑んだりしないけどね。
なに?隠れて乳飲むんだよ。
いやいやミルクですけど。
ああ、呑むじぁあないから、飲むかな。
隠しといてバレるまでだと割り切ろう。
出来れば大人になって、自立した後なら多少はヒールなんてどうにか出来るのではないでしょうか?
なんてね。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
そう言えば馬鹿ガキ達の問題を考えないといけなかった!
そうだった!だけど、どうしたら彼奴等のことを解決したらいいんだろう?
このままだと村ごと爆破されて殺されるよ?
彼奴等を村から追放なんてダメだよね。
ちょっとしか考えてないけど、いや、考えたけれども、やっぱりダメだ。
僕は良いけど心がね、何処かがチクチクするんだ。
ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン、ガスコン!
朝の薪割りはやり過ぎだから、もう中止だ。
いきなり上達なんて目立ち過ぎる。
何処で誰が見てるかとか、誰が密偵かなんて分かりません。
薪はやり過ぎて、多分薪置き場の2段目相当くらいまでなって来てるし、結構薪割ったし、出来た分は薪置き場に置いてたから見る人が見れば危ないと思う。
薪とか片付けたら休憩で、僕のベッドに寝転ぶ。
今日も母は父とアキラとお出かけです。
馬鹿ガキ対策は、なんかいい考えなんてないかな?
僕の頭は他と比べてもそんなに良い訳ではないんだし、親も農家なんだし物騒な事は相談し難いよね。
相談でもちゃんと説明した方がいい。
うん、きっとそうなんだと思うし他に何も頭に浮かぶ訳でもないし、早々に再確認だけはしておこう。
ミタイ『従者カナマ』ステータスオープン!
✖️
⬜︎名前:カナマ
⬜︎性別:♂
⬜︎年齢:7歳
⬜︎種別:人族
⬜︎称号:人間爆弾カナマ
⬜︎職業:村人
⬜︎属性:開拓村住人〔偽装〕
⬛︎属性:ホルスの従者〔隠〕
⬜︎状態:異常、呪(一時無効)
⬜︎基本
⬛︎加護:豊穣神の加護
⬜︎祝福:なし
⬜︎呪詛:魔族マイゾの呪い
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
えっと、この魔族マイゾの呪いってのがやばそう。
ミタイ『従者カナマ』呪詛:魔族マイゾの呪いだけ詳細オープン!
検索、探知!
✖️検索『従者カナマ』呪詛:魔族マイゾの呪い詳細
✖️呪詛:魔族マイゾの呪い
✖️魔族マイゾの呪い
✖️効果
✖️精神操作
✖️忠誠度Lv1
✖️忠誠
魔族マイゾへの絶対忠誠
Lv昇格で忠誠度上昇
✖️ホルスの従者効果にて保護中
保護、忠誠先をホルスの従者へ
✖️旧破落戸転身Lv4
✖️旧破落戸転身
有犯罪歴の破落戸精神複製
人間爆弾へ破落戸精神貼付
元人格封印中
Lv昇格で破落戸転身度上昇
✖️ホルスの従者効果にて保護中
保護、破落戸転身→ 旧破落戸転身
保護、ホルスの従者効果優先中
✖️ホルスの従者の保護
保護、精神操作、準無効中
呪詛者への認識阻害保護中
呪詛者、他者阻害遠隔解除可
呪詛者、他者保護中未認識
呪詛者、他者保護遠隔解除可
✖️人間爆弾
✖️呪詛による人間爆弾化
✖️爆発規模メテオLv1相当
✖️爆発規模
爆発の大きさ
✖️メテオ
✖️隕石魔法メテオ(空属性)
隕石、指定場所へ落下
呪詛効果、人媒体に発現
呪詛発現、MP500必須
呪詛主、MP不足、未到達
呪詛5年、要MP蓄積予定
✖️Lv1
魔法メテオ熟練度初期値
次到達最低100回使用
被害大で経験値大量獲得
経験値大、次到達希望大
✖️効果範囲
爆破範囲、直径1キロ
爆破深さ、半直径
✖️物理耐性
レジスト: 1%
被害 :99%
✖️魔法耐性
レジスト: 1%
被害 :99%
✖️相当
魔法メテオと同効果
✖️ 状態
呪詛歴4年11月経過
要MP蓄積呪詛5年満了予定
現在要MP500蓄積未完
残、1ヶ月分経過待ち
✖️ホルスの従者の保護
呪詛、一時無効中
強呪詛により、保護効果不明瞭
呪詛者への認識阻害保護中
呪詛者、他者阻害遠隔解除可
呪詛者、他者保護中未認識
呪詛者、他者保護遠隔解除可
HP5割減
MP9割減
✖️魔法取得不可の効果
修行習得不可
魔法宝珠オーブ使用取得不可
魔法達人の魔法授与取得不可
魔法神祝福授与取得可、妨害不可
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
わー!いっぱい出た。
頭の中で上に下に動かすけど、紛らわしい。
必要だと思うとこだけに、それっと。
✖️検索『従者カナマ』呪詛:魔族マイゾの呪い
✖️呪詛:魔族マイゾの呪い
✖️魔族マイゾの呪い
✖️効果
✖️精神操作
⬜︎忠誠度Lv1
⬜︎旧破落戸転身Lv4
⬜︎ホルスの従者の保護
✖️人間爆弾
✖️呪詛による人間爆弾化
✖️爆発規模メテオLv1相当
⬜︎爆発規模
✖️メテオ
✖️隕石魔法メテオ(空属性)
隕石、指定場所へ落下
呪詛効果、人媒体に発現
呪詛発現、MP500必須
呪詛主、MP不足、未到達
呪詛5年、要MP蓄積予定
✖️Lv1
魔法メテオ熟練度初期値
次到達最低100回使用
被害大で経験値大量獲得
経験値大、次到達希望大
✖️効果範囲
爆破範囲、直径1キロ
爆破深さ、半直径
⬜︎物理耐性
⬜︎魔法耐性
⬜︎相当
✖️ 状態
呪詛歴4年11月経過
要MP蓄積呪詛5年満了予定
現在要MP500蓄積未完
残、1ヶ月分経過待ち
⬜︎ホルスの従者の保護
HP5割減
MP9割減
⬜︎魔法取得不可の効果
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
えーと。
爆発したら、村ごと無くなるよ!
猶予はあとひと月?
あ、今日会っても問題なかったかな?
爆発はまだ先だ、残りの日数は余り無いけど。
呪詛無効処理もなんか上手くいってないみたいだ。
おおっと、まだ未確認とか未認識なんだ。
これ、こちらの事がバレたらかなりマズイ。
メテオって落とされては、こちらは堪らない。
遠隔だから、あちらに危険は無いのかな?
魔族もこちらに来なければ、いちいちこちらとバトルとかしなくていいし。
来るだけで観光行楽でもないなら、ダルいだけだし、落ちて出来る湖や被害跡なんて見る価値ないし。
落ちたら一緒に巻き込まれるから、来る訳ないよ。
何か良い方法はないか。
爆発しなきゃいいとして方法は?
どうやったら爆発を避けれるの?
もう何考えても無理なモノは無理なんだ!
僕なんかにはどうしようもないんだ!
これ相手を誰かにやっつけてもらえばいいかも?
いや、やっぱりムリでしょ。
どこに居るんだよ、その相手の魔族マイゾって?
やっぱ魔界ってとこかな?
行き方なんてわからないし、行けば魔族だらけだってところなんて、誰も行かない!
魔族マイゾって強いのかなぁ?
この村の爆破なんてものは、魔族からしたらほんの遊び程度なんだろうね。
そんな事の目的なんて、魔族の遊びなら無いかな。
遊びとしたら、魔族の上司の命令とかじゃなかったりして。
誰か知らないかな?
いや、どうやって誰が調べるの?
普通そんな事は国とか冒険者ギルドじゃ無いかな?
あ、水晶ないかなぁ?
あったら僕のスキルが隠せてるか見れるのに。
いや違うか。
隠せてなかったら解剖されて殺されるよ!
水晶は魔族の事を調べたり出来ないかだ。
でも調べるなら鑑定とかだよね。
あ、ミタイ鑑定『魔族マイゾイヤイヤまてまてアセンナアセンナバレたらマズイバレたやばい!
見つかったらやばいんだったばー!!!
検索、探知!
✖️検索『魔族マイゾ』
⬜︎名前:マイゾ
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
終わった。
おわったな!
ちちとははとみんなにころされる!
むらのみんなにもころされる!
くににもしょけいされる!
まぞくもおそってくる!
ぼくはもうだめだ!
もう、バレたかもだしやるしか無い!
バレたついでにとことんやるしか無い!
どうせ殺されるんだ、やれるだけやるしか無い!
ミタイ『魔族マイゾ』バレましたか?
検索、探知!
✖️『魔族マイゾ』バレましたか?
✖️バレましたか?
ホルス情報、魔族マイゾ未認識
バレましたか?:否=バレてない!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
なんで?なんでバレてないの?本当なのかな?
この情報は安心しても良いの?ミタイさん?
ミタイ『魔族マイゾ』ミタイでみたのバレてない?
検索、探知!
✖️ミタイ『魔族マイゾ』ミタイでみたのバレてない?
✖️ 『魔族マイゾ』ミタイでみたのバレてない?詳細
✖️マイゾ
名前:マイゾ
✖️ミタイ
ホルス所持スキル『ミタイ』
諜報機能Lv100/999
✖️ バレてない?
✖️バレ
対象への隠し事が、対象に知られること。
✖️バレてない?
バレてない?:バレてない=安心して良い。
✖️スキル『ミタイ』機能
✖️魔族マイゾ低脳!鑑定レベル下の下の下!
魔族マイゾ鑑定Lv1
経験値:000/100
機能取得後未使用:OFF状態
対マイゾ隠密機能無能:対応万全
対マイゾ隠密対応機能無能:対応万全
対マイゾ対応諜報機能無能:対応万全
魔族マイゾ平和痴呆機能無能:無能無能
魔族マイゾ若年者痴呆症:疑惑濃厚無能
魔族マイゾ対物理耐性無能:全力無耐性
魔族マイゾ対魔法耐性無能:全力無耐性
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
ミタイさんや、過信が過ぎやしませんか?
ほぼ全部に無能な無能が無能で無駄に無能ですね。
とにかく少しだけど、ちょっと安心しました。
あ、すこしちびってるかもだ・・。
◇ ◇ 洗濯物を干した
寝転んだベッドから降りて、ベッドが汚れてないのを確認して、着替えて、洗濯物を少しだけバレないように、自分で井戸水を汲んで洗濯タライで洗った。
絞っても子供の手だからあまり絞れなかったけど、出来るだけカラカラに絞って、陽が差して風通りが良さげな何処に干しておいた。
母が帰るまでに乾けば良いけど間に合うかは微妙。
「クリーン!」
試しに浄化魔法が使えるか唱えてみたけど不発?
不発も何も、そんな上等な魔法なんて持ってない。
聖女さまが伝説の中で良く使うけど僕にはムリだ。
持っても無いし修行とかも全然だし、勇者伝説みたいには簡単には、使えたりしないよね。
伝説では召喚されないと貰えない魔法だ。
乾いたら隠しておいて、明日の朝、洗濯に出せば問題無し。わっはっは!
そんな調子でそろそろ昼になったから、母の作った僕のための特別なお弁当を、美味しくいただきます!
食べ終わって、再び薪割りのために、庭に出ると、父と母とアキラが帰って来てた。
そして母が干された洗濯物を認識してるみたい。
「あした私が洗いますから、乾いたら明日の分の洗濯籠に入れておいてね」
バレました。
速攻でした。
そんなもんです。
可愛いものじゃないですか。
誰もなんも言わないのが辛い。
はぁ、薪割り薪割りっと。
◇ ◇ はたけ
帰って来て、外で食べるはずのお弁当を食べて、食べ終わった父が言う。
「畑に行くから手伝って欲しいんだ。薪割りばっかりもなんだしな。根を詰めてもつまらんだろ?キコリはそのうち生まれるだろうしな。冬までまだまだ時間もあるし。何しろ聞いたけど体の調子もいいんだろ?胸の痛みとかもう無いのか?其処は気を使っておけよ?自分じゃ無いと分からんところだしな?それにしても、このまま大丈夫なら、薪割りも体力的に無理は無さそうだし、畑の手伝いでも体力作りに良いかもな」
「キコリは良いけど?畑で何を?僕に出来る力仕事なんてあるの?」
「ああ、見張りの手伝いが足りなくてな。秋の収穫で実ったやつを鳥とか動物が狙ってくるんだよ。その手伝いなんだが、もう6歳だし、そろそろ良い体格に育っているから大丈夫だと思うし、なにしろ体調が問題ないと言う話を聞いてな?出来たら手伝って貰えるか?そんな難しくないと思うぞ」
頷いて、畑に行く準備をする。
その為だけに帰って来たって。
久しぶりの畑だし、問題ないと思うよね。
テクテク歩いて30分くらい。
母はやっぱり見張りで前から手伝いに来てて、少し安全な場所だけど、アキラと見張りに張りつく。
アキラといっしょだから、面倒を見るためあんまり無理はさせられない。
今日まで僕に声が掛からなかったのは、多分キコリのせい。
おばさんたちの情報網対策だ。
さっそく父が指定した範囲で見張りだ。
その辺の落ちてる小枝を拾って、近くに鳥とか近づくと、小枝を振り回して、追い払う。
鳥は結構な厄介モノだ。
空から自由自在にやって来たり、大量大群な群れで来たりと、手に負えないし、捌ききれない。
でも殺したら、伝説の聖女さまがそれを見て悲しみ、永く寒い冬が1年も続いてしまった話が有名だ。
その冬は大雪になったそうで、それ以来鳥は追い払うしか出来ないし、殺したくない。
猟師が鉄砲で撃ったりは、いいらしい。
いくらか食べるためはいいらしい。
食べないのに、追い払うだけとかで、殺してしまうのは、ダメと言われてる。
まあ、聖女さまがいう伝説のひとつだから、いいと思うよね。
他にも役に立つ伝説を、聖女さまは授けてくれてるしね。
夕方が近くなると鳥は来なくなる。と言うか、少なくなる。
鳥は夜、目が見えないやつが多いので、群れて動くやつほど、来なくなる。
余程遠くから飛んで来てるみたいだから、帰りも時間が掛かるんだろう。
見えるうちに帰りつくために。
じゃないと他の奴らのエサになるし。
その代わりというか、その後は動物が狙ってくる。
こちらはまだ鳥よりマシかもだ。
鳥は嘴でちょっと突ついては逃げていく。
品物になる筈の収穫物を遠慮なく少し突ついては逃げて、いっぱい品物にならない様にしてくれる。
鳥は小さいのに、少ししか食べないのに、ほっといたらお腹いっぱいなるまで、沢山の傷ものを大量生産してくれて、逃げて行く。
傷物は少しだけの食べ残しだけで、他の部分は充分食べられそうだけど、人が食べると病気になって死に兼ねないから、もの凄く害になる厄介者だ!
その分動物は少しだけマシだと思う。
やっぱり勝手に食い散らかすけど、大量ではない。
残りが多いので、その分だけ助かる。
でも、出来たら食べられたくない。
奴らも増え過ぎたらもっと困るからだ。
結局、エサが足りなくなって、元の木阿弥だ。
そんなことならいっその事でと、同じ動物を飼って畑の為の見張りに使い、その飼ってる動物に餌をやって食べさせた方がずっといい。
そんな事をして、活躍してるのがテイマーだ。
冒険者ギルドに行けば雇って来てくれるけど、しかしここは貧乏開拓の開発村だし、片道なんて急いでも3日掛かるなんて、ギリギリしか払えない様な貧乏村の依頼なんて、冒険者も儲からないから来てくれなんて頼んでも、誰も来てなんてくれない。
そもそも冒険者達自体もそんなに儲からないし馬車も雇えるお金がないから来る事もない。
でも来てくれたなら、テイマーでなら効率よく、仕事をテイムした動物にさせられる。
昼なら一緒に、夜は下僕の動物に畑を見張においておけば仕事になる。
飼い主は夜は宿舎で寝てても、儲かるし仕事にもなる。
そんなお金が無い時に役に立つのが、僕だ!
何しろそんな高額な依頼のお金は殆ど掛からない。
おやつが要るからその分のお金が掛かるけどね。
貧乏だからおやつ必須は両親に言ってない。
そんな感じなんで僕が畑を見張り、追い払っていると、やって来る鳥が少なくなってきた。
そうすると今度は動物が増える番になる。
大きいと対応出来ないけど、小枝を振り回し大声を出して、追掛ければ大抵の奴は逃げて行く。
そんな状況の中に、近寄らないけど追い払う程でもない距離の所に、じっと此方を見てる奴?というか動物が1匹だけいる。
其奴の周りが暗くて分かり難いんだけど、種類も分からない大きめらしき奴がじっと此方を見てる。
なんか分からないけど睨まれてる様で気味が悪い。
僕の方も暇が出来れば警戒して、じっと睨み返す。
畑の周りにも他の動物とか獣が増えて来たし、追い払えばその後も警戒して、遠くのそいつを睨み返すことの繰り返しになって来た?そんな感じだった。
何度も睨んだ、睨み通した、暇暇ごとに睨んでやってたら、不意に向こうの何かが動いた!
奴と僕の間に、少し大きめの獣が来てた。
結果として獣が2匹になった状況で、此奴等が汚れて何の動物か分からないでいるし、狙いなのか暗い所に居て此方を伺ってたっぽいし、それで僕の認識が遅れたのかもだ!
何色の毛皮かとかも、僕が見ても分かりにくい!
ほんとに油断した。
初めの奴に気を取られて睨み通していたら、手前の別の同じくらい大きな獣に気が付かず、対応が遅れたんだ。
2番手の奴も、1番手の奴の動きに、前後の差もなく僕にどんどん走って接近してくる!
父は少し前に母の様子を見に、離れたところに行ってしまった。
此奴等は父が離れたのも見てたのかもだ!
そして、もう僕は万事休すだ!
僕は小枝しかない手に力を込めて奴らを睨む。
怖くて声を出したいけど、出したところで父には届かないだろう。
手立てもなし!
僕は小枝を振り回し、あと5メートルくらいまで近くに来てた奴等に、怒鳴り散らす!
「こらぁあ!ちかづかないわさ!あっちに行きやがれっ!この無敵の大きな小枝でぶっさすぞお!怖くないんか。こっち来たらタダじゃおかんぞ、わかってんのかおまえら!」
もう、何言ってんのか分かりません。
僕の口なんてもう酷いほどのカミカミ状態です。
相手は獣、言葉は幸いにも通じませんから、笑ったりはしないと思います。
ハッタリが効いたのか、奴らはそこから動きません。
頭が真っ白な僕はちょっと、ほんと分かりませんが、股間があったかいような、冷たくなりつつあるような、その感じを否定しつつ、その温度差のおかげかどうかですが、冷静さがちょっと戻った様です。
幻かもしれませんが、止まったままだと思ってた奴らはなぜかしきりに尻尾が上向きで揺らして来ています。
新手の攻撃の開始の合図なのでしょうか?
精々抗いてやろうじゃないか!
6歳男子の覚悟!僕はもうダメだから逃げたい!
やっと動き始めた足を少しだけ動かして、あとずらしをしてみます。
奴ら2頭は、尻尾を僕の威嚇に全振りして、僕の動きに合わせて、やはり少しですが、前に、前進という行動をして来ます。
ちょっと何か鼻に漂う何かが流れて来ました。
奴らが近いので、獣の匂いと言うヤツでしょうか?
僕の汗が、額からポタリと、地面に落ちたと思ったその時、狙ったかの様に2頭息が揃ったかの様に、僕に目掛けて襲いかかりました。
もうダメだ!
恐ろしさに再び股間に温かいものが感じられましたが、目をきつく瞑ってしまった僕には、もう母の抱っこは願えない!天国に行けるか分かりません!抱っこは恐らく天国でもして貰えないと思う!
せめて一太刀でもと、太い方の小枝の枝先を、目を閉じたまま、尻餅をつきながら、奴らに向けて振り回しました。
あ、今気がつきましたが頭がふらふらしてます。
気が動転し過ぎて、何がなんだかわからないです。
しばらく待ちましたが、痛過ぎるのか、激痛なる咬み傷の痛みを想像してましたが、そんな様なのは襲って来ません。
これはあれかな?死んだのかな?まさか自動でヒールが掛かって、死んだけど、傷だけは治ったりしたのかな?
まぁ少し待ってみるかなと、時間を少しちょっとだけあけてみたけど、何も変わらない。
だけど、音が戻って来ました。
緊張のあまり耳が人形みたいになってた様だ。
極々近くで、ハッハッ、ってのが聞こえて来た。
触覚感覚も戻って来たし、温かい股間と、あとは別の場所?顔から何かが舐めてる良くない感触がする。
痛く無いし、もしかして僕は食べられているのか?
変に冷静になった頭がそう感じてる。
恐る恐る、薄目で周りを伺う。
正面に睨んでいたと思わしき獣のその頭があった。
僕の頭と言うか顔?がベロンベロンやレロンレロンと舐め捲られている様。
なんだこれ?
どうしてこうなった!
音はしなかったけど、目の前になにかが現れた?
なんだこれは?
そんな、何かが表示されて来てた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます