第13話 拳銃の記憶、そして独房の孤独

 上杉謙信の死後、武蔵は、東軍と上杉家の争いを止めるために、各地を奔走していた。しかし、彼の言葉は、誰にも届かず、彼は次第に孤立化していった。

 そんなある日、武蔵は、東軍の陣営に潜入した。彼は、東軍の将軍たちと交渉し、和平を呼びかけようとした。

 しかし、東軍の将軍たちは、武蔵の言葉に耳を貸そうとはしなかった。彼らは、武蔵を捕らえ、尋問しようとした。

 武蔵は、東軍の兵士たちと戦い、逃走を試みた。しかし、彼は、東軍の将軍の一人に、拳銃で撃たれてしまった。

 武蔵は、深手を負い、意識を失った。

 気がつくと、武蔵は、暗く、狭い独房の中にいた。彼は、自分の体が、鎖で拘束されていることに気づいた。

「ここは…?」

 武蔵は、呟いた。

「ここは、東軍の独房だ。お前は、ここで、死ぬまで過ごすことになる。」

 独房の外から、冷たい声が聞こえた。

 武蔵は、自分の運命を悟った。彼は、東軍の将軍たちに、和平を呼びかけようとしたが、逆に、彼らに捕らえられ、独房に閉じ込められてしまった。

 彼は、自分の無力さを痛感した。彼は、世界から孤立し、誰にも理解されない孤独な存在となった。

 独房の中で、武蔵は、過去の記憶を辿った。彼は、謙信との出会い、村人たちとの交流、狆との試練など、様々な出来事を思い出した。

 彼は、自分の人生を振り返り、後悔の念に駆られた。彼は、もっと早く、自分の過ちに気づき、償うことができたはずだと考えた。

 しかし、過去は変えられない。彼は、独房の中で、孤独に死ぬしかない。

 そんな時、独房の外から、聞き覚えのある声が聞こえた。

「武蔵殿!」

 声の主は、片桐且元だった。彼は、武蔵を救うために、東軍の陣営に潜入したのだった。

「且元殿…なぜ、ここに?」

 武蔵は、驚きを隠せなかった。

「謙信公の遺志を継ぐあなたを、見捨てるわけにはいきません」

 且元は、力強く言った。

 且元は、武蔵を独房から救出し、東軍の陣営から脱出した。

 二人は、逃亡中、東軍の追っ手と戦いながら、謙信の遺志を継ぐ者たちを探した。

 そして、彼らは、謙信の教えを信奉する者たちと出会い、彼らと共に、東軍との戦いを続けることを決意した。

 武蔵は、再び、希望を見出した。彼は、謙信の遺志を継ぎ、この世から争いをなくすために、戦い続けることを誓った。


 佐々木武蔵が参加する『時代小説デスマッチ』は、予想を遥かに超える苛烈な戦場だった。参加者たちは、互いの作品を酷評するだけでなく、時には暴力も辞さなかった。

 第一戦:佐々木武蔵 vs 織田信長

 武蔵は、宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いを、現代人の視点から描いた小説で勝負に出た。一方、信長は、自身の天下統一への野望を、冷酷非道な戦略とともに描いた。

「貴様の小説は、甘すぎる。戦とは、もっと血腥く、残酷なものだ」

 信長は、武蔵の作品を酷評し、嘲笑した。

「貴様の描く戦は、ただの殺戮だ。人の心を、何も動かさない」

 武蔵は、信長の言葉に反論し、自身の作品の意義を訴えた。

 二人の激しい論争は、やがて暴力へと発展した。信長は、刀を抜き、武蔵に襲いかかった。武蔵は、咄嗟に刀を抜き、信長の攻撃を受け止めた。

「貴様のような男に、俺の何がわかるというのだ!」

 武蔵は、信長の言葉に怒りを覚え、反撃に出た。二人の激しい戦いは、周囲の参加者たちを圧倒した。

「面白い。貴様のような男が、どこまでやれるか見物させてもらおう」

 信長は、そう言い残し、戦いの場から去っていった。武蔵は、信長の言葉に、この時代で生き残るためには、並大抵の覚悟では足りないことを悟った。


 第二戦:本位田又八 vs 豊臣秀吉

 又八は、自身の半生を題材にした小説で勝負に出た。一方、秀吉は、自身の成り上がりを、人心掌握術とともに描いた。

「貴様の小説は、ただの言い訳だ。己の醜態を、美化するな」

 秀吉は、又八の作品を酷評し、嘲笑した。

「貴様のような男に、俺の何がわかるというのだ!俺は、ただ、償いを求めているだけだ」

 又八は、秀吉の言葉に怒りを覚え、反論した。

二人の論争は、やがて過去の因縁へと発展した。又八は、武蔵への復讐心を露わにし、秀吉に協力を求めた。

「俺は、必ず武蔵を倒す。貴様も、武蔵を憎んでいるのだろう?」

 又八の言葉に、秀吉は興味を示した。

「面白い。貴様の復讐に、協力してやろう」

 秀吉は、そう言い、又八と手を組んだ。


 第三戦:佐々木武蔵 vs 本位田又八

 武蔵と又八は、因縁の対決を迎えた。又八は、武蔵への復讐心を燃やし、秀吉と共闘して武蔵に襲いかかる。

「武蔵、貴様を倒すために、俺はここまで来たのだ!」

 又八は、憎悪に満ちた目で武蔵を睨みつけた。

「又八…貴様は、まだ過去に囚われているのか」

 武蔵は、哀しみを込めて言った。

「貴様のような男に、俺の何がわかるというのだ!」

 又八は、武蔵の言葉に激昂し、秀吉と共に武蔵に襲いかかった。

 武蔵は、二人の攻撃をかわしながら、又八に語りかけた。

「又八、貴様は、まだ償いの道を歩める。過去の憎しみを捨て、未来へと進むのだ」

 武蔵の言葉は、又八の心を揺さぶった。しかし、又八は、復讐心を捨てきれず、武蔵に襲いかかる。

 三人の激しい戦いは、やがて決着を迎える。武蔵は、又八を倒し、秀吉を退けた。

「又八…貴様の魂が、安らかであることを願う」

 武蔵は、そう呟き、戦いの場を後にした。

『時代小説デスマッチ』は、まだ終わらない。武蔵は、生き残りをかけ、更なる戦いに挑む。


 

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