第7話:魔王軍との全面戦争、そして“バグ封じ”という最悪のシステム
俺たちが忘却のダンジョンから戻ってきた時には、すでに王都は騒然としていた。
魔王軍が国境を突破。
黒の旗を掲げ、数千の魔物たちを従えて、全面戦争が始まろうとしていた。
そして——
「来たか、バグ使い」
戦場の最前線。軍の先鋒に立った俺の前に現れたのは、見覚えのある金髪の男。
勇者アレク。
「ここから先は、貴様のような“異常”に好き勝手はさせん」
「おいおい、今は共闘しようぜ? 相手、魔王軍だぞ?」
「秩序を乱す異常は、敵であろうと味方であろうと排除する」
……こいつ、やっぱり話が通じねぇ。
空が裂けるような咆哮とともに、魔王軍が襲来した。
無数のゴブリン、オーガ、飛竜に混ざって、四天王のひとり、〈幻影使い〉マルザスが姿を現す。
「バグ使い……この混乱の根源よ。ここで一度、終わりにしようか」
「お、お前まで来るのかよ!? 戦力豪華すぎんだろ!」
「貴様の力を、我が主——魔王ヴァルダス様が警戒しているのだ」
マルザスが両手を掲げると、空間がねじ曲がる。
数百体の幻影兵が出現し、王国兵を翻弄し始めた。
「ちっ……ギル、フィオナ! フォーメーションBでいくぞ!」
「うおおお、いきなり本番かよぉ!」
「詠唱開始! ツカサ、背後は任せて!」
《スキル発動:無限コンボ》
《スキル発動:データ改変》 → 幻影兵のHPを“1”に書き換え
《スキル発動:アイテム複製》 → 爆裂火球ポーション無限投下
「爆☆散☆祭り、開☆催ッ!!」
敵の群れがバグ技の雨に焼かれて吹き飛んでいく。
幻影兵のHPは全て1に書き換え済みなので、最弱のパンチ一発で爆散。
「ギル、投げたら爆発するやつな!」
「わっかりました師匠ォーーッ!!」
「……この戦場、見た目だけなら完全にバグだらけね」
俺たちのチームが戦場で暴れるたび、兵士たちが目を見開いてつぶやく。
「あれが……バグ使いの力……」
「敵だけでなく味方まで強化してるぞ!?」
「これはもはや……チート……いや、チートを超えた存在……」
勝てる。俺たちなら勝てる。
——そう思った、その時だった。
システムが、止まった。
《エラー:バグ利用によるシステム負荷が上限を超えました》
《魔王スキル発動:「バグ封じ」》
【効果:フィールド内で発動される非正規スキルを強制停止】
「……は?」
俺のステータスウィンドウが、急激にブラックアウトした。
**無限コンボ → 使用不可**
**アイテム複製 → 使用不可**
**データ改変 → 使用不可**
「ちょ、待て待て待て!! スキル全部止まってる!!」
「な、何が……!? ツカサの力が……!」
体が重い。思考が鈍る。
さっきまで暴れてたスキルが、まるで“なかったこと”にされたような感覚。
戦場の空気が一変した。
マルザスが、薄笑いを浮かべてこちらを見下ろしている。
「“世界の法則”に背く者よ……貴様の時間は終わった」
背後から無数の幻影兵が、今度は俺たちに牙を剥く。
「くっ……っ!」
攻撃を避けようとしたが、反応が遅れる。
バグに頼ってきた身体が、スキル停止の反動で鈍くなっていた。
ギルが盾になってくれるが、体勢は完全に崩れた。
「ツカサッ! このままだと、やられるわ!」
まさか——この俺が、スキル封じだけでここまで無力化されるとは。
これが、“バグ封じ”……!
そして、その時、戦場の空に黒い月が昇る。
その中心に、禍々しい存在が立っていた。
——魔王、ヴァルダス。
「バグ使いよ……世界を壊す者。お前を、この手で“初期化”してやろう。」
≪≪≪≪≪ SYSTEM MESSAGE ≫≫≫≫≫
最後まで読んでいただきありがとうございます!
暴走するバグ、迫る魔王軍——
そしてついに発動された“バグ封じ”……!?
スキル全停止の中、ツカサはどう立ち向かうのか——
この続きが気になる方は、ぜひ☆評価&フォローで応援を!
あなたの一票が、システム再起動のきっかけになるかもしれません——
≪≪≪≪≪ END OF MESSAGE ≫≫≫≫≫
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