死んだはずの幼なじみが転校してきたんだが、なぜか俺にしか見えない
Y2K
プロローグ
夏の終わりを告げる風が、教室のカーテンをゆるやかに揺らしていた。
あの日、朝礼で担任の山田先生が言い放った言葉が、今でも耳の中でリバーブしている。
「今日から皆さんと一緒に勉強することになった転校生を紹介します。望月彩花さんです」
その瞬間、俺の世界は止まった。
望月彩花—— 十年前に俺の目の前で死んだはずの幼なじみの名前。
信じられなかった。まさか同姓同名の別人だろうと、俺は顔を上げてステージを見た。そこに立っていたのは間違いなく彼女だった。藤色の髪、大きな青い瞳、柔らかな物腰——少し大人びた姿になっていたけれど、確かに望月彩花だった。
「望月です。よろしくお願いします」
彩花の口から紡がれる言葉は、かすかな風のように教室を通り抜けた。そして——誰にも届かなかった。
クラスメイトたちは、まるで何も聞こえていないかのように私語を続けていた。先生も「次の連絡事項です」と、彼女の存在を無視するように話を進めていった。
唯一、彩花の声が届いたのは俺だけだった。
桜ヶ丘高校2年B組の佐藤陸が、死んだはずの幼なじみと再会した瞬間だった。
そして同時に、この世界で俺だけが彼女を認識できるという、狂気じみた日常の始まりでもあった。
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