タイトルを見たとき、てっきり「猫には九つの命がある」という昔話のような、
猫が自分の命を分けて誰かを助ける――そんなお話かと思っていました。
けれど読んでみると、それは「九回生まれ変わった猫」の物語でした。

私が想像していたのとは違ったけれど、だからこそ、
読み終えた今、胸がいっぱいになるような、優しい感動が残っています。
命を差し出すのではなく、命を繰り返し、何度でも「あなた」に会いに来る猫。
こんなにも静かで、こんなにも強い愛の形があるんだなぁと、あたたかい気持ちになりました。

泣きました。また「君」と幸せに過ごせますように……。素敵なお話ありがとうございました。