第9章: 二人だけの時間と心の距離

カイルとティアはパーティを組んでから一週間ほどが経過していた。その間、二人はいくつかのクエストをこなし、時に軽く、時に真剣に戦いながら、少しずつ絆を深めていった。ティアはいつものように無邪気で、毎日のように笑顔を見せながら楽しそうに戦っていた。カイルもそれに引っ張られ、思わず笑顔になることが増えていた。


「今日のクエストも楽しかったね、カイル!」ティアは大きな声でそう言いながら、カイルの隣を歩いている。彼女の顔には満足げな笑みが浮かんでいた。まるで子供のように、次のクエストが待ちきれない様子だ。


カイルはその笑顔を見て、少し照れくさそうにうつむいた。「ああ、確かにな。お前と一緒だと、なんだか気が楽だ。」


「ほんと?」ティアは顔を輝かせて、カイルにグイッと顔を近づけた。「私もカイルと一緒にいるのが楽しいよ!だって、カイルって強いし、頼りになるんだもん!」


その言葉に、カイルの心は少しだけ温かくなったが、照れ隠しをして、ふっと肩をすくめた。「まあ、戦い方は一通り覚えたからな。でも、俺だけじゃなくて、他のメンバーもいるだろう。たまには他の奴と組んだほうがいいんじゃないか?」


ティアはその言葉を聞いて、急に顔をしかめた。「他のメンバー?カイル、私と一緒じゃだめなの?」その声には、少し怒ったような、でも無邪気な気持ちがにじんでいた。


カイルは驚いてその顔を見る。ティアがこんなにも自分と一緒にいたがってくれていることに、正直、驚きと嬉しさが入り混じった感情が込み上げてきた。言葉を選びながら、カイルは静かに答える。「いや、もちろんお前と一緒がいい。でも、他のメンバーもいるし、そういうのも大切だろ?」


ティアは少し頬を膨らませて、不満げな顔をしていた。「でも、私とカイルだけでいいじゃない!だって、カイルと一緒にいるほうが楽しいんだもん!」その言葉には純粋な気持ちが込められていて、カイルは一瞬言葉を失った。


「お前…本当に、そう思ってるのか?」カイルは少し驚きながらも、その眼差しに深く答えた。


「うん、そうだよ!」ティアは自信満々に答えると、急に照れたように顔を赤くした。「だって、カイルは頼れるし、戦ってても楽しいし…一緒にいると安心するから。」


カイルはその言葉に何も言えず、心の中でそっと頷いた。「ああ、俺もお前と一緒にいると、なんだか安心するよ。」


その瞬間、ティアは顔を明るくし、さらに嬉しそうに言った。「じゃあ、これからもずっと二人でやろうね、カイル!」その言葉にカイルは、まるでこの一週間が一つの新しい始まりだったかのように感じた。


そして、二人はまた新しいクエストを見つけ、受けることに決めた。途中、ティアが目を輝かせながら、カイルに向かって言った。「ねえ、カイル、これ!なんか面白そうなクエストがあるよ!」彼女が指さした掲示板には、どうやら二人でクリアするにはぴったりの内容が書かれていた。


「『二人の絆を試すクエスト』?」カイルは少し驚いた様子でその掲示内容を読んだ。どうやら、相性が良いパートナーと一緒に挑戦することで、絆を深めることができるという内容のようだ。


「なんか、私たちにぴったりじゃない?」ティアは嬉しそうに言うと、カイルにぐっと顔を寄せてきた。「このクエスト、二人でクリアすれば、もっともっと絆が深まるよね!」


カイルはその言葉を聞いて、思わず微笑んだ。こんな風に、何気ないことで絆が深まっていくんだと感じた。それがどんな結果をもたらすのかは分からないが、今はただ一緒にいることが大切だと心から思った。


「じゃあ、やってみるか。二人で挑戦してみよう。」カイルはいつものように冷静に言うが、その顔にはどこか優しい表情が浮かんでいた。


ティアは嬉しそうに笑った。「やった!ありがとう、カイル!」


そして二人は手を取り合い、新たなクエストに挑むことになった。クエストの内容や難易度に関わらず、今はただ、二人で過ごす時間が嬉しくてたまらないのだということが、カイルの胸の中に強く響いていた。

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