第十一話 作戦

僕らは社長におされまくり、渋々引き受けることにした。でもどういう路線でいけばいいとか、どう言う企画をやるか、とかは考えてくれたりするのかな?こんだけMeTubeやれ、といって、全て丸投げなんてあり得ないよね。うん、あり得ない。僕の専属マネージャーの琴塚さんとかが考えてくれるでしょ。


〜翌日〜

「MeTubeやってって言ったの琴塚さんなんで、企画考えてくれますよね?」

「え?考えないけど。」

「え!?考えてくれないんですか!?」

「うん、かおちゃん(琴塚さんは僕のことをかおちゃんと呼ぶ)の個人チャンネルやよ?あとはそっちでやってもらわんと。素人の成人女性であるわたしに頼んでもいい企画なんか出てこんよ。」

おいおいまじかよ。てか琴塚さんこの業界長いだろ。え、バカしんどいぞ。これは霞に要相談だな。この日の仕事はパパッと済ませて、急いで帰った。


〜帰宅〜

「ただいま」

「おかえり!My boyfriend!」

変なお出迎えをしてくれたのは霞だ。最近は霞がうちに来るようになって、ほぼ半同棲みたいなもんになっている。

「霞んとこのマネージャーは企画考えるよって言ってた?」

「それがさ、うちの、のむちゃん(霞の専属マネージャー野村の事)に話したんだけどさ、そっちで考えてくれって言われちゃって。」

「どうしよう。僕もマネージャーに聞いてみたけど、考えないって」

「うーんまじかぁ。難しいなぁ...。ほんとに難しい。」

僕らはバイトからこの業界に入ったただのど素人だ。でもMeTuberの人たちも元はと言えば一般人だ。こんな言い訳は通用しないだろう。助けて、事務所!


僕たちは悩みに悩んだ。悩んだ末、もう一度、事務所の人に路線と企画を考えてもらうことにした。しかし、「考えて」と言っても前みたいに門前払いされてしまう。なのでしつこ〜くねちねちと付きまう作戦にした。そうすればめんどくさくなって、何かしら考えてくれるかもしれない。この作戦、名付けて「しぶとく行こうぜ!獲物を追うライオン作戦」

「どうこの作戦名?」

「なんか長いし、親しみづらい、あとシンプルに変。」

霞にこれでもかとダメ出しされたので、短くしてライオン作戦にした。


ライオン作戦、実行は明日。頑張って引き出すぞ!

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