第15話:朝に天城さんと楽しく話をしていく
俺がこの貞操逆転世界に転移してから一ヶ月以上が過ぎた。
この貞操逆転世界で一ヶ月以上も生活してきた事で元の現実世界と比べたら全然違う所を沢山見る事が出来た。
まず最初に女性側の違和感としては、例えばテレビドラマを見てるとデートでは女性側がエスコートしてたり、お金を全部出したりするシーンがよくあった。おそらくデートとかそういうのは女性側がエスコートするのが一般的のようだ。
あとは高校では男女比がおかしくなっている影響からかグイグイと来る女子の比率が圧倒的に多い気がする。陽キャというか肉食系というか、まぁそんな感じのイケイケ女子の割合が凄く多い感じだ。
それと当然だけど男子側にも元の現実世界と比べたら凄く違和感があった。この世界では一夫多妻制が認められてるので、この学校内でも複数人の彼女を作って青春を謳歌しまくってる男子とかチラホラといた。
それとブランド物のアクセサリとか靴とかを沢山持ってる男子もチラホラといた。多分ああいうヤツはママ活してるんだろうなぁ……ってのも何となく察してしまった。
それと男性の思想にも少し違和感を感じていた。元の現実世界と比べると男性の数が少ないという事もあって、男性の方が若干だけど上みたいな思想を持ってる男性が多い感じがするんだ。
(前にも女子が雑用を押し付けられてるのに、男子は誰も手伝ってくれないという話もあったし、何だかそういう所は同じ男として悲しくなるよなぁ……)
俺は前にあった出来事を思い出してちょっとだけため息を付いていった。
そしてもちろん俺はそういう変な思想に迎合するつもりは一切ない。これからも困ってる人がいれば男女関係無く助けるつもりだ。母さんにも“困ってる人がいたらいつでも手を差し伸べる優しい男になるのよ”って言われてるしな。
という事で俺がこの一ヶ月近くで感じた違和感はこれくらいだ。まぁ細々とした違和感は色々とあったけど、でも今のところは特に焦る事もなく普通に生活を送る事が出来ていた。
そして出来ればこれからも平和に生活が出来れば良いなと思いつつ、今日もいつも通り学校に向かって行くのであった。
◇◇◇◇
そんなわけでいつも通りの朝。
「おはよう、天城さん」
「えぇ、おはよう」
―― カリカリ……
俺はいつも通り隣の席に座っている天城さんに挨拶をしていった。そして今日も変わらず天城さんはいつも通り朝勉を頑張っているようだ。
ちなみに天城さんは最初の頃は結構な塩対応をしてきてたんだけど、俺が何度も話しかけて言ってたら天城さんからもちょくちょく話しかけてくれるようになった。
(まぁ天城さんの表情は最初の頃と一切変わらない無表情で塩スタイルには代わりないんだけどさ)
でもちゃんと毎日気軽に話せるような間柄になれて本当に良かったなと思ってる。やっぱりクラスメイトなんだしちゃんと仲良くしたいしさ。
「天城さんは今日も朝から勉強? 朝から精が出るなー。本当に毎日お疲れ様だね」
「そりゃあ良い大学に行こうとしてるんだから当たり前でしょ」
「はは、そうだよね。それじゃあこれからも勉強頑張ってね。天城さんが志望大学に行けるように応援してるよ」
「ん、ありがと」
―― カリカリ……
そう言いながら天城さんはいつも通り勉強に集中しながらも俺と会話をしていってくれていた。なので俺はそのまま天城さんに他愛無い話を振っていってみた。
「あ、そうだ。そういえば同じクラスの白木さん、隣のクラスの倉崎君と付き合い始めたらしいよ?」
「ふぅん、そうなんだ? でも付き合ったりする人なんて多いんだから、そんなの別に珍しい事じゃないでしょ?」
「まぁそうなんだけどさ、でも付き合ったり青春したりするのって普通に羨ましくない? あ、そういえば天城さんは誰かと付き合ったりとかしないの?」
「私は勉強が忙しいから誰かと付き合ったりする時間なんて一切無いわ。それに学生の本分は勉学なのよ? だから本来学生の私達には恋人を作ってる暇なんてないはずよ」
「はは、流石はクールビューティーだなぁ」
「褒めてるのそれ?」
「あはは、めっちゃ褒めてるよ」
「ふん、本当かしら。まぁ別にどうでも良いけど。あ、でもさ……」
俺は笑いながらそう言っていくと、すると今度は天城さんから俺にこんな事を尋ねてきた。
―― カリカリ……
「でもさ、そういうアナタこそ誰かと付き合ったりしないの? アナタって結構告白されてるんでしょ? それなのに告白は全部断ってるんだってね?」
「え……って、え? な、何でその事を知ってんの?」
天城さんはカリカリと勉強を進めていきながら急にそんな事を俺に尋ねて来た。実は俺はこの一ヶ月近くの間に女子生徒から何回か告白を受けてきたんだ。
(ま、まぁでも流石に結構な数の告白なんてされてないからな。せいぜい2~3回くらいだからな)
そして確かに今の所はそれらの告白は全部断っていたんだけど……でも何で天城さんはその事を知ってるんだろう?
「だってアナタの事は色々と噂になってるから。今は“難攻不落の王子様”とか言われてるらしいわよ、アナタ」
「え、えぇっ!? 難攻不落の王子!? な、何だか恐ろしすぎる異名が付けられてるけど……で、でも付き合ってない男子なんて他にも普通にいるじゃん? そ、それなのに何で俺だけそんな異名が付いてるの?」
さっき男子生徒達は皆この貞操逆転世界で青春を謳歌してるような感じの事を言ったけど、でも実際はそうではない男子生徒も普通にいるんだ。
例えば天城さんみたいに勉学を頑張りたいとか、部活を頑張りたいという理由で恋人を作らなかったり、普通に同性の友達と遊びたいという理由で恋人を作ってない男子生徒もいるからな。
だから男子生徒の中には沢山彼女を作って遊びまくってる人とか、ママ活で沢山の大人な女性を囲って金を稼いでる人とかも確かにかなり多いんだけど……でも俺みたいに普通に過ごしてる生徒も多少はいるんだ。
(そ、それなのに……何で俺だけ変な異名が付けられてるんだよ……?)
「アナタにだけ異名が付いている理由なんて……そんなの簡単な話よ。この学校の男子の中でもアナタって女子からの評価物凄く高いのよ。噂で聞いたけどアナタって今までに人助けとか色々としてきたんでしょ?」
「え? あー、まぁ確かにそれは何回かはしてきたと思うけど」
「でしょ? そういう優しい男子って珍しいしね。あとチラホラと噂を聞いた感じだと、アナタは誰が相手でも分け隔てなく笑顔で接してくれるから嬉しいっていう評価も多い気がするわね」
「え? そんな事だけで評価高くなるの? 俺は普通に皆と笑いながら話してるだけなのに……そ、そんな事で評価って高くなるの?」
「当たり前でしょ。女子からしたら男子に話しかけるのって結構勇気がいるのよ? それで勇気を出して男子に話しかけてみたら毎回楽しそうに笑顔で話に応じてくれるなんて、そんなの嬉しいって感じる女子が多いに決まってるでしょ」
「え? あー、なるほど。確かにそう言われてみれば……」
確かにそう言われてみれば……元の現実世界でも同じ状況を考えてみれば、思春期男子からしたら同世代の女子に話しかけるのってめっちゃ勇気いる事だもんな。
それで勇気を出して女子に話しかけてみたら、その女子が満面の笑みを浮かべながら話に応じてくれたって感じだよな。うん、そんなのめっちゃ嬉しいって思うに決まってるよな。
という事で俺は天城さんのその言葉を聞いて、俺の評価が何だか高い理由についてちょっとだけ納得する事が出来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます