六章 予算委員会(1)
国会の委員会の1つに『予算委員会』がある。予算の
予算委員会は、50名の委員より構成されるが、
渡辺は、なんとか弱小政党でも予算委員会の委員になれるよう
「衆議院本会議で質問に立つしかないな。五木さん、なんとか質問に立てるよう交渉お願いしたいのですが・・」
「承知しました。なんとしてでも、質問する機会を得られるよう交渉してみせますよ」
渡辺は、今回衆議院となった曙新党 国会対策担当の五木利夫に交渉を依頼した。本会議で質問に立つためには、野党第一党の自立党を始め、各党の国会対策委員と相談しなければならない。五木は、どこかとぼけた味のある雰囲気を持っているので、他党との交渉にはうってつけの人物であった。彼が一言発すれば、場が
「よろしくお願いします」
渡辺は、そう五木に伝えると、ペコリと頭を下げた。
「それは、難しいですね。どの党ももっと時間が欲しいところを、何とかやりくりして
自立党国会対策委員長である井上裕は、無表情で五木にそう伝えた。
「
五木は、なんとか了解を得ようと
「言いたくはないのですが・・
曙新党さんは、国会の場以外でも街頭演説などでいろいろと発言されていますが、他党に対する
「言い過ぎの部分があるとしたら、お
国会は、言論の
少数とはいえ国政政党である曙新党の議員が、予算委員会でも本会議でも予算に関し議論する機会がないというのは、国民の目にはどう
短時間でもいいです。短時間でもいいですから・・国会本会議で、質問の時間を頂けないでしょうか」
五木は、珍しく顔を
「・・・・」
しばらくして、井上が静かに口を開いた。
「自立党の
「分かりました。ご配慮頂き、ありがとうございます」
五木は、5分という短い時間に納得できない気持ちはあったが、その事をおくびにも出さずに頭を下げその場を
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