天下無双なボクのダンスと布団な関係

玄栖佳純

第1話 天下無双

 こんにちは。

 九郎義経です。KACで困ると出てきます。


 頼まれると嫌とは言えません。

 それに、KAC2020の時に悔しい思いをしているし、完成させるつもりでいた二刀流もまだ書き終えていないし。


 それらの理由がなくても出てきますけど。

 目立ちたがり屋なので。


 でも、そう言われるだけで、自分では目立とうとしていません。地味に、目立たないように暮らしています。だって、目立つとイジメられますから。


 もう義経のような目には遭いたくないんです。

 怖いですよ。人間の嫉妬というのは。「あいつはエライ人に褒められてムカつく」って、みんなで一斉に攻撃してくるんです。


 いくら常人離れしているからって、イジメられたらキツイです。それに常人離れなんてしてないし。か弱い子羊のような美青年ですよ、ボクは。愛嬌たっぷりの永遠の16歳です。


 戦の方が楽です。

 切っちゃえばあーだこーだ言ってこないし。


 動かなくなっちゃうんですけどね。

 それで後悔するんですけどね。

 それで心がズタズタになるんですけどね。


 切られる方も嫌だと思いますが、切る方も後から来るんです。切ったヤツはなんとも思っていないと思うかもしれないけれど、なんとも思っていなくても後からきます。しまったって思います。


 人が人を殺すって、簡単に思っているみたいですけど、簡単じゃないです。というか簡単にしちゃダメです。すっごくとってもダメです。


 「そんなの綺麗ごとだ」って言う人もちらほらみかけるけど、その綺麗ごとを否定したら、どこまでも堕ちてくだけです。

 堕ちたら簡単には上がってこられない。


 人は間違いを起こします。

 だから、人を殺しちゃうこともあるかもしれません。


 そうしたら、いままでいたところにはいられなくなります。とんでもない場所です。戻ってくるには、それこそ大変な苦労があります。九郎だけに。


「切っても良いのは切られる覚悟のあるヤツだ」ということを聞いたことがあります。……違う? ちょこっとアレンジ加えてあります。


 取り返しのつかないことをしても、それを挽回することはできます。

 でも、戻るには、先に進むには、とんでもない時間と労力が必要です。


 その覚悟はありますか?


 間違っても、その間違いを正して別のやり方をすればいい。間違って間違って間違っても、間違い続けてもいい。なんとかなります、たぶん。


 ボクは、それに気づけたからここにいます。

 どうしようもないところに堕ちたけど、いろいろな人やモノが助けてくれたから。


 だからボクは天下無双。

 昔は違ったけれど。


 平安末期を生きてたボクは、ただのか弱い源氏の棟梁の9番目の息子で、強い人間ではありませんでした。


 弱いから自分よりも弱い人間を殺していた。

 強い人間は味方にすれば問題なし。


 それが八百年も過ぎると、天下無双の悲劇の英雄になってました。

 人気だけ見れば、鎌倉時代(平安末期だけど)の一強です。 


 現在いまは天下無双。

 みんなの想像が、天下無双にしてくれました。


 天下無双って、そういうモノではありませんか?


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