第2話
カバ山とは低い山が2つ連立して連なっていることからカバの口の上部分みたいだねと言われて、かば山の名前が定着した山のことだ。山のふもとの看板にもきちんと大きくかば山とかば山の説明が載っている。
「え~となになに?」
のっちゃんが看板の荒っぽくも整列された文章を読み上げる。
「かば山は低い山です。かば山の歴史は深く、浅い。浅いというとなんだか対立した言葉同士で成り立っていない文に思えますが、私はこれでよいと思うのです。だってこの山はもっと昔にできたのですから。私たちが見つけたときがかば山の名が付いただけなのです。それから....」
のっちゃんは読んでいくにつれ感情を増して音読する。それがなんだか奇妙に見えたのか面白く写った、のか分からないがりっちゃんがクスッと笑う。
今からその山に登るのだ。そんな気合を入れて、準備運動をする。すると歩こうとしたのっちゃんもつられたように腕を伸ばし、ストレッチを行う。
りっちゃんはすぐに山に登ろうと思ったのか、かなり前に整備されたであろう道の前まで歩く。そして立ち止まり私たちのほうを向き、言う。
「早くいこーよ」
それに、のっちゃんはストレッチをしながら言う。
「りっちゃん!ストレッチしよーよ。大切だからさ」
それを聞いたりっちゃんは渋々といった感じでストレッチをする。その様子を眺めながら準備体操を終わらし、ダっと足で地面を蹴り、走る。そしてりっちゃんの横に急停止をし、ニッとりっちゃんに笑いかける。りっちゃんは構わずストレッチを続ける。いつもの日常であるやり取りをした後、くるっと回転し、のっちゃんのほうを見る。
「行こ~~~~~」
そう言い、もう一度山のほうを向く。すると、「はやいー」とのっちゃんの声が聞こえる。それを聞きつつ山を見ると、いつもより山はおぞろおぞろしく見えた。いつもと変わらない風景なはずなのに。そんなことを思っているとのっちゃんがストレッチを終わらせとようでこっちに来る。そして「行こ」と言い歩き出す。「うん」と隣にいたりっちゃんは言う。私はあの山になにかを感じているのだろうか。そうぼーっと見ていると、段々生きているかのように思えてきたのでその考えを振り払うように、前を向くとりっちゃんが不思議そうな顔で私を見ている。どうしたの?と聞いてくるのでなんでもないよと返して、行こと道を進む。
山は心地がいい。風がそよぎ、段々と色づいてきた木々の葉が揺れ動く。ちょうちょがこの場を賑わかすように、不規則に飛んでいる。木々からチラチラと顔を出す太陽の光が私の心身を灼(や)く。そんなことを感じながら目を細める。するとのっちゃんが喋りかけてくる。
「そういえばさその落ちてきた星って本当に星なのかな」
頭の中に疑問符が浮かびあがる。
「どういうこと?」
「いやだからさ それが本当に星なのかっ、て話。例えばさそれが宇宙人が乗ってきた乗り物だったりするかもしれないじゃん」
私は「あ~~」と納得の言葉を言う。それにしても面白い発想だ。私はもう一度尊敬の念を込めながら「あ~ー~」と感嘆の声を紡ぎだす。
のっちゃんはその「あ~-~」の意図あるしは意味が伝わらなかったようで首を少しかしげる。そしてのっちゃんはりっちゃんのほうを向き、言う。
「りっちゃんはどう思う?」
そうりっちゃんに話題を投げかける。
「さぁ星以外が落ちてくるとかないでしょ」
懐疑的な意見だ。
「いや、わかんないよ?」
右手の人差し指をたて、ジェスチャーをしながら言う。それを私もしっかりと聞く。
「この宇宙は広いんだからさ、」
「じゃあなんのために?何をしに来るの?」
難しい質問を返す。
「それは、、、」
とのっちゃんは言葉に詰まる。私も考える。もし宇宙人がいたらどんなことをしに来るのだろうか。そんなことを考えていると頭の中に電撃が走ったかのように面白い意見が浮かび、あっと声に出してしまう。すると2人は私のほうを向き、まるでせがむように次の言葉を待つ。そして私はそれに応えるように言葉を紡ぐ。
「それはさ、、、きっとあれだよ、旅行しに来たんだよ!」
それにりっちゃんはくすっと笑い、のっちゃんはいかにも真面目そうな顔をして、次の言葉を待っている。私は二人に見られていることに心底ドキドキ、、、言い換えれば緊張しながら、また言葉を紡ぎだす。
「多分さ、あれだよ。船みたいのに乗ってさ、こう宇宙を横断してくるんだよ!きっと。、、、」
「いや、それはないでしょ、ふふっ旅行しに?」
少しだけニヤニヤとしているりっちゃんの表情に充てられちょっとだけ恥ずかしい気持ちになるが、それでも意見を曲げず背筋をピンとさせる。するとのっちゃんが言う。
「いやでもりっちゃん。分からないよ?」
またも真剣なまなざしでのっちゃんは私たちを見つめる。
「もしかしたらあるかもしれないじゃん。なんせこの宇宙は広いんだからさ」
「まぁ、、、そうだねあり得ない話では確かにないけどね、でも最初は旅行じゃなくてその、、交渉しに来そうだけど」
幾分か居心地が悪そうな顔で言う。また、その意見に私は(確かに)と心の中で同意する。
そしてなんだか自分の発言で議論が巻き起こるということに心がむずむずして落ち着かない。そんな気持ちになりながらのっちゃんを見ると、のっちゃんは楽しそうに微笑んでいる。りっちゃんはつんと拗ねているわけではないが、微妙な顔をしている。そんな二人と一緒に私は変わらず道を歩く。
そうして会話に区切りがつく。
するとりっちゃんが言った。
「てゆーか星ってさわかるの?要するに石でしょあれ」
、、、すごい現実主義的な考えだ。確かにそうなのだが....。
「ロマンがないなぁりっちゃんは、もしかしたら巨大な飴玉だったりするかもじゃん。それに私の予想だとクレーターみたいにボコってしてるから分かると思うんだよね」
「まぁ確かに、、、でも飴玉だったら汚くて食べれないけどね」
納得したような顔をして、また前を向く。りっちゃんの少し荒い息遣いが聞こえてくる。
するとのっちゃんが話に加わってきた。
「私もそう思うなぁやっぱりロマンだよロマン。りっちゃん。」
「、、じゃあロマンは二人が担当してくれればいいよ私は現実的な考えで考えるから。そうすれば互いに補い合えるからいいでしょ」
「、、、そうだね」
りっちゃんはなぜか私と反対方向を向きながら歩く。それをのっちゃんが理解したようににやにやとしている。私はそれの意味がなんとなくしか分からず、恐らくあっけらかんみたいな表情をしているであろう。
そうやって駄弁りながら歩いていく。
いくつ歩いただろうか。私たちは楽しかった会話も一時停止して、黙々と道なりに沿って歩いていた。耳には私と2人の歩く音のリズムが絡み合う。それがどうにも楽しい。すると風が前からスーッと吹いてくる。それに抗うように目を細め体重を前に出し力強く一歩一歩を踏み出す。風を切っている感覚が少しこそばゆい。そんな一人遊びをしながら歩いていると先の道の右側に看板が打ち付けられていることに気が付いた。
「あっみて看板」
看板には850m約半分と書かれており達成感を感じる。そしてのっちゃんが反応し、言う。
「おっあと半分だって」
そしてそのままりっちゃんを見ると。もうすでに息が上がっていた様で苦しそうに下を俯いている。りっちゃんは(ああ、すごいね)と、か細く今にも倒れそうな声で踏ん張るように言った。「大丈夫⁉」と二人で駆け寄り、すぐさま座らせりっちゃんを休ませる。
「はいこれ私が持ってきたタオル。」
私がカバンから持ってきたタオルでりっちゃんの顔と首筋を拭く。りっちゃんは素直に受け入れ、辛そうにうつむいている。のっちゃんはりっちゃんのリュックから水筒を出し飲まそうと心配そうな顔で口に運ぶ。ありがと、と水筒を受け取り水を飲む。私は拭き終わったタオルをカバンに入れりっちゃんの隣に座る。
「大丈夫?」
と私はりっちゃんの顔を覗き込むように首をかしげる。りっちゃんは私に視線を合わせず、反対方向を向いてしまう。やりすぎると嫌われることは百も承知なので、りっちゃんと同じ姿勢をして空を見上げてみる。空は綺麗な入道雲が太陽をちょうど邪魔している。すると段々入道雲の一部が分離してくるのだ。そしてその雲が、まるでキリンの鼻(?)の感じがある形になった。見てみてとりっちゃんにも見せてあげようと思い、話しかけようとりっちゃんのほうを向くと。
「もう大丈夫」
そう言い、おもむろに立ち上がり、一人でとことことゆっくり歩き始める。
明らかに強がりだと私とのっちゃんは思うが、しかしりっちゃんの思いを尊重したいので会話をせずしっかりと歩く。ちらちらと私とのっちゃんはりっちゃんを見てしまうが、りっちゃんが睨むように見てくるので真っすぐを向いて進む。スピードを落とし、のっちゃんはりっちゃんに言う。
「本当にダメだったら言ってね」
うんと小さくか弱い声でりっちゃんは言った。そんなこんなでしっかりと、かつ一定のテンポでできる限りのスピードで歩く。しかし、悲しいかな段々と距離が開いてくるのだ。まずは私が真ん中でそのちょっと前にのっちゃん。そして、最後にりっちゃんだ。その事実にりっちゃんはちょっとはやいと苦言を呈している。それにのっちゃんと私は歩くスピードを遅くして、りっちゃんを励ます。そうやってゆっくりとしかし確実に登っていく。
「ほらりっちゃん見て、景色、すごい登ってるよ」
「、、、ほんとだ。」
のっちゃんが励ます。景色を見ているりっちゃんと同じように私も景色を見る。私たちが住んでいる街が一望!......なんて景色ではないが、しっかりと建物の屋根が見える。
そうやってまだまだある道のりに目を背けようとしながら歩いていく。
小鳥のさえずりも風のぬくもりも心地いいがそれと反転して足の疲れはあまり心地のいいものではない。先ほどよりもかなり遠くまで見えている町の景色に少し安堵しながら、私たちの残り体力に心配を募らせていく。そう、段々と足が疲れてきているのだ。一歩歩くごとに足がもぞもぞする。別に痛かったり歩けないほどではないのだが、何か気になる。そんな感覚がより、疲れを感じさせるのだ。すると耐え切れずについ口を滑らせてしまう。
「あ~疲れた~」
皆疲れているから少しぴりぴりしている。もう、この発言をした私に目線を向けないほどに。
「ねぇ一旦さぁ休まない?」
「え、でもちょっと行ってからにしない?あと少しで着くと思うからさぁ。」
のっちゃんが言った。
「え~あと少しっていつー疲れたよぉ」
私は立ち止まる。するとすぐにりっちゃんに抜かされ、二人が私のほうを見る。
「、、、頑張ろうよ、ね、行けるって私たちならさ」
柔らかくも若干硬い表情をしながらのっちゃんは言う。そしてりっちゃんは少しの間目線を反らし、次にしっかりと私の目を見る。
するとりっちゃんがぼそっと言う。
「子供みたい」
嫌味っぽく呟いた。目線を外して。
「?子供だよ、」
私は言葉の意味はぼんやりとしかわからなかったが表情からなんとなく読み取りそれに応えるように表情を形作る。自分の顔は見れないので判別はできないが嫌な顔ではあったのであろう。それを一瞬チラッと見て、若干焦ったようにまたりっちゃんは、目線を反らす。
「りっちゃんそう言うことを言うのはよくないよ」
りっちゃんにのっちゃんが口を指す。それと同時に自分の軽率さと愚かさを理解した。のっちゃんとりっちゃんも同じくつらいはずなのだ。それなのに文句も言わずに懸命に歩いていた。なのに私は......。とやるせない気持ちになる。ただそれと同列か、いやそれよりはるかに下であろう部分に、(なにをそこまで言う必要はないのではないか)とも思ってしまっている自分がいる。ただ自分の無神経な発言でりっちゃんを悲しませてしまったという気持ちのほうがはるかに強く、段々と後悔と自己嫌悪の念が強くなっていく。私はそれに耐えきれず、また素直に謝らなくてはと思い、謝罪の意を表するべく口を開け言葉を発する。ちゃんとりっちゃんの目を見ながら。
「ごめんりっちゃん、、それにのっちゃん」
のっちゃんが言う。
「うん私もごめん。りっちゃんの意見もちゃんと聞いて一旦休んでもよかったよね、、」
そしてりっちゃんに謝意を迫るようにのっちゃんは視線を変え、向ける。私は下を向いて逃げ出したい様な気持ちを抑えながらしっかりとりっちゃんの目を見る。
するとりっちゃんが申し訳そうな顔で謝る。
「、、いや、こっちこそ疲れてて、ごめん」
その顔がむしろ私を焦らせる。りっちゃんは悪くないのに。
本当に謝りたいのだがその方法が見つからないので、ごめんと言うことしかできない自分が情けない。するとのっちゃんがそんな私を察してか否か声をかけてくる。
「ね!二人とも謝ったしさ、ほら行こうよ」
そういい二人の間に入って私を左、りっちゃんを右にそれぞれの手を握り、ねーっというような笑顔を振りまく。私にはそれがありがたくも苦しかった。
そして手をつなぎりっちゃんのペースに合わせてのっちゃんが動くそれにつられて私も動く。罪悪感でゆっくりと心が埋め尽くされていく。少し歩いた。
そのとき私は心の中で反省をしていた。そして色々考えこんだ後、意を決して、またも口を開き、言う。
「りっちゃん」
そう私が言うとりっちゃんとのっちゃんが私を見る。私は口を若干震わせながら言う。
「でも本当にごめん」
そういうとめんどくさそうにりっちゃんは言う。
「だからもういいって気にしてないよ。」
「うん、、、」
口の中が苦いまま歩く。
耐え切れない罪悪感に飲まれそうになってしまう。これは自分の問題で、謝ってもそれは自己発散にしかならないのだ。わかっていながらも口に出してしまう。人間という生き物の哀しい性(さが)なのだろうか。そんな下を向いている私を見かねたのかりっちゃんがまた、言う。
「あのさぁほんとに私気にしてないから、ちょっと疲れてただけで。その、、、思い詰めちゃってるのかもしれないけどさ、私はほんとにだいじょぶだから。そのなんていうか私も色々、、、悪かったわけだしさ。」
その返答を聞いて少し、心の中の霧が晴れた感じがする。
「うん」
私は若干の笑顔を取り戻しながら、少しずつ朗らかな顔をする。すると唐突に。
「ねぇ私疲れちゃった。休まない?その~喧嘩って疲れるしさぁ」
のっちゃんは案を提案する。それと同時に、あそこと言わんばかりに指を指す。そこには、空き地のような広さの平らな場所が存在していた。りっちゃんはいいねと笑顔になりながら歩く。私はのっちゃんに小さくありがとという。するとのっちゃんは、なんのこと?と、とぼけてみせる。それに二人で笑いながら、先に行ったりっちゃんを追いかける。
りっちゃんはレジャーシートを取り出し置く。ふわっと漂う。そこに三人で座る。ちょっとばかし狭いが十分3人が座れるスペースがある。左にのっちゃん。右にりっちゃんが座る。
そうだ、持ってきたクッキーを振舞おうと頭の中で思いつく。クッキーを取り出そうとリュックサックを手繰り寄せ、探す。そして少し潰れかけているクッキーを取り出し、言う。
「ねぇ私クッキー持ってきたんだ。あげるよ、はい」
「ありがと」りっちゃんはそう言い、優しく(疲れで震えているのか分からないが)受け取り、手で持ち待つ。恐らく皆で食べるのを待っているのであろう。礼儀正しいな、なんて思いながら新しいクッキーを優しく掴み、のっちゃんにも渡す。
「はい」
「ありがと」
のっちゃんは人懐っこい優しい笑顔でクッキーを持った。
「じゃあもう食べるよ」
そうりっちゃんはぶっきらぼうに言った。すかさず私は手で止めるジェスチャーをして言う。
「ちょっと待って、乾杯しよ」
そういい水筒を掴み持ち上げる。りっちゃんはこれまためんどくさいなと言わんばかりに視線を下げるがしっかり水筒を持ってくれる。そしてのっちゃんは一足先に水筒を持ち上げ「いえーい」と場を盛り上げてくれる。そんな二人が私は好きだ。表情を緩めながら私も水筒を持ち、「かんぱ~い」と合図をし、カツンと水筒のぶつかる音を鳴らす。そして水筒を置き、誰よりも先にクッキーを食べ始める。すると途端に甘い味が口の中にサーっととろける。それと連動して私のほっぺが吊り上がる。やはりお母さんが作ってくれたクッキーは世界一美味しい!。贔屓している訳ではない。本当においしいのだ。その証拠にりっちゃんものっちゃんも満足そうな顔でクッキーを黙々と食べている。しかものっちゃんはおいしーねと言ってくれた。
、、、それにしてもクッキーを食べているとぽろぽろとクッキーが落ちる。その点のっちゃんは器用だ。一粒もこぼさずクッキーを食べている。すごい。あ、りっちゃんもだ。、、、やばい私だけだこぼしてるの、、、。しっかり食べなきゃと残りのクッキーをできる限りきれいに食べる。
ふと空を見上げると太陽が先ほどよりも低い位置に位置していた。その事実に少しの焦りを覚えながらもゆったりと水筒の水を飲む。
「じゃあそろそろ行こっか」
そうだねとのっちゃんが同調してくれる。すると。
「待ってもうちょっと休みたい」
大の字になりながらりっちゃんが言う。私はのっちゃんと目を合わせてじゃもうちょっとやすもっかと言い私も大の字になる。するとのっちゃんも「ずる~い」といいまた同じく大の字になる。りっちゃんのモコモコの服が手に当たって心地いい。そのまま太陽の温かさを感じながら、風に吹かれる体の感覚に身を任せる。
そのまま少し経ち、りっちゃんが、がばっと起き上がる。そしてそれに続いて痺れを切らしたかのようにのっちゃんも起き上がる。
「行こ」
そんなりっちゃんの声を聞きながら私も起き上がる。私はん~と体を伸ばしながら、レジャーシートを片付けているりっちゃんを横目にまた道を見上げる。そして、のっちゃんが喋りかけてきた。
「これ地図なんだけどさ、このどこら辺に落ちたか分かる?」
「え」
拙い記憶を手繰りながら必死に思い出そうと頑張る。
「え、えっとね、、、確か右らへんだったからここら辺かな?」
記憶が正しければ確かに地図の右上らへんである。
「そっか、」
ちょうど片付けが終わったりっちゃんがこちらへ来る。そしてのっちゃんはりっちゃんに話しかける。すると先ほどの会話の内容が聞こえてくる。ちゃんと伝わったみたいだ。
「よーし行こうよ‼」
「そうだね」
そう、のっちゃんは言い、りっちゃんは軽く頷く。
そして私たちは互いに励ましあって先が見えない道を歩く。もう私もりっちゃんも弱音は吐かなかった。そうして歩いていると、のっちゃんが言った。
「あ、見て看板」
看板には頂上と書かれていた。私たちはそれを見て、手を取り合って喜ぶのであった....。
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