第7話

栄太side



春休み中に免許を取得した。

ユキトとモトキと。


洗車のバイトをしてると

どうしても車に憧れた。


もう一つの理由は

引きこもりの菜々子を

連れ出したかったから。


電車嫌いは続いているし

そもそも人間が得意じゃない菜々子は

服屋の店員に話しかけられるのすら

引きつっている。


きっと過去に色々あったんだろう。


その辺の話はしたがらないから

俺も聞かない。

聞いても変えてあげられない。



大学はこれと言って変わったこともなく

平凡に始まった。


とにかくサークルの勧誘がすごい。


部活の先輩からもだし

見ず知らずの奴からも。



女はこぞって声をかけてくる。



菜々子も同じだ。

見るたび勧誘と言う名のナンパをされている。


予測はしていたが、それ以上だった。

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