すみません、拒否してもいいですか?
兄をスライムにもぐもぐされる刑に処した後、
大体、
リティシアとして、この周辺にある村々と交流はあるけれど、そんなに親しい間柄になった者はいない。
つまり、やはり兄の言動が原因での縁ということになる。
兄はああ見えて、人望があり、交友関係も広い。能力者から人間まで、誰が来ても何らおかしくはない。流石に魔物はないと思う。兄も会話は出来るけど、苦手だって言ってたし。
一体、誰なんだ。街の権力者か、はたまた引きこもりの学者か。うーん、と思考に浸る
かけていたモノクル眼鏡にヒビが入ってるんだけど。気付いてないな、あれは。
軽く袖口で顔を拭うと、兄はばつが悪そうに此方を見る。
「あのさぁ、リティ……」
「何、少しは反省したの?」
「はははー、ええと、じ、実はね、そいつさぁ。もう、我が家に向かってるんだよね……」
「え?」
「能力でひとっ飛びできるからって、うわっ!?」
ふわりと一筋の風が舞う。だが、それは一瞬の事で次の瞬間、部屋には轟音と共に1人の男が、降りてきた。
パラリ、と瓦礫と埃を身に纏いながらも何処か楽しげで。こいつ、能力者だ、と瞬時に察する事が出来た。
何時まで経っても落ちてくる小さい瓦礫と土埃を見て視線を上へと向ける。
わあ、屋根におっきい穴が開いてるぅ。
青空が綺麗だなぁ……。
思わず現実逃避したくなる光景が広がっているんだけど。これ、誰が修理するの? 兄さんだよね? ね?
男は小さく息を吐くと、首をゆるりと首を傾け、
「おっ? ほんとにいた。ギルの妹とは思えない程に優秀そうな魔力じゃん」
「……悪かったねぇ、僕は普通の魔力で」
「エルフとしては優秀な部類なんだよ、ギルも。ただ、
男は
その際、ふわりふわりと男の周りに魔力が動いているのを感知した。意図的ではない、自然と流れている。
「……風の能力?」
「そうだよー、リティ。……いてて、彼がウィル。僕の友人の1人で、リティを相棒にしたいと言ってる奴で、風の能力が大得意」
ちょっと貸してーと、男から風を受け取りスライムの液を外していく兄を見ながら、
ウィルって、愛称だろうから正式名はウィリアムかな。……いや、ちょっと待て。風の能力者のウィリアム?
記憶が間違いなければ、男は。
否、彼はーー
「なるほど……、貴方が、今の世界領主なのね、ウィルさん?」
「改めて、俺の名はウィリアム、ウィリアム・スヴァレー。成り行きでちょっと世界を統治しちゃった風の能力者。以後宜しくー」
全力で、宜しくしたくないです。
速やかにお帰り下さい!!!!
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