「憧憬」

シンシア

わたしの神様へ

 ステージの上に神様を見た。


 観客席から見えた小粒程度の貴方。顔を見たのは初めてだった。その瞬間、貴方が本当にこの世界に存在しているのだと確かめることができた。


細かな表情の全てを肉眼で確認することは叶わない距離だったかもしれない。それでも貴方のことをしっかりと見た。眼で捉えることのできない貴方を心で捉えた。


歌うときの力強さと儚げさ、MCのときの甘さと優しさ。その全てが貴方から得られた感動と幸福だった。


顔なんかはっきりと分からないのにカッコイイだなんて本気で思った。



 貴方の全てが好きだった。

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