第20話、韓中の戦い(前編)

僕が要塞で待ち構えていたある日に遂に魏軍の大軍が攻め寄せてきた。


数は十万はいるとかなりの大軍でありこちらは一万とかなり少ないが要塞や罠、そして風水師の力を借りれば何とか倒せると考えていた。


既に要塞の外には伏兵など伏せており合図共に敵軍を動揺させるつもりでいた。そんな事を考えていると敵軍から二人ほどの人影が来て何か話があるのかなと思ってみているとその人物は僕の想像を超える人たちが現れたのである。


その人物は魏の皇太子、曹緋様と姫君の魏元姫様でどうして二人がこんな場所にとあまりの驚きで僕はもしかしてと思いで二人に前から渡しておきたかったものを持ってから攻撃をしないでねと伝えてから風波で要塞から出て二人と対面した。


「これは曹緋様に魏元姫様!?どうしてこんな場所に来たのですか!?ここは間もなく戦場になってしまうのですよ。早く、都に帰って下さい」


そう伝えると相変わらずだな、文虎と言われたけどそんなことをしている場合ではないですから。


敵国の将軍を目の前にして普通ならば危ないからやめてくださいと伝えておいた。


ともかくご用件をお願いできますかと聞いてみると二人とも真剣な表情をして僕に言ってきた。


「文虎、どうか魏に戻ってきてほしい。文虎はこれからの魏にとても必要な存在だ、父上は将軍職にだけを約束をしたのかもしれないが俺は違う・・・俺が皇帝陛下になったら文虎を丞相にさせる。だから魏に戻ってきてくれ」


そう言いながら頭を下げてお願いをしてきた。一緒に来ていた魏元姫も同じように頭を下げて来たのだけど僕は二人に申し訳ない気持ちになりながら返事をした。


「皇太子様、身に余る光栄ですがもう僕は南韓の将軍として生きています。そのお話は丁重にお断りをさせていただきます。ですが魏に対しての恩義も忘れていません。ですのでこちらを受け取って下さい」


そうして僕はもしもそのまま魏に仕えていたら献上しようとしていた政策など魏より北の国を平定するための策など記載した書簡を渡した。


皇太子がそれはと聞いてきたので僕がもしも魏に仕えていたら渡そうとしていたものです、受け取ってくださいと言ってから渡すとその内容を二人で確認を始めた。


その内容を見ているとすごいと言って持っている手が震えながらしていると曹緋様がやはり戻ってきてくれ、文虎と泣きそうな声でお願いをしてきたがその話は無理な話ですと言ってから二人に伝えるのだった。


「そろそろここは戦場になり危険になりますので二人は帰ってください。二人はこんなところでは死んではならない人物ですから」


それを伝えてから僕は風波で風にのって要塞に戻ってきた。二人はとても悲しそうな顔をしていたがこちらの要塞の様子を見て攻撃の準備をしていると分かりそのまま立ち去った。


二人には本当に良くしてもらっていたのでこんなところで死んでほしくないと言うのは本心であり僕が出来る限りに思いつく考えを纏めた書簡は渡した。


後はそれを有効活用してくれるはずだとして僕は南韓の将軍として役目を果たそうと思って待ち構えていると魏軍が迫ってきて大将に文欽が現れてから話してきた。


「貴様!国を裏切るだけではなくこの父に対しても裏切るつもりなのか」


「文欽よ、それは本当に子供のことを大切にしてくれたものならばその言葉は正しいと思いますが僕にはその様な記憶がございません。ずっと冷遇されていた嫌な記憶ならば持ち合わせておりますが」


それを言うとこのクソガキがと言ってあの要塞を攻略せよと言って遂に魏軍が要塞に攻撃を始めてきたのである。


僕はまずはおもてなしとして赤龍を召喚して迫りくる魏軍を炎で焼き払い始めた。流石に赤龍の炎を防ぐ者は殆どおらず多くの魏軍が被害を受けていた。


それでも文欽は怯んではならないとして突撃を強行していた。全くもあれに付き従っている魏軍が少しばかり可哀想に思えてくるけどこれも戦場だとして諦めてくれと思いながら赤龍は攻撃を続けていた。


そうするとやはり攻城兵器を出してきたのでそのままにしておくと作っていた落とし穴に見事にかかってくれた。


ここまで思い通りだと普通ならなにか裏があるのではないかと思ってしまうが相手が文欽で父上の性格を考えてもそんな裏はないだろう。


そんなことで怒ったのかさらなる増兵して一気に突破してこようとしてきたのだけど左右を守っている兵士たちまで連れてきたら側面の守備が大変な事になるのにと感じながら僕は伏兵部隊に合図を送った。


その瞬間に左右の山から落石が多く転がってきて多くの魏軍たちが巻き込まれて大損害を出していた。


それでもこちらはまだ多くの兵士達がいる、向こうは僅か一万だと言って必死になって鼓舞をしていたけどその場所が死地に変化してしまった事にまだ気がついていないのかなと思って風水師部隊に僕も参加して一気に天滝を起こした。


そうやって天滝から出た水は魏軍を飲み込み更に落石が簡易的な堤防となり水を逃さないようにして残っている魏軍を一気に倒していた。


十万と言っていた魏軍が僅か一日で半数以上が討ち死にしてその上に要塞を攻めるためには軽い湖となってしまった場所を通らなくてはならなくなりそんな湖が出来るなど想定などしておらず渡れずに魏軍が立ち往生していたのだ。


後は物資も失えば魏軍の戦意は完全に無くなり勝利となる。


しかし、流石にそこまで馬鹿ではない父上は隠しているらしい。調べたいがこちらも湖となってしまったので未動きが取れにくくなってしまった。



・・・・って、父上はそう思っているだろうな。現実にこちらも少数精鋭ぐらいしか行けなくなったから。


そう、僕が鍛えている少数精鋭部隊、風水師隊の千人は風波で空を飛ぶ事が可能であり湖が出来ようとも関係がないのだ。


無論なことに昼間で動いたら気が付かれるのは間違いないので夜に夜空が綺麗な夜に行動を開始する事にした。


明かりは夜空の星を頼りに動くつもりである。


狐喬さんも朱雀様もそれが一番良いと言われて僕は夜襲の支度をしていると狐喬さんが何か調子が悪いらしいので僕はなら狐喬さんはこの要塞を守ってくださいとお願いをした。


どうして調子が悪いのであろうかと思っていたが今はそれよりも夜襲をしないとならないとしてそちらに集中する事になった。


それから僕たちは夜に紛れて出陣をしたのだった。


既に敵の兵糧庫は発見をしておりそこを燃やせば戦う力は残されない。これ以上はお互いに死人を出したくないとして思っていた。


既に魏軍は半数近くが死亡しておりこれ以上は・・・と思っていた。


そんな事を考えていると目的の場所に到着をするのであった。やはりあの湖が出来てから警備がかなり緩くなり警備兵が寝ている者もいるぐらいだった。


少しばかりは風水師がいるとして計画を立てないのかと父上の采配には呆れてしまっていた。


父上は昔から武芸とか長けている采配とかしているが風水師とかを馬鹿にしているからな。


だからこそ教えてあげよう、風水師を甘く見るとどうなるのかと思いで僕は攻撃準備をするように伝えてから風水師たちは火矢を支度をしてから僕は鐘を鳴らして叫ぶのだった。


「油断している魏軍に我々の力を見せつけるぞ!新しい時代の幕開けだ!そして僕たちは時代の主役となる!!」

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