使えないと言われて追放されましたけど風水師の力で頑張っています!〜戻ってこい?では今よりも大きな領土と最高の嫁を超えるものを持って来れたら〜
人中の蝮
第1話、追放されました
「文虎!貴様を今日限りで縁など切らせてもらう。こんな無能な息子が我が一族の者だと知られたらわしはあまりの悔しさで死んでしまいそうだ。そうならない為にも出ていけ!!」
一族の中で使えない者だとして僕は追い出されようとしていた、それでも僕はこの家から追い出されたくないとして必死に父上に何とかしてもらおうと説得をしていた。
確かに父上や兄上と比べると武芸が劣っている事は確かであるがそれ以外ならば父上や兄上などに劣る程ではありませんと必死になってそう伝えた。確かに武芸では二人に勝てないけどそれ以外の分野なら別に負けていませんと言って国を動かすのに武芸以外も必要になりますのでどうか考え直してくださいとお願いをしていた。
父上、文欽は呆れた顔で僕に対して話してきた。その眼差しはまるで使えないゴミを見つめるような感じで話していたのだった。
「良いか、我が一族代々、武芸により名を轟かせた名門一族であり武芸が何よりも大切な事なのにお前は武芸の天才と呼ばれている兄に負けるのは仕方がないとしてわしまで負けるようではそんな無能はいらない。出ていくがいい、流石にいくら無能とは言え殺すことはしない事だけは約束してやる」
そうして僕は無理矢理に家から追い出されてしまった。父上はこの魏と言う国の大将軍を務めておりそんな父上と比べてしまうと武芸ではどうしても勝てないとして素直に従う事にした。
確かに武芸が武芸で轟かせた一族の割には弱いかもしれないけど他の分野はそこまで劣っているつもりはないのにと思っていた。でも大将軍である父上に逆らってはこの場所で生きていけなくなるとして素直に家から立ち去るのだった。
これからどうしようと僕は悩みながら町中を歩いていた。今までは国の為に頑張ろうとしてきたけど家から追い出されてはそれも出来なくなったしまったと落ち込んでいた。
「全くもあのくそ文欽め、私の認めた風水師を馬鹿にするとは余程にこの朱雀が怖くないのかしら」
その時にそう言って僕の肩に小さな炎を纏った鳥ではなくて朱雀様である。
実は数年前に朱雀様から試練を与えられてそれを見事に突破したとして僕が生きている間は面倒を見てくれると言って式神になってくれたのであった。
一応、父上にも伝えようとしたが父上はそんなことをしている暇があればと言って何も聞いてはくれなかった。朱雀様だからかなり凄いはずなのにとこの時ばかりはかなり落ち込んだのは今でも覚えている。
それに朱雀様は人にも化けることが出来てその時の姿は絶世の美女とも呼べるほどで皇帝陛下の正室も絶世の美女と呼ばれているけど同じぐらいの美貌を持っていた。
でも僕からすれば色々と教えてくれた先生みたいなものであり特に恋愛感情とかはなかった。どちらかと言うと育ててくれた母親みたいな感じかな。
けれども時々過保護過ぎるところもありそんな時は少しばかり困ってしまうところもあるけどそれでも僕に対して優しく接してくれる数少ない存在の一人であった。
他に僕に対して優しくしてくれたのは風水師を教えてくれたお姉ちゃんだけで他はあんまり優しくしてくれた覚えなどなかった。
ここ最近になって皇帝陛下から一目置かれるようになって優遇されるようになってきたけどそれは僕が風水師として力を認めているだけで僕自身などあんまり気にしていないことは何となく感じていた。
そのために皇帝陛下が好きかと聞かれるとあんまり好きではないけどその国に住んでいる家臣として民として頑張って支えているだけという気持ちが強かった。
そんな説明をしていた朱雀様が怒りな声を上げて話してきた。
「朱雀様、僕は気にしていませんから。確かに武芸が一族の中で一番弱かったことには変わりはありませんから」
「それでも風水師として貴方は歴代最強クラスなのよ!それを追放とかあの頭がおかしい文欽は早く死んだほうが良いわよ、ついでにあのクソ生意気な小僧も」
朱雀様はそう言って僕の父上とさり気なく兄上を汚していると口に出してスッキリとしたのか冷静になってからこれからどうするつもりなのと聞かれたので答えることにした。
やはりこの国には居づらいとしてとりあえず南に向かう予定であると伝えるとそれも良いかもねと言ってくれたので僕は荷物など確認をしながら進み始めた。
意外とこうやって外に出るのは久しぶりだなと感じていた。
今までは武芸の稽古などやっていたりとしていたので久しぶりだなと思って歩いていた。
こうして広々な大地を歩いているとこんな僕でも居場所があるかもしれないと思わせてくれるなと思いながら歩いているとある村に辿り着いた。
しかし、その村は疫病が流行ってとても周りの者たちが倒れて苦しそうにしていた。
すぐに僕はどうしてのですかと尋ねると病が流行してどうしようもない事になっているというのだ。
僕は国からの支援はと尋ねると国からの支援は届いておらずこのような状況になっていると言うのだ。
ならば風水師としてこうしていられないとして助ける事にした。
朱雀様はわざわざ君が助けなくてもと言われたけど助けられる命があれば助けたいのはおかしいですかと聞くと朱雀様は全くもお人好しなんだからと言って手伝ってくれたおかげもあって村の人たちを救うことに成功したのであった。
朱雀様が羽や羽毛などむしり取って僕が薬草と一緒に混ぜて薬を調合して村の人たちに満遍なく渡した。
この村の近くにいた比翼の鳥の群れがいたのでこの村を守るためにも食料とする為にも討伐をして村人たちに渡してからもう安全だなと感じてその場から立ち去ろうとしていた。
最後にこの地域で日照りが続いており雨が最近、降っていないとして僕は天に向かって気を集め始めた。
その気が雲となりそして雲から雨雲に変化してこの辺り一帯に雨が降り出したのである。久しぶりの雨に村の人たちはとても喜んでいるようで良かったと思いながら僕は立ち去ろうとしていた。
その時に村長からどうか村の恩人として名前を教えてくれませんかと聞かれたので僕はこう答えるのだった。
「僕?僕はただの風水師ですよ、だから名前を名乗るほどのものではありませんから。こうして人々を助けたいと思っている一人の何処にでもいるただの風水師ですから」
それを伝えてから僕は村長に頭を下げてから失礼致しましたと言ってから村を後にした。
そうしてまた旅を再開された、僕が求めている場所・・・僕がここならばと思う場所を探すためにと言っていつ終わるのか分からない旅が始まろうとしていたのだった。
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