再会編④
トベ「あと昔、モリーが言ってたよ。「よく呪怨の子役に似てるって言われるんすよねー」って。」
マージィ「呪怨(爆笑)。似てるー(爆笑)。」
トベ「小泉先生視点だと、大会の写真に呪怨の子役が写り込んでいたことになるんだ。」
マキ「伏線回収すご!」
トベ「小泉先生がホラー嫌いなの知ってるかな?」
マージィ「知ってます。」
トベ「だから小泉先生と話したら、途中まではモリーが僕の妄想か何かだと思ってたみたいだけど、モリーが本当にいるってわかるとかなり怖がっちゃって…。しかも慌ててその後に、「それって本当に相談なんですか?」「ただ話を聞いていただけじゃないですか?」「でも先生はその相談に乗る義務もないですよね?」って質問攻めにしたら、もう先生失格だから先生を辞めるって言い出しちゃったんだ…。」
マージィ「えっ?」
マキ「それはやばいよ!」
トベ「ホラーで精神崩壊気味だったのに、結論を急いでいた僕が何度も論破しちゃったのがいけないんだ。」
マージィ「大丈夫でしょうか?心配です…。」
トベ「そのとき香鳥先生もいたから、香鳥先生がなんとかケアしてくれてるはず。でも僕のことを小泉先生は、ちょっとまだ気まずいと思ってるかもしれない。」
マキ「本当に大丈夫なのかな?小泉先生、立ち直ってるといいけど…。」
トベ「うん。香鳥先生たちに任せるしかないよ。でもそのおかげで、マージィと小泉先生が1対1で恋愛…。」
マキ「えっ?今、恋愛って言った?誰かが恋愛していたとか、そういう話だったの?」
トベ「いやいや…。違う違う…。レン…レンシュー!そう、練習!練習の言い間違い!」
マキ「普通、そんな言い間違いする?」
マージィ「(爆笑)。あれは練習の相談だったのでしょうか?」
マキ「練習の相談って何?日本語教師にテニスの練習の相談をするわけないよね?」
トベ「ほらあれ!練習問題!」
マージィ「(爆笑)。練習問題の相談のことだったんですか?(笑)」
マキ「何?練習問題の相談って?」
トベ「日本語の授業なんだから、練習問題のこと相談するよね?」
マキ「それは先生同士がすることだよね?生徒がするのは、相談とは言わないよね?質問だよね?」
マージィ「(爆笑)。はい!よく練習問題の質問ならしていました。」
トベ「とっ、ともかく!マージィと小泉先生が1対1で何か相談してたんじゃなく、マージィが小泉先生を含む生徒たちに話しただけってシーンが浮かんだんだ。」
マキ「何かの相談って怪しいなぁ(笑)。」
マージィ「でもすごい!当たってます!」
トベ「そして話の中でモリーだけを消したから、ストーリーのイメージ全体が変わってしまい、聞いた人たちがみんなそれぞれ違う誤ったイメージを持った。その間違ったイメージを持った人たちから意見を言われて、マージィ自身も誤った解釈に至った。」
マージィ「その通りだと思います。」
トベ「こうしてマージィの周りの数十人を勘違いで巻き込んだ約1年間のストーリーが生まれたのか。」
マージィ「百人以上です。」
マキ「そんな大規模な事件だったんだ。全く知らなかったよ。」
トベ「あとこれだけは言っときたかったんだ。結局、マージィの自業自得だよね。」
マージィ「はい。そうだと思います。」
トベ「自業自得って言葉は、日本語の授業で習ったのかな?」
マージィ「小泉先生の授業で教えてもらいました。」
マキ「また伏線回収。」
トベ「ちなみに伏線回収も教えてもらった?」
マージィ「いえ。習いませんでした。」
トベ「伏線回収は習わないんだ(笑)。」
マキ「そりゃそうだ。でもちゃんと自業自得って言葉は教えているし、小泉先生は先生失格じゃないよね!小泉先生に言ってあげれば、きっと立ち直れるよ!」
トベ「…?」
マージィ「そうですね!よかったです!小泉先生は先生失格じゃないです!」
そのときトベには、まだ何かとんでもないことが起きるような予感があったという。しかしトベがその可能性に気づくのは、もっとずっと先のことだったのである。
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