まおう と ゆかいな仲間たち

もるすべ

KAC20251 第1回お題 ひなまつり

ひなまつり戦線異状あり (男子を招待して開かれる「ひなまつり」それは、幼女たちの合コン?)

「ホホホ…… そろったわねぇ~」

「……まだ、男子が来てないけど?」


 高飛車に笑うのは、同級生の巨城おおしろ咲姫サキ


 私こと、山桜桃ゆすら魔桜マオウはサキの邸宅で開くという雛祭りに呼ばれたんだけど…… 男女六人のはずが、女子三人しか集まっていない。なんで?


「腹黒いあなたの計略でしょう?」


 冷ややかにツッコむ、もう一人の女子。


 同じくクラスメイトの、聖女ひじりめ魔女マメ。濡烏色の髪と瞳に、雪色の肌が本当に綺麗な美少女。……ただ、性格はちょっとキツめかも?


「人聞き悪いわね、時間をずらしただけじゃない」

「えっと…… どうして? サキちゃん」


 わざとらしく、ハーフらしい金髪を掻き上げるサキ。


 ブルベ肌と青い瞳で自慢そうに笑ってるのが、ちょっとムカつく。かくいう私は、赤髪イエベ肌に赤い瞳が…… コンプレックスだから、余計にね。


「合コンよ、合コン! 本命調整しなきゃじゃない~ 池輝いけてるくんはサキのモノだからね~」

「彼は物じゃないわ」


 マメちゃんが代弁してくれたので、ツッコむのは止めた。


 しかし…… なるほど小学生も高学年になると、そろそろ男子が気になるお年頃。私にも気になる男子がいるし…… 池輝くんが。


「じゃあ、あなたたちの本命言いなさいよ」


 そんなことのために、女子だけ早めに集合かけたの?


 たしか、来る予定の男子は三人…… 文武両道で人気の池輝いけてる勇者ゆうとくん、スポーツ万能な津宵つよい宣志せんしくんと…… ぽっちゃりな只野ただの茂武モブくんだね。


「さあさあ、誰なの? 誰なのぉお?」


 自他ともに認める、クラス一番の美少女をかさに…… ウザい!


「あらあら、甘酒でも召し上がりなさい」

「「ありがとうございます」」


 サキママが甘酒だしてくれて、話しは一旦保留。


 しかし…… サキと私って、恋敵になるのかな?


「「「おじゃましま~す」」」

「あらあら、お友達がいらしたわよ」


 悩む間もなく、男子たちが到着。


「りょっ はやぁいわああろぁおお~~ うぇっ」


「え…… サキちゃん?」

「きゃああ! 咲姫、どうしたの?」


 サキちゃんが真っ赤な顔で…… ゲロ吐いて…… 私もサキママも大慌てだ!


「うふふ…… 悪は滅びよ」

「……マメちゃん何かした?」


 黒い笑みを浮かべる魔女に、恐る恐る聞いてみる。


「サキの甘酒、白酒にすり替えたのよ」

「なにしてんのおぉおお!」

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