第3話
これを習慣化すると妹に年下の妹が生まれた時、妹がぐれるか、反抗期まっしぐらになるだろ。
「ひっ。ご、ごめん」
「名前を忘れたのなら、ほら、ここに名前書いてるでしょ?読めるかな?」
ランドセルについたネームプレートを指で指す。
相変わらず親がゴミでおやつが美味しい。
因みに義理の父親が説教という名の折檻を与えてきた場合、私は反撃の策があるので、社会的にぬっ殺す準備をしている。
「はあ。本当の父親が妊娠中に浮気発覚で大変だったのは分かるけど。私を呪物扱いするのは別だろうが」
嫌味ったらしくねちねちと母親にぶつけた。
「っ、はい」
母親は妹をぎゅっとした。
妹を精神安的にするのヤメロ。
「幸福の象徴扱いするのも一つの命に対して失礼でしょ。手を緩めて」
ぎろりと睨んだ。
母親はビクッとなって妹を体から離す。
子供は親の逃げ道じゃないんだ。
大人としてこうして母親を躾ける日々をこうして送っている。
父親も帰宅して4人で家族の夜ご飯。
私はひたすら無言。
父と母は妹を肴に会話をしている。
「ピーマンやーなの」
妹が苦手なピーマンを拒む。
母親は苦心しながらピーマンをたべさせようとする。
しかし、食べない。
困ったようにこちらを見てくる。
「おねーちゃんはしっかり食べてるよ」
だ、か、ら!
おねーちゃん言うなっ。
姉みをどうしても押し付けたいみたいだな。
「私に妹は存在しない」
一言言うと、2人はぴしりと固まる。
妹は空気がわからず呑気にピーマンをぐちゃぐちゃにしている。
「リンカ」
「私の名前知ってたのか」
「リンカちゃん」
おや、義理の父親、ついに説教の皮を被った子供を大人げなく言い負かせる自分親だかっけえムーブするの?
ん?ん?
「母と結婚したことはお祝いしましたけど、まともに会話したのいつでしたっけ?で、私とのまともな会話が今ですか?なんでしょうか?私を負の遺産扱いする再婚相手さん」
父親が青ざめて会話が止まる。
私が言っているのはいけずでも意地悪でもない。
彼は私との対話を回避して、母親と妹ばかりと話している。
この3年以上、毎日こんな空気。
「分からないでもないですよ。元夫の子供なんていう、めんどくさい七拍子の私と暮らすなんていう苦痛を送る自分を憐れむ気持ち。念願の愛娘が可愛すぎてふと目につく汚れた野良猫って、扱いに困るし、かといって処分もよそに預けるのも体裁を考えて、人間的にやれないですよ。私も人間なので苦労くらいはふんわり分かってます。だから、いつもは何気なく空気を読んで気配を薄くして住んであげているでしょ?」
お箸を置いて、母と父に目を向ける。
「大学に通わせろと図々しい真似はしませんよ。高校を卒業したらこの家から静かに出ていってあげますから、貴方達も私を利用したい時だけ目を向けるなんてことを止めてください。私はおねーちゃんでも、妹の姉でも姉のいる妹でもない」
ため息をつく。
「2人が付き合った時、結婚した時の人生設計に義理の娘と元夫の娘が居るという現実を取り入れなかったことが現在の家の異様な実態の結末なんですよね」
お冷なお家、製作者はわたしです!
「16歳で出ていくので、その後の人生設計でも立てといて下さい。」
ピーマンを当てつけにバクバク食べて立ち上がる。
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