青春の喧騒

第一部全部読みました。ジャンル的に青春小説という感じになると思うんですが、いわゆる「青春のほろ苦さ」とか「瑞々しさ」とはまた違うところで勝負してる感があり、読み味が新鮮でした。
この不思議な感覚なんだろうと思っていたのですが、これはまさに誰もが経験したことのある「青春の喧騒」なんだと思います。瑞々しいレモンの酸っぱさやポカリスエットの香りではなく、夏の蒸し暑さや制汗スプレーの香りを感じる (もちろん褒め言葉です)、大人になって振り返ると「なんであんなことしてたんだ」と思えるような、そういう喧騒が詰められているのが、本作から感じられた魅力なんだと思えて腑に落ちました。
あとは主人公のエネルギーが爆発してるのが好きです。本作も信念あるしっかりした、ジト目の似合いそうな主人公が登場してて個人的に嬉しかったです。