惨禍No.52『貪り喰う枯木』トゥルムハバケケ

体高:30m

体重:180t

性別:雄とされている


 巨大な枯木のように見える。しかし、それだけの大きさに見合う歴史を有している。

 ただの枯木と言い切るには重厚かつ上等。耐久力に優れ、並の武器では歯が立たない。

 食事を必要とせず、消化器官が存在しない。空気中の物質から自らの体内で栄養を確保しているのではないかという説が濃厚である。

 食事をしている風に見える行動は実際に食事の真似事であり、噛んだものは体内の空洞を抜けて下に落としている。体の前面に顔があることもあり、元々は人だったのではないかと言われている。


 約3847年前、ディスティネント島南西部ヨィユィの森。

 いつからそこに居るのか分からない。ただ放置しすぎてしまっていたことだけは分かる。

 ロレンツェッティに住まう者達は伐採を決意した。多くの斧を持った兵はトゥルムハバケケに喰われる。全てを喰らい、全てを飲み下し。ただそこに居続けた。

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