第15話

「…に、似合わない…かな。服装に合わせたつもりなんだけど…」

「別に似合わないとは思ってない。ただ、陽菜じゃないみたいで緊張するなって…」

「!!」

「…って何言ってんだ俺は。とりあえず車動かすから」

「あ、うん…!」


嘘みたい。カナちゃんが私のことで顔を赤らめるなんて!


ちょっとは私のこと女として意識してくれてるって思ってもいいよね!?


「なぁ…どこ行きたい?」

「カナちゃんと一緒ならどこでもいいよ!」

「言うと思った。…じゃぁ、ベタに水族館でも行くか?」

「うん!!」





「うわぁ~。カナちゃん!お魚がたくさんいるよ!!」

「そりゃぁ水族館だからな」

「綺麗…」


近くにある水族館じゃなく車で2時間も走ったところにある水族館に来た。

近場だと誰かに会いそうだからってカナちゃんは言ってたけど…。

カナちゃん運転疲れないかな?それだけがちょっと心配。


隣にいるカナちゃんを見つめていると、私の視線に気がついたカナちゃんと目が合う。


「何?」

「…ここの水族館遠いから運転疲れないかなぁって」

「あー。別に疲れねぇよ。…でも、ありがとな」


優しく微笑んでくれるカナちゃんに顔が赤くなって思わずカナちゃんから視線をそらした。


どうしよう。今日のカナちゃんめっちゃ優しいんですけど。

いつもなら「は?運転変われよ」とか出来ないことをワザと返してくるのに…素直に「ありがとな」なんて!!


トキメキが止まらなくて心臓がもたないかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る