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訂正しようとする声は、関君に掻き消される。
「君が使おうとしている術は危険だ。人を呪わば穴二つといって、呪いは最後には自分に返ってくる」
「危なさの欠片もないから……。お遊びだからね」
小学生女子だってやってることなんだよ。
低学年の頃はクラス全体で流行ってたりするから。
「遊びで呪いをかけるとは、君は想像以上に恐ろしい魔女だな」
「そうじゃない、……そうじゃないんだよ!」
「誰が君の目に留まるか分からない。俺は何も知らないこのクラスの人間を、君の標的にされないよう守ってみせようじゃないか」
まるで軽い気持ちで刃物を振り回すような、人格破綻者みたいな言い方しないでー。
誰彼構わず危険をまき散らすような人間じゃないからね、私。
「明日からは俺が君を監視して、その企みを阻止してやろう!俺の目が黒いうちは、呪いなんて使わせはしないからな。覚悟してくれ」
関君の眼鏡の奥の瞳が、鋭く私を一睨みして。
関君は一方的にそれだけ言うと、そのまま教室から出ていく。
「誤解を解く暇なかったよ……」
あの人、なんで私の話聞いてくれないの?!
結構思い込み激しいタイプなの?
それに、魔女だなんて。
現代社会にそんなのいるわけないじゃないのよ。
魔女っていうのはアニメや小説、映画の中でだけ登場するものだ。
「関君って頭良いって聞いてたのに……」
お勉強はできるかもしれないけど。
「もしかして、関君っておバカ?」
私に向けられた宣誓は、脅しでもなんでもなく。
実行されるものだと知るのは翌朝のこと。
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