第8話 少年ジロー

 ある日、僕の部屋にトリが飛び込んできた


 トリは言った。

「ジローくん、僕の話を書いてよ」

「どうして?」

「君に書いて欲しいんだ。タイトルは『トリの降臨』てどう?」

 ジローは首をひねった。

「困ったな……僕は、おじいさんの話を書きたいんだ」

「知ってるよ。死んだおじいさんが大好きだったんだよね」

「でも、パパとママは嫌いだったんだ」

「知ってるよ。だから、みんなにおじいさんを知ってもらう話を書きたいんだよね。でも、もっと子供らしい話を書いたらどう?」

 ジローにはよくわからない。

 

「子供らしいって何? おじいさんの話は子供らしくなくて、トリの話ならいいの?」


 今度はトリが首をひねった。

「困ったな……君に僕の物語を描いてもらいたかったんだけど……」

 トリは羽をパンと鳴らした。

「そうだ! おじいさんが僕の物語を書く話にしてよ!」

「できるかなあ……」

「大丈夫さ! 君なら書けるよ。僕も手伝うからさ」

 あまり当てにできそうにないなあ。

 ジローはそう思いながら、キーボードに向かって文字を打ち始めた。


「歳をとるというのは、夢を見なくなることだ」

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