第15話 新人歓迎配信をするぞ!
「みなさん、こんにちは!
「みなさん!はじめまして!Lelive一期生
「同じくLelive一期生、
どうも、読者の皆さん。アマネこと、
Lelive一期生募集の合格者、
と、新人歓迎会配信をしています。
***
「みなさん!今日から新人のタレントさん2人が決まりました!拍手〜!」
社長の掛け声とともに、人数は少ないが盛大な拍手を送る。なんとか、わたしたちはオーディションという壁を乗り越えたのだった。
「そこで、Leliveのタレントメンバーも増えたことだし、Lelive公式のアカウントと、チャンネルを立ち上げることにしました!」
「お〜。また、いつの間にか準備していたのだ。」
「今回は、わたしが作成したからね。チャンネルを立ち上げたり、公式SNSぐらいは私でも作れるよ……。」
少し落ち込むような大袈裟な仕草をする。しかし、手をパチンと鳴らすと、顔色と声色を変えた。
「そこで、新人歓迎会という配信を公式チャンネルで配信しようと思うんだよね。それで、今回決めるのは…、その企画!
2人は初配信何したい?」
彼女は、新人2人に話をふる。2人は顔を合わせて、目で会話をすると、口々に言った。
「それは、ダンジョン配信しかないでしょ!」
「ダンジョン配信がしたいですっ!」
私は目をパチクリさせる。ユーゥさんは、ともかくメリサさんが、ダンジョン配信をはじめから、やりたがるのは意外だった。
「よ〜し。これで、決定だ。配信は、一瞬間後だから、リン!花恋の3Dモデルは出来てる?」
「まだなのだ。だけど、今週中には終わらせるように頑張るのだ。」
リンさんは、このとき『今週中』と言ったが、実際は3日で作り終えたのだった。
***
「みなさん!Leliveも、こんなに元気な新人を迎えることができました!それでは2人に自己紹介してもらいましょうか。」
今、画面にはVTuberのアマネと、実写のユーゥさん。そして、VTuberのカレンが映っている。少し、カオスな状況だ。
「みなさんっ!はじめましてっ。Lelive一期生、ダンジョン配信者として活動していきます。大海 ユゥと申しますっ。これからは、トラップ系ダンジョン配信者として頑張っていきますので、よろしくお願いしますっ!」
ユーゥさん…。いや、ユゥさんが自己紹介を簡潔に終わらせてくれる。配信ということはリアルタイムなのだ。
実際、今初心者向けとはいえ、ダンジョンにいる。いつ、魔物が襲って来るか分からない。また、他の配信者の配信に映り込んだり、プロの探索者の人に顔バレするのは、避けたい。
「はじめまして!Lelive一期生。皆さんと、癒しの配信をしていきたい。藍宮 花恋です。普段は、雑談配信や、ゲーム実況が中心になると思いますが、ダンジョン配信者としてもできることを今日は、見せられるように頑張ります。」
【新人の子のモデルも、可愛い。くるみ(リン)さんのイラストだ!】
【Leliveって、VTuber事務所じゃないんだ。】
【1人実写って、違和感すごいな。】
なんどか、見かけた事のあるアカウントからのコメントが中心だが、新人の初公開ということもあって、普段より同接者数は、多い。
「それでは、行きますよ!」
「「「Let's ダンジョンです!」」」
***
今回の目的は、3人で連携して、初心者向けダンジョンの裏ボスを倒すというもの。裏ボスは、本来ボスを倒さなければ、挑めないというRPGゲームの設定になっているのだが、アマネの配信内で大体のボスは、討伐済みである。
段々と、強くなっていく周りの魔物を倒しながら、わたしたちは進んでいった。元々、カレンの
そうこう、しているうちに裏ボスに挑める祭壇についた。ゆっくりと、ここに魔物から出たドロップ品を捧げると、裏ボスとの戦闘が開始されるでのある。
キラーツリーの幹を捧げると、視界が段々と黒くなっていき、目の前には大きな鎧を着た巨人が現れた。
***
ビッグナイトという、名称で呼ばれるこの魔物。大量の魔力と、体力を持ち、攻撃範囲が大きいことで知られる高難易度ボス。
鎧を着ているため、わたしの即死Skillの発動条件である目を合わせるというのも使いづらい。
事前に、頭の鎧を取ることを最優先に攻撃していくことは決まっているため、私は頭に向かって攻撃するだけである。
今回は、何にもないホール型の部屋なので足場になるものが少なく、高く飛び上がることができない。よって、頭にダメージを食らわせることが難しい。
しかし、体制を崩すことはできる。ユゥさんのSkillである、
しかし、この武器には味方も攻撃してしまうという弱点がある。そこを、カレンの未来視により、その設置された位置を避けつつ、天井に向けて、攻撃する事ができる。
遠距離なので、魔法攻撃をしなくてはならない。魔法攻撃は、あまり得意ではないが魔力なら十分にある。
そのうちに、天井が崩れ、魔物は頭からユゥさんの無刀剣を食らうことになる。動かせないことを代償に、威力が高いSkillを。
頭の鎧が崩れ、丸出しになったその目に向かって、保護用眼鏡を外し、瓦礫の山を足場にして高く飛び上がる。
黒く白目がないその目と、私は目を合わせた。その途端、魔物の全身の骨のようなものが、すごい音を立ててねじれ始める。
最後には、黒い液体を吹き出し、首がもげた。
【最後、決まった〜〜!!】
【連携凄すぎ、みんなのダンジョンまた、みたいな。】
コメントの文字に埋まるようにして、意識が、もうろうとしてくる。
***
気がつくと、祭壇の前に立っていて、私たちの裏ボス討伐は、成功したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます