第4話 アポ無し配信!
未成年単独でのダンジョンへの入場は法律で禁止させられてる――法律の壁にぶち当たり、結局私たちがたどり着いた答えは
「配信で募集しよう!」というものだった。
前の私のskillのランクである
ある程度は、コラボしてくれるダンジョン配信者の方がいるのではないかという期待を受け、今、
今回はまさに、アポ無し配信。予告もしてないし、どれくらいの人が集まるかも分からない。配信アプリには、
【緊急!新人Vチューバーを助けてくれるダンジョン配信者を募集しています!】という名前をつけ、配信を始める。
「皆さん!こんにちは、
そういうと、ネット上で話題なのがあったのか、50人程度の視聴者さんが来てくれた。(チャンネル登録は、24人である。)
「え〜。皆さんには言ってなかったんだけど、私は今未成年です!ダンジョン配信やります!とは言った割に法律的にアウトだったので、これから一緒に初ダンジョンについてきてくれる方を募集しています!」
【まさかの、未成年!】
【俺が、ダンジョン配信者だったらなぁ…】
と、コメント欄にはまだダンジョン配信者の方の影はない。ネットでの情報が誤っていないかは、隣に座っている社長と、リンさんが確かめてくれるから、危ないことはないだろう。
「ダンジョン配信者の方は、うちの会社Leliveのホームページにある、緊急応募要項のアンケートに回答して、教えてほしいです。日程が合う方を優先的に扱うので、多忙な人には難しいかな?」
そんなことを言っていると、一人の方がアンケートに答えた事を知らせる通知音がなった。安全性を確認してから、配信画面に出す。(アンケートが配信画面に載ることは元々、アンケート内での許可をとっている。炎上だけは、避けないとならない。)
「えっと名前は、Togur0さんですね。【ダンジョン配信者としては、新人ですがアマネさんの新しい配信方法を応援したくて、参加させていただきました!】ありがとうございます。本当に、ありがとうございます!」
【第一応募者、おめでとう!】
【俺も今から、ダンジョン配信者になろうと思います。(
コメントも少しづつ流れるようになってきた。いい調子だ。
1人目の希望者がでてきて、そっと胸を撫で下ろす。どうにか、ダンジョン配信は叶うんだ。本当に嬉しい。彼女は見えない足をバタつかせて喜んだ。
配信に意識を戻そう。
「これで、最低でもダンジョン配信はできるね。」
自分がいつの間にか、敬語が外れていることに気づいた。少しは慣れてきたのかもしれない。
「コメント、読んでいこうか。」
そう言っていくつかあるコメントの中の質問に答えていくと、2つ目のコラボ参加のお誘いが来た。
「二通目の、お誘いが来ましたよ!【はじめまして、アマネさん。私達は姉妹系ダンジョン配信者として活動をしています。それでも、よければコラボをしていただきたいです。】ありがとうございます。この方は、コラボが決まり次第名前を出してくださいという要望だったので、名前は出してませんが、2人でも全然オッケーです!」
そう、回答するも申し訳ながら一人目の方よりもテンションが上がっている結愛。なぜなら、彼女が、昔から観てきた配信者の方だったのだ。名前は"プラルグ姉妹"。憧れの方からのコラボのオッケーの返事。トントン拍子すぎないだろうか?
***
「皆さん!私の配信見に来てくれてありがとう!それでは次回の初ダンジョン配信を楽しみにしていてね。それでは!エンディングへ!」
最後の締めの言葉を言い、深く息を吐きだす結愛。その様子を観ながら、社長は彼女に話しかけた。
「最終的には、6件のコラボのアンケート回答があったよ。その中でも炎上の少なさ、普段の配信の様子を見ると、この3人の中から選ぶことになりそうだけど…。やっば、初めてだから同性とやったほうが良いんじゃないかな?」
そう言って、彼女が指さしたのは結愛が憧れた理由の一つである、"プラルグ姉妹"。
「でも、大丈夫でしょうか…。こんな、大物の方とのコラボなんて…。」
「大丈夫だって!それに、ベテランのダンジョン配信者の人のほうが、トラブルにも慣れてそうだしね。それに、ダンジョン初配信が大物とのコラボなんて、滅多にできないよ。」
社長は結愛の肩をトンと、叩くと笑顔を見せた。
〜カランコロン〜
扉が開いた音がする。(前はなかったが、防犯面で人の出入りを知らせるために先日設置したばかりだ)
廊下から現れたのは見たことのない女性。たぶん、社長の咲羅さんと同じくらいの三十代前半…いや、もっと若いかもしれない。
「社長〜!ただいま戻りましたよ!大変だったんですから。」
そう言って、子供らしく社長と抱きしめあう。親友のような関係なのだろう。
「コイツは、ここの技術担当のチセ。今まで他の専門的な施設で、うちの新技術を作り出しててくれたんだ。それが、ダンジョン内でのリアルとVチューバーの非現実を両立できる、アマネのダンジョン配信に使おうと思っている技術だよ。」
もう一度、彼女を見返してみる。科学者?みたいな見た目ではない。すごく油臭くて町工場で働いているようなイメージでも。言ってしまえば、おしゃれなカフェによくいそう。
「はじめまして!結愛さん。咲羅からは聞いてたけど、かわいいね。アイマスクは、Skillの影響だよね。ほとんど見えてないんじゃない?不便だと思うから、これも開発しました!」
彼女がそう言って自分のバックから花粉症用のメガネに似たものを取り出す。つけてみると、メガネの内側が画面になってて、外の風景が映し出された。
「ここの横の2つのカメラから人間の目みたいに見えるように投影されてるはずだよ。バッテリーは、10時間耐久の優れもの!どう?見えてる?」
結愛の目には、初めて社長の顔、チセの顔…そして、事務所の風景が映し出された。見ることができた。顔をカメラを間に挟んで見ることができた。
彼女の瞳からは大粒の涙がこぼれる。夢だけじゃない。彼女の人生もこの会社は救ってくれたのだ。
「ありがとう…、ござ、います。」
絞り出すような声しかでなかったが、その気持ちは十分2人に届いたはずであろう。チセは、彼女の嬉しそうな様子を見て、まんざらでもない様子てで、言った。
「どういたしまして。」
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