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基地の担当ホールより蜥蜴型甲級が確認された。当該個体は掃討戦など他作戦の妨げになると判断され、速やかに討伐作戦が立てられた。既に作戦の一部は実行され、隔離エリアに当該個体の孤立を完了。討伐に参加するチームは五人全員が特待生である。それ以外のレナトスは隔離エリア外周の警備に当たる。
一人のレナトスは同時に二体以上のクリーチャーと敵対状態にならない。たとえクリーチャーの群体の真ん中でサングイスを顕現しても、敵対化するのは一体のみである。では何のための警備かといえば、やはり
この特異種が甲級との戦闘に入り込むことは、二体目の甲級の誕生を意味する。よって警備は非常に重要な任務だと言える。重要だが、しかし、
普通なら……。
……。
私は今日、殺されるだろう。
いつかの掃討戦と違い、トラックの中は明るかった。薄墨色のユニフォームに包まれた彼女たちは談笑に興じ、誰一人として神に祈ったりしていなかった。眼を瞑っているものは黙祷ではなく、睡眠不足からだった。戦場に赴くときは、いつもこうであって欲しいなと思った。恐怖で動けなくなるのではなく、朗らかに打ち克って欲しい。きらきらしたものだけ考えて欲しい。そういう類のことは、この世界ではとんでもなく難しいことなのだけど。子供であるうちの今くらいは。
大人になることもなく。
私は今日、殺される。
納得できないが仕方ない。
私の話はこれでお終いだ。仕方ない、全く。
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