第50話
中央での練習がだいぶ形になった所で、問題の通路の異動でのダンス練習に移った。
が、やはりこれがかなりの難問で段差を意識すると当然フォームが崩れる。瑠華は流石に慣れていると言うか、早々に慣れた様子だが、今まで何の練習をしてきたんだか、と思われるぐらい俺の方がガタガタ。ステップは息が合わないし、瑠華の足を踏みそうになることが何回か。
しかし瑠華は
「無理もないです。この通路は私も難しいです」といつになく優しい。
きゅーん…
してる場合じゃないって。
「あれ?スマホの充電が……すみません、モバイルバッテリー持ってきます」と佐々木が慌てて舞台の裾に消え、瑞野さんも
「あ、あたし何か飲み物用意してきますね」と会場の外へと向かっていった。
確かに動きにくい十字路でのダンスは体力の消耗が激しい。息があがる。入ったときはちょうどいい感じに温度設定されていた筈なのに汗まで浮かんできた。瑠華も慣れてないのか汗は出ていないが肩で息をしている状態だ。
実際、緊張状態なのか体力の消耗か激しく、喉が渇いていたから瑞野さんの気遣いは嬉しい。
しかし瑠華の方は立ち直りも早く
「もう一回、問題点を改善しましょう」と中央までスタスタと歩いていく。
記録係の佐々木も瑞野さんもいなかったが、二人きりで踊ると、他の視線を気にしなくていいから踊れる気がした。
瑠華が自身のスマホで音楽を再生した。
~♪Both a little scared Neither one prepared
(2人とも怖れ、心の準備はできていない)
この場所は見せ場の一つでもある十字路を使って当日は水を張ってある場所への移動だ。
前、ハロウィンパーティーでマックスとのダンスを見ていた。そのダンスは記録に残っていなくても、俺の記憶には鮮明に横切る。
手を合わせて、瑠華は片方の手を俺の肩に、一方俺は瑠華の腰に手を回し、二人がゆっくりと回る
筈が
「キャ!」
「ぅわ!」
俺たちは二人そろって十字路の段を……いや、最初に踏み外したのは瑠華だ。俺がそれを支えるように、或いは吊られるように十字路の溝に落ちた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます