第6話 エリナとまき

「ああ゛?お前じゃらちが明かねぇって、言ってんだよ!さっさとそこ退いて、ここの主呼んで来いよ!」

見るとギルド内は荒れていて、大柄というだけでは表せないほど大きな3人の男が誰かに詰め寄っている。

 責められている相手を見たとき、まき達はハッとした。 責められているのはエリナだった。エリナは、相手を鋭い目つきでにらんでいた。

「あのさぁ、いい加減動けよ!お前みたいなひょろいエルフは俺たち巨人族にかかれば手も足も出ねぇんだ。オラ、さっさとどけって、言ってんだよっ…」

三人のかしらと思われる男がエリナに殴りかかろうとした瞬間、男の顔の真横を矢がかすった。

「おめぇら、なぁにうちのもんにてぇ出してくれとんじゃ、同じ目にあいたいんか?そうかそうか、同じ扱いしてほしんやな?」

羽奏わかなが、まき達の後ろからゆっくりと男たちのほうに向かいながら、ブツブツ言っている。

「あ゛?だれだてめぇ?さっきっからブツブツ、ブツブツ気色悪いんだよ…」

男が羽奏にも手を出そうとしたとき、羽奏がポケットから素早くペンを取り出し、男に突き出した。

「弱い者いじめするなって、ママに教わらんかったんか?教育しなおしたる。ほら、裏出ろ、一から叩き込んだるわ、泣くまでな。」

羽奏の挑発に乗ってしまった男たちと羽奏は練習場に出た。


 練習場に出てすぐ、試合が始まった。男たちは怒りに身を任せ、順々に先制攻撃を仕掛ける。しかし、それを異様な速さで羽奏はよけていく。

「あれれ?やっぱり考えなしなのかなぁ?そんなんじゃ当たる攻撃も当たらないよ?力任せに何でもするからこうなるんだw」

「「「はぁ?!」」」

羽奏はいらだちの隠せない男たちをさらに煽り、彼らのフォーメーションを崩した。

「素手で戦ってる人に武器使うのは卑怯だから、こうするね。」

羽奏は背負っていた矛と弓を捨て、竜也に合図を送った。竜也は何となく気が付いて、唱えた。

物体強化ビルドアップ!」

羽奏の力がみなぎる。

「正面から戦ってるのにごめんね。でも、あなたたちとうちじゃ力に差がありすぎるし、直接身体に危害を加えてない人を武器使って倒そうなんて思ってないから。」

そう語った羽奏は、素早く一人の懐に入り、拳を握る。

「ライトニングショット!ハンド

羽奏から出た電気が相手に伝わり、よろけて倒れた。

その直後、羽奏の背後から、かしらが現れ、素早く拳を出した。が、それも羽奏はよけて、彼にも一発お見舞いした。

 最後の1人と目を合わせたとき、相手は膝をついて、頭を下げた。

羽奏が勝負に勝って、練習場は歓声の声に包まれた。そんな状況を見た羽奏は正気を取り戻し、顔を真っ赤にしてギルド内へ足早に戻った。

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