第22話 至高領域

 シチューとは別の時間軸。

 未来の時系列の世界、[ネクスト]。

 そこには、創作上にある天空都市テラという世界をレプリカとして再現したものが、至高領域のひとつとして存在している。

 それが、次世代天空都市レプリカプラス。



────────────────────

それは とある 空想だった …はずだった

────────────────────



 昔話をしよう、御伽噺をしよう。

 どこかの話を、かつての話を。



 かつて、その天空都市は瘴気に汚染された惑星で、唯一の都市として存在していた。

 しかし、あらゆる生命体は環境変化に適応しきれず、種族として最も強力な個体であるドラゴンのみが生き残った。

 だが、そのドラゴンですら順応しきれず、やがて天才科学者によって無機生命体…つまり、機械のドラゴンが量産された。

 有機生命体は唯一、天才科学者である博士のみであり、その博士もまたドラゴンであった。



 天空都市テラは、超高度なオーバーテクノロジーを元に発達していった。

 そして、とある特殊な個体が時間を超越し、歴史は大きく改変される事になった。

 時を経て、全ての世界線が統合される事になり、その後に現在の世界へと変わったとされている。



─────────────────

ある ひとつの 世界線の話 ………

─────────────────



 次世代天空都市レプリカプラス。

 果たして昔話は真実か否か。

 それは誰にも分からないのかもしれない。

 ただ、ドラゴン種のバリエーションが数多く存在するのは確かだった。




 そして、実際この世界にも…




「ねぇちょっとクロワッサン!

 …はぁ、もう少し私の言う事を聞いてくれたら助かるのだけれど。」


 そう愚痴をこぼしたのは、紫の毛並みを持つ、隻眼のドラゴンの女性。

 6枚の白い羽翼が生えている。

 白衣を来た、科学者…博士と呼ばれる存在だ。



「下らん、なぜ僕がそんな事をしなければならないんだ。

 みだりに僕ばかりに頼るんじゃない。

 貴様には奴が居るだろう。奴を使え。」


 そして、辛辣な毒舌を放つのは、フォーマルかつ豪華な衣装に身を包んだ、マントが映える細身の美少年ドラゴン。

 整った顔に、美しく輝く紫の毛並み。

 赤と紫の羽翼を持つ、犬のような顔と耳。

 クロワッサンと呼ばれたのは、この者だった。



「あれは使えないのよ。

 特にエルフやドワーフ、人間相手にはね。」


「ふん、プロトタイプじゃ無いんだ。

 今やもう次世代の技術の範疇を超えている。

 この僕が気が付かないとでも思っていたのか?」


「勘の良い坊ちゃんは嫌いよ?」


「そのネタはやめろ!」


 クロワッサンからのツッコミが入った後、博士はいくつかカルテを取り出す。



「どの種族にしようかしらね。

 自己進化型ナノマシンと量子コンピューティングの融合システム、ゼロポイントエネルギー、超弦理論の完全実用化…」



 そのカルテには、プリーヴィアスに存在する者たちの内容が、いくつも網羅されていた…



──────────────────

知らない世界で 何か、何かが ………

──────────────────



「平和。スローライフ。

 そういったものは、その・・世界には…


 無いよ。」



 [ナウ]と名札を付けた、眼鏡の高校生。



「勝ち取らなければ、ね。」




 その言葉は、何処の誰のものか。




 ───────そして。




 その頃の、シチューは。



「くかぁ〜、くかぁ〜…んふふ、お味噌汁…」



 呑気に昼寝をしていたのだった。



──────────────────────


・・・マママスターのプpロンプトを更新


【所持スキル熟練度】

 ロック解除:???

 運の良さ:???★→error

 浄化の力:???★

 遠視:32%

 爆破攻撃:2%

 霊感:???★

 クラフト技術:120%★



ーーーーーーーーー定期更新ーーーーーーーーー



引き続き計算中…


引き続き計算中…


引き続き計算中…


計算…計算…計算…


計算計算計算計算計算計算計算計算計算

計算計算計算計算計算計算計算計算計算

計算計算計算計算計算計算計算計算計算

計算計算計算計算計算計算計算計算計算

計算計算計算計算計算計算計算計算計算

計算計算計算計算計算計算──────



──────────────────────



「シチューさん、そんなところで寝ていたら風邪をひきますよ。」


 優しく毛布をかけるビロード。


「まだ目は離せませんね。

 少し、延期しましょうか。」


 優しく微笑む。


「こうしていると、なんだか懐かしいものを感じます。何故でしょうか…不思議です。」


 シチューを見つめる、ビロード。


「私は、何を忘れてしまったのでしょうか…

 脳内施錠は解錠された筈ですが…

 どうにも思い出せません。」


 優しくシチューを撫でる、ビロード。


「ですが、シチューさんを見ていると…

 どうにも、この森に私がずっと住み続けて居たのは、必然かのように思えるのです。」


 そう言って、ビロードは立ち上がって。


「ここにある、様々なものも…」


 生活必需品が揃った、ビロードの家。

 現代でも住める、そんなつくりの家。


「私だけが使うには、少し…」




 ビロードは、静かに買い出しに行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る