この胸のときめきは?

なごみ

第1話 体温急上昇!!


季節はずれの長雨のせいで、風邪をひいてしまったみたい。



熱っぽく、起き上がるとフラフラした。



少し迷ったけれど、職場に電話してお休みにさせてもらった。



買い置きの風邪薬もなく、ドラッグストアよりも近い、徒歩5分の市立病院へ行った。




受付をすませ、内科外来のナースに体温計を渡される。



なんと、38.4℃!!



お年寄りの多い待合室で約一時間待たされた。



「笹田さーん、笹田舞衣さーん!」



名前を呼ばれて診察室へ入ると、まだ30にもなっていなさそうな若いDrがパソコンの画面を見つめていた。



「どうしましたか?」



Drはそう聞きながら、やっとこちらを向いた。



ボサッとした寝癖の髪で疲れた顔をしていた。



昨夜は当直でもしていたのかな?



でも、中々のイケメン。



涼しい目元に、スッと伸びたスマートな鼻。形のいい唇から歯並びの良い白い歯がみえた。



ネームプレートには内田と書かれている。



「あ、あの、昨日から鼻水が出て、喉も痛くて、」



「じゃあ、ちょっと口を開けて」



舌圧子で舌を押さえて喉を覗かれる。



「わぁ、赤いなぁ。これは痛いでしょ」



そう言って、首に下げていた聴診器を耳にかけた。



「ちょっとまくってくれるかな?」



躊躇しながらブラウスをお腹のあたりまでそろそろとまくる。



そばにいたナースが介助して、思いっきりブラウスをまくり上げた。



細い身体のわりに発達しすぎた胸が恥ずかしい。



    

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る