TS一般風精霊の崩壊世界復興録〜無限湧きする敵、快適な拠点、そして堂々と鎮座するガチャマシン。なるほど? ソシャゲだな!〜
ランドリ🐦💨
超合体オールスター文明爆誕!?
『第一の滅び』は厄介な滅びです
第1話 この世界はソシャゲだと、そう思っていた時期もありました(1)
あの夢を見たのは、これで9回目だった。
毎度思うけど、あの夢も良くないよね。(責任転嫁)
寝る度に同じ夢を見るなんて、まるでソシャゲのオープニングじゃん!
「ゼルスもそう思うよね!」
「えっ、いや、ルアリア先輩? 急に同意を求められても、ちょっと分からないです」
我が無茶振りに困惑しているのはゼルス。
銀髪ツインテールの美少女だ。黄金にきらめく瞳をパチパチとしている様子は、とても可愛らしい。
ガチャで引いただけな私を先輩と慕ってくるし、二重丸……いや、花丸をあげたくなるほどに可愛い奴だ!
この子がガチャで引けて良かった!
良い子なんだよ。流石は推定
他の問題児達と比べるまでもな……。
「無秩序な人口増反対! ゴブリン共は慎みを持て!」
「ふざけるな! 地に
「ふざけてるのは貴様らだ! 地面に種まき(意味浅)した次の日に生えてくるな!」
……。
寝起きの私を歓迎したのは、ゴブリンとエルフが言い争う声だ。
ゼルスがうっすらと光っているのもあり、少しだけゴージャスに感じられていた部屋は、魔法が解けたみたいに元の姿……廃墟になってしまった。
こういうのは気分が大事だよね!
「あっ! そうでした! 護衛のゴブリンとエルフ達が一触即発な雰囲気になっています! はい!」
ゴブリンとエルフは草木のような特性を持った種族達である。
地面からゴブリンの子どもが生えてきた時はビックリしたなぁ。
ちなみにエルフは、でっかい木の実からコンニチワする。
どっちも不思議だね!
両種族共に耳が長くて先が尖っているから、種族的には親類なのかもしれない!
宗教上の理由で仲は悪いけどね!
「うはは! 聞こえてるよ!」
声が聞こえたあたりに向けて壁越しに声をかけると、外から「「すみません」」と謝罪の声が聞こえてくる。
ヒートアップしていた彼らが一発で素直になった理由は、私が彼らの信仰対象である『天の精霊様』だと思われているからです!
実際の私は、特に何をした訳でもない一般精霊なんだけどね!
『天の精霊様』の威光、マジで半端ないっす!
「ちゃんと自分の間違いを認められて偉い!」
間違いをしっかりと訂正しない私が言うのもなんだけど、素直なのは良いことだ!
こうして壁越しで話せる風通しの良い我が城は、軽くリフォームしただけの掘っ立て小屋である。
このとおり、壁越しで会話できちゃうほど壁が薄い。
いや、薄いというか隙間だらけなんだけどね!
デカいガチャマシンの側面を壁代わりに使っているから一面だけキッチリしているけど、他の面は拾ってきた木の枝で廃墟を補修しただけのスケルトンなハウスなので!
まあ、遠征先のキャンプみたいなモノだからね。
そう!
今、私たちは遠征中!
とある目的の為、快適な拠点から離れて行動中なのだ!
「えへへ。ごめんなさい。気持ちよさそうに寝ていたから、起こし辛くって……」
恥ずかしそうに笑ったゼルスも、おでこをコツンと叩いて謝ってくる。
「可愛いか!?」
「あう」
可愛くって良い子なんだけどなぁ~!
ちょっと緊急時には向いてないよね。
戦闘力は高いけど。
でも良い子だから遠征に連れてきた訳だよ。
戦闘力は高いし!
彼女の痺れる戦闘力に想いをはせていると、スケルトンなハウスの壁越しに遠方で立ち上る砂煙が見えた。あれは……。
「ご報告します! 予測通り多数の『敵』が接近中です!」
「来たか!」
何日も待たされたから、『敵』が来たという報告への返事としては不謹慎にも少々喜びが乗ってしまう。
今回の遠征の目的は『敵』の水際撃破だったんだ。
私の戦い方はちょっと特殊だから、拠点周辺で戦うと無駄に被害が拡大しちゃうんだよね!
早速、私は自らの武器であり、全ての元凶でもあるガチャマシンに触れて叫んだ。
「パワー全開だ! 回れ!」
宣言通り一気にパワーを注ぎ込んだガチャマシンはまばゆく輝き、その天辺からカプセルの群れが噴火する!
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