四昼夜

 夢を見た。


 彼女がいないのを、またか、と思いつつ家中を探す。件の穴を覗いてみても何も見えない。


 焦りとともに外に出る。早く早くと自らを急かすように走り回るも、夜空の下に摩耶の姿はない。そうやって何時間も何時間も駆けて、息も絶え絶えになったところで息を整える。いつの間にか、古いビルの裏路地までやってきたところで、高い女の声が耳に入ってきた。よく知っているものだった。


 音を辿っていく。程なくして、壁に寄りかかった摩耶が男と交合していた。激しく突かれて甲高い声を上げる彼女。間に合わなかったかと歯噛みをしつつも、足はそれ以上動いてくれず……


 /


 なぜだか、摩耶と視線が合わない。家事や挨拶のやりとりはできている。その一方で拭い難いぎこちなさがあった。

 なんかあったか? と尋ねたが、恋人は首を捻り、

「何にも……ないけど。そっちこそなにかあった」

 問い返してくる。俺もまた、何もないけど、と同じように答えた。あの得体の知れない夢について話すのは、どうにも躊躇われたから。

 結局、ぎこちなさはその朝中続くことになった。  

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