第2話 懐かしき景色

 トンネルを抜けるとそこは小さな商店街だった。

 いつも通る道に、いつも通うお店。

 はいつもの様にその場所へ向かう。

 どこから見てもオレの自宅いえの『古書店 回天堂』。

 そこにはばあちゃんもいるし、店内のカビ臭い古い本も変わらない。

 おまけとばかりに店舗前に置かれたアイスの冷蔵庫もだ。


 ……実世界でも思うが、清涼飲料水の自販機設置はいいけど、なんで古本屋でアイスを売ってるんだろう?


 とりあえずわたしは、店の引き戸の方を向いて自分の姿を確認する。

 それはいつもと同じパーカーに短パンを着込み、それに野球帽キャップを被った10歳くらいの少女。

 それがVRシティこの世界でのわたしの姿だ。

 わたしの幼い頃と瓜二つの姿なので、誰かが意図的に用意した姿であることは間違いないが、一体誰なのかは未だによく分かっていない。


 だけど、この姿はこちらで活動するには丁度いいので重宝している。

 なぜなら、九堂勇気あいつもこの夢の中では同じくらいの少年の姿をしているから。

 さらに始めたあった時は記憶を捨ててこの空間に逃げ込んでいたんだから、対応が大変だったけど、それは別の話だから今は置いておく。


 ともかくわたしは、この街VRシティへ9度目の来訪を果たしたのだ。


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