11. ノイチゴジャム

 ヤマモモジャムを試食ししょくした。

 そのために小麦こむぎでいつもの薄焼うすやきパンをいた。

 小麦こむぎみずしおだけのいつものやつだ。


「おお、ジャムをパンにせるんだね」

「そうだよドロシー」

贅沢ぜいたくにゃんね」

「うん。ぼくたちでべてしまってもいいけど、貴族きぞくさまよう商品しょうひんにするつもりだから」

「じゃあ、あんまり自分じぶんたちではべれないんだね」

「そうだね。でもノイチゴジャムもあるし」

「なんにゃとおおお」

「ノイチゴの収穫しゅうかく手伝てつだってね。期待きたいしてる」

まかせてくださいですわ」

まかせるにゃん」


 時期じきになったので、むらあかるいところに群生ぐんせいしているノイチゴをみんなで収穫しゅうかくした。

 これには大人おとなたちも全員ぜんいん参加さんかして、どんどんっていく。

 ドロシーもリズも、自分じぶんべたくて頑張がんばってってくれた。

 ここのノイチゴは多年草たねんそうというか低木ていぼくなので、全部ぜんぶってしまっても、来年らいねんえてこなくなるということはない。

 まぁすこしだけらないでおくのがいいとおもう。



 ノイチゴジャムようにまたほかの巣箱すばこから蜂蜜はちみつった。

 こっちはつぼみっぶんぐらい。ちょっとおおめに。



 作成さくせい手順てじゅんはだいたいヤマモモジャムとおなじだから、あまり特筆とくひつすることはない。

 ノイチゴを丁寧ていねい水洗みずあらいして、ごみをけて、そして蜂蜜はちみつ一緒いっしょていく。

 すぎないように、げないようにしつつ、ヘラでかきぜながら煮詰につめる。


 ているあいだ、ずっとうしろでドロシーがそわそわして、リズがよだれをらしてもじもじしていた。

 二人ふたりともしぐさが可愛かわいい。やっぱりおんなはいるだけでいやしだ。



 試食ししょくしてみる。雑味ざつみとかもいし、おれはやっぱりノイチゴジャムがき。

 ヤマモモジャムもわるくはないがノイチゴにはかなわないとおもう。


わたしはどっちもきだわ」

「わたしはヤマモモがきにゃん」

おれはノイチゴだな。見事みごとこのみがかれたね」



 両方りょうほうのジャムはおやたちとカエラばあさんにも試食ししょくしてもらって、みんな美味おいしいとってくれた。

 一応いちおうでもものなので、しょっちゅうべることはできないけど、すこ手元てもとにもいておくことにする。


 長期ちょうき保存ほぞんには、乾燥かんそう塩漬しおづけ、砂糖漬さとうづけなどがある。蜂蜜漬はちみつづけでももちろん大丈夫だいじょうぶなはずなんだ。ただ実際じっさいためしたわけではないから、どれくらいつかはからない。

 領主りょうしゅまちまで六日むいか以上いじょうはかかるので、それなりに日持ひもちしてほしいなという希望的きぼうてき観測かんそく




 そうそう、おれいえというか集落しゅうらくでは、まだ豆類まめるい栽培さいばいしていなかった。

 今度こんどってきてもらうつもりだけど、味噌みそ醤油しょうゆしいよね。


 ということで、おままごととしょうして実験じっけんをする。

 ドロシーとリズをはたらかせて、カラスノエンドウらしい雑草ざっそう収穫しゅうかくする。

 この時期じきにはもう茶色ちゃいろくなっていて、完全かんぜんじゅくしている。

 なおカラスノエンドウは名前なまえはんしてソラマメの仲間なかまなので、サヤがすぐかたくなる。

 サヤエンドウみたいななのに、そこそこかたい。それに青臭あおくさい。

 っぱなんかは、アブラムシがあつまってくるまえてんぷらとかにするといいらしい。


「というわけで、ちょっと味噌みそっていう調味料ちょうみりょうつくりたいからさ、手伝てつだって」

「「はーい」」

「きっとまた美味おいしいもの、あまいものとかだわ」

「やったにゃん!」

残念ざんねん味噌みそ塩味しおあじだからしょっぱいよ。でもうまいんだ」

美味おいしいんだろうね。たのしみだわ」


 ということで、あそびをねて集落しゅうらくじゅうからカラスノエンドウのまめあつめる。

 中身なかみだけあればいい。

 結構けっこう大変たいへん


 いや、かなりあつめるの大変たいへん


 ちいさいからサヤからすコストはおおきいまめ一緒いっしょなのに、面倒めんどうなこと面倒めんどうなこと。

 とにかくりょうしいからたくさん、それはもうあちこちってあつめまくった。



 それを一日いちにちみずにつけてく。

 それができたらでる。そして本当ほんとうならこうじ一緒いっしょにするんだけど、そんなものはいので、自然しぜんまかせる。

 ここ適当てきとううん要素ようそおおきいが、大丈夫だいじょうぶだとおもう。

 同量どうりょうすくないくらいのしおぜる。

 味噌玉みそだまみたいにしてつぼおくけるように空気くうきいてれていく。

 今回こんかいはカラスノエンドウでりょうがあんまりいので大丈夫だいじょうぶ

 そしたら、あとは一年いちねん二年にねんぐらいったらできたらいいね。


 もうらない。味噌みそ、できるといいな☆


いますぐべれないのね。残念ざんねんだわ」


 ドロシーがんでいた。

 つぎたら、大豆だいずなりソラマメなりサヤエンドウなりまめ系統けいとう野菜やさいそだてるようにドドンゴにっておこう。

 はまだひろいので、まめ小麦こむぎのほら、よく現代げんだい知識ちしきチートとかでてくる輪作りんさくとかいうのやるといいとおもう。

 あとつぎたときにはトウモロコシもしい。ただなんていう名前なまえなのかからないので注文ちゅうもんむずかしい。

 黄色きいろいとはかぎらないし。原種げんしゅなにかはむらさきだったりするみたいだし。

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