第24話 開戦

2日後…………


リュエルは集合場所に指定された場所へと向かっていた。


「そろそろだよリュエル」


そして集合場所へと着いた。集合場所にはすでに10数体のVGがおり、中にはアイクさんの機体もあった。


さらに作戦の開始時刻に近づくに連れて続々と集まってくる。聞いた話では私のような専属でシンジケートの依頼を受けているCランクの傭兵は20名ほどと言うことだったがそれよりも少し数が多い。おそらく今回限りの依頼とかそう言うのだろう。

……………正しい意味での傭兵だな。


そんなことを思いなからリュエルは昨日のことを思い出していた。

ブリーフィングの翌日、リュートから連絡があったのだ。シンジケートの本部で会いたいとのとこだった。


そして会ってきたのだがその時に助言をくれた。そもそも私はこういった部隊での戦いをやったとこがない。………一応最初の依頼の時には僚機がいたがあれはまた別だ。


それを知っていたのか部隊での戦い方のコツを教えてくれた…………と思いきやそうではなかった。


「リュエルちゃん、君はこう言った部隊………特に中隊規模での戦いは…………あまり向いていないとも言えるし向いているとも言える」


「?どう言うことですか?」


「まあ、これは中隊規模以上での戦いでのことだが。そういった戦いにおいて役割は大きく分けて二つ生まれる。一つは一般的な役割だ。味方との連携をしながら戦ったり、隊長などの指示を受けなから戦うそういった人たちだ。舞台の多くはこちらに当たる。で、もう一つはエースなどと言われる役割の者。もちろん隊長などの指示を聞いたり味方との連携も必要だが、自由に動ける。普通は大規模な戦いで好き勝手に動けばすぐに堕ちるがエースなら堕ちない………それどころか逆に暴れてくれる」


「………つまり」


「そう、リュエルちゃんは指示を受けなから戦うのには向いていない。でもエースとして戦うのなら………ものすごく強くなる。………だから明日の戦いは好きに暴れていい。………もしものことがあってもアイクもいる。なんとかなるさ」



そう言っていた。


なので好きに暴れようと思う。………もちろん迷惑をかける気はない。

だが、この1ヶ月間で自分の強さに自信がついた。あとはそれを証明するだけだ。


そんなことを思っているとアイクから通信が入った。


『よし、一応これで全員か……………』


どうやら全員揃ったようだ。それにちょうど集合時刻を回ったところだ、もう出るだろう。


すると案の定次の通信が入る。


『良し、なら行くぞお前ら!!着いて来い遅れるなよ!!』


そういうとブラック・ワンを戦闘に動き出す。もちろんリュエルも後に続く。


もうすぐ、初めての大規模の戦いが始まる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして30分ほど経ち…………


リュエルたちは敵の部隊の近くまで来ていた。


今回は奇襲部隊に奇襲すると言った敵の裏を掻く作戦らしいので接近する際はステルスモードで接近するらしい。


こちらのレーダーにはすでに敵影が写っている。


リンの声が、リュエルのコックピットに響く。


「敵の数はおよそ40。VGだけでの構成のようだね」


やはり、敵は奇襲部隊なのだろう。数もこちらと大して変わらない。


リュエルはレーダーに映る敵影を睨んでいた。もちろん1人で相手をするのではないがそれでもここまでの数を相手にするのは少し緊張する。


そして、ステルスが維持できるギリギリまで近づく。


もちろん、エリスの性能ならもっと近づけるかもだが、ここは部隊行動。好きに暴れていいと言うリュートさんのお墨付きがあるとはいえ、他に合わせるべきだろう。


するとアイクから通信が入る。


『お前ら。俺が合図を出したら一斉に攻撃するぞ、その後は乱戦だ。………だが、あまり突っ込もうとはするな。あくまで連携を中心としろ。あとは…………エクステンデッドの相手は俺がする』


やはり面倒見がいいのだろうか。詳しく指示をしてくれる。………もっとも他の指揮官の指示とかは受けたことがないのであくまで完全なる主観だが。


『よし、行くぞ!!』


そうアイクが指示をした瞬間、リュエルを含め一斉にステルスを解除し敵部隊へと接近する。そしてそれと同時に戦闘モードも起動する。


『メインシステム:戦闘モード起動』


エリスのコックピットに電子音声が静かに響いた。リュエルの意識は研ぎ澄まされ、外界の情報がクリアに流れ込んでくる。


徐々に敵軍に近づいていく。


リュエルは高速で飛びながら敵軍の方向へと砲門を向けた。


こちらは向こうの後ろから接近している。この一瞬では向こうもまだ気づいてはいないだろう。他の傭兵たちやアイクも敵部隊に向かって砲門を構えている。


距離がどんどん近づいていく。


500m………


400…………


300…………


200…………!!


そして戦いの火蓋は切られた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜あとがき〜

はい。書き終わりませんでした。次回から本格的な戦闘へと入っていきます。

………リュエルの無双が見れるかも!?

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