夢の底で出会った長女
ショゴちゃんに何があったのか?
何があればあんなに変わるのか
姿も精神も
精神の部分の変化が特に俺を悩ませる。
あんな優しかったショゴちゃんをあんなにすり減らせて、変えたのは間違いなく俺だ。
ショゴちゃんだけではない。
リオニス先生も校長もレラーナも皆に迷惑をかけてしまった。
俺がアイツを押し込んで止めれていれば、あんな少しの戦闘で心を乱さなければ、もっと俺が強ければ、そもそも学園に入学するなんて思わなければ……
後悔はどんどん出てくる。
どうすればよかったのか
どうすればいいのか
自分にはもう分からない。
こんなに悩んでいるのに睡魔は変わらずやってくる。
これも召喚の影響だろうか?
眠りたくないのに。
また悪夢が……
「やぁ、君からここにくるのは珍しいというか初めて」
「へ?」
いつもの悪夢とは違う場所だ。
それにコイツはあの三姉妹の長女……
確か名前はウルズ
コイツとは一番あったことがないし、
いつも彼女たちと会うのは燃える少女に触れようとして飛ばされた後なのに
それが何故いきなりここに飛ばされたのか?
訳が分からない
「どうやら君から来たんじゃないみたいだね
なぁーんだ 少しショック」
ウルズはショボンとした顔をする。
「つまり君は何か悩んでいるって事だ
そうじゃなきゃ私の所なんて飛ばされない。」
「どういう?」
「君の無意識が僕を頼れるお姉さんと認識していて無意識に僕の所に飛ばされて来たって伊達に何万年もお姉ちゃんをやってないさ!さぁ悩みをって なんだその顔は!」
それはない。
スクルドは未妹という立場からストレスが溜まっていたのか
その捌け口としてスクルドによく呼ばれていたから分かる。
まったく俺をストレス発散の道具にするなよ……
それは置いておくとして
いつもスクルドから聞いていたのは姉の愚痴ばかりだった。
特にウルズ
そんな相手を無意識の相談相手に選ぶか?
それも元はといえばコイツら姉妹のせいなのに……
「なんでおまえ達は俺の中に居るんだ? おまえ達は自由が大好きな奴らだから俺の中に入ってるなんて自分の意思からじゃないだろ?」
「理由か~ なんだったかなー 忘れた」
「おい!」
「だって君に入ったのは何年も前だよ~?忘れちゃうって」
「何万年も生きてるって言ってなかった!?」
「そうだったね~ あ、ポテチいる?」
コイツいつの間にかどこからか持ってきてポテチを食べ始めてやがる。
こんなやつに相談できるかぁ!!
「君は自分の弱さに悩んでる顔だ。」
「へ?なんでそれを」
「つい最近君と同じ顔を見たからなんとなく分かるさ」
俺の中にいるコイツが誰を?
コイツの妹?
それはスクルドは封印されたらしいし、次女のヴェルダンティはそんな性格じゃない。
なら一体
「なんて言ったかなショパンじゃなくてジョバンニでもなくてショコラでもなくて~」
最後人名じゃなくて菓子になってたぞ
ショ……もしかして
「……ショゴス?」
「そうそうそれそれ 彼女もまた無力に嘆いていた。」
「それってなんで!?ショゴちゃんは強かったじゃないか!!弱いのは俺で……」
「知らないよ 私も見ただけだし」
「……ショゴちゃんが変わったのはそれが原因?
つまり俺のせい……俺がショゴちゃんの強さを引き出せなかったから……」
俺は拳を握る。何度こうして自分を責めれば気が済むんだ……
「違うよ 君は弱くなんてないさ。」
「慰めはよしてくれ!!現にこの前だってお前の妹を呼び出せなくてショゴちゃんや周りの皆を傷つけて!!」
「それかー それを君は弱さと見ているわけだ。」
「違うっていうのかよ!?」
「そもそも私達は自分でいうのもなんだけど人間なんか本来なら君の身体や意思を簡単に乗っ取れるほど強い生命体なんだよ?
それをここまで押し固めてしまえる君が凄いんだよー?てか本当に人間ってレベルだし?」
「でも結局は止めれてないじゃないか」
「君はお釈迦様にでもなるのかい?」
「なんで?」
「僕たちは君の感情に反応して現れてるって知ってた?」
「なんだよそれ」
「あ、やべこれいっちゃ不味かったか……でも今更だよね もう出てる暇なんてないし」
「暇?」
「気にしないで!!僕達は君の心の揺らぎや心の隙なんかを見つけてでてくるんだ。
いやらしいよね?まぁ、神話生物なんてそういうもんさ。
とにかくそれを無くすと言うのは人間を辞めるのと一緒さ それを出来るのは神か超越者だけさ。 」
「……」
「それに君は弱い弱いと言うけれど弱くていけないのかい?」
「……強者の理屈だな」
「私は強者なんかじゃないよ 私達の居た世界じゃ中間かそれ以下の存在さ だから私達は三人として産み出された。」
「三人として?」
三人として産み出された?
意味が分からない。
神はそんな所まで操れるのか?
「一人として弱いのなら三人集まればいい そういう考えで私達は母から産み出された。いや、あえて弱くしたのかもね。
あの母だし」
「なんで?」
「強者とは孤独な者だと母もわかっていたのだろうさ それかお遊び」
「なんだよそりゃ」
お遊びで弱く産み出されたらたまったもんじゃないだろう
「やっと笑った。私はそういう君の方が好きだよ?他の二人も多分そうさ 母は分からないけど」
そう満面の笑顔で言われると
少し照れる。
「とにかく弱さはなにも罪じゃないと私は思うな。弱いから人間は成長してきたんだ。まぁ、そんな哲学的な話は置いておいて 君はもっと他者を頼りたまえ。そして迷惑をかけたと思ったのなら助けたまえ。それが出来るのが人間の特権さ。手始めに私を頼りたまえ。私は強いよ~ RPGで言うなら中ボス手前のモブぐらい強いよー?」
そうどや顔でこっちに顔を近づける。
「だれが頼るか!それに強さ微妙だし そこは嘘でも中ボスって言えよ」
「ブー!!私は戦闘好きな方じゃないからいいの!まぁ、手段の一つぐらいとして考えておきたまえよ……」
「でもありがとう……他者に頼る。そんな簡単なことも忘れていたよ」
「簡単じゃないさ。それが出来るのは人間だけなんだから……どうやら時間のようだ。ほらさっさとショゴスのショゴちゃんを助けてあげな
あれは見るに堪えない。」
「そうするって!!おまえ最初から!?」
「なんのことだろー??」
「とぼけるの下手!!」
「そうそう忠告だ。
“白服”には気を……くれぐれも油断しないで……アイツらは……」
「え?なんだって?」
最後は途切れ途切れでよく聞こえなかった。
だがありがとうウルズ
流石長女だ。
「いいのかい?姐様?」
「何が?」
「口調いつもの真面目なのに戻ってるぜ こんな場所でぐらいふざけるとか言ってなかったか?」
「そうだった そうだった パンツみせて!」
「急にIQさげるな!!まったくいつも真面目ならいいのになぁ」
「真面目じゃやってられないさ こんな仕事」
「そりゃあそうだ。」
「……よくはないさ 母の策への反逆だからね」
「ならなんで」
「いつも母には迷惑をかけられっぱなしだろ?だからたまには反抗しなきゃね
まぁ、遅めの反抗期ってやつさ
ヴェルもどう?」
「1万歳以上になって反抗期ってのもなぁ
それにアイツとは合わなさそうだし 止めとくよ」
「そうかい?案外合いそうな気がするけど」
「だれがあんなナヨナヨ野郎と」
「違うから引かれ合うのが人間って生き物らしいからね。」
「おいおい私達は神話生物だぜ?それに似たやつとつるんだほうが私は楽しいと思うがね」
「違うからいいのさ 同じもの同士では気づかないものだってある」
「そういうもんかね」
「そういうもんさ ヴェルも年を重ねればいずれ分かるさ」
「俺1万歳以上なんだけど?」
君には様々な試練や運命が待っているだろう。
だがそれをいい運命とするか、悪い運命とするかは君次第だ
期待しているよ
だが忘れないで悪い運命にしてこようとするもの達もいるということを
「おーい姉様?」
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