【シリーズ】わたし、めりーさん! season2

夜染 空

【2人劇】帰ってきたぞ!めりーさん!

帰ってきたぞ!めりーさん!


メリー:外見が人形である事が稀な怪異

僕:しがない小説家



0:以下、本編


メリー:「わたし、メリーさん…今アナタの……」


0:間


僕:「(電話)お疲れ様です、はい……はい、あ、そうですか……はい。あ、締め切りは大丈夫なんですけど…その、2ヶ月に1回で、原稿料の方は……はい…わかりました、ではよろしくお願いいたします。失礼します。」


僕:「…はぁ」


僕:「相場よりも低いけど…物書きでやって行くには、しがみついてでもこの世界にいた方が有利だからな…」


僕:「ポーンと書籍化まで話が進む人の方が少ないし…僕はひと握りの外の人間だし……頑張ろ。」


0:RRRRRRR……


僕:「…また電話…知らない番号だけど、誰だろう」


僕:「…はい、もしもし」


メリー:「わたし、メリーさん」


僕:「…めりー、さん?」


メリー:「わたし、メリーさん。今コンビニの前にいるの」


僕:「……切ろう」


0:イタズラ電話と判断して僕は電話を切る


僕:「メリーさんねぇ……そう言えばネットの掲示板で一時期話題になってたっけ。まぁ、どうせ賑やかしのネタ投稿でしょ。メリーさんが猫のぬいぐるみとか招き猫とか、わけながらない投稿してあったし。」


僕:「…帰って原稿書こう……」


0:間


0:RRRRRRR


僕:「…また?」


僕:「……はい」


メリー:「わたし、メリーさん。今小学校の前いるの」


僕:「M/いやどこの小学校だよ、この辺小学校ありすぎてどこかわかんねぇよ…」


僕:「あの……」


メリー:「わたし、メリーさん。今、コインランドリーの前にいるの」


僕:「M/だから何処だよ!コンビニと同じレベルでコインランドリーばっかりなんだよ!どこのコインランドリーだよ!」


僕:「あのぉ、すみません?」


メリー:「わたし、メリーさん。今ドラックストアの前にいるの」


僕:「(心の声が漏れる)だからどこのだよ!!!」


メリー:「…え?」


僕:「この辺一口にコンビニとかコインランドリーって言ってもあり過ぎてどれかんかんねぇんだよ!近くに何があるとか何色のとか!分かりやすく言えよ!説明下手か!!」


メリー:「えっと…赤と黄色のドラッグストアの前にいるの……」


僕:「ならそう言えよ!後なぁ!」


メリー:「M/あぁ、この感じ久しぶりなの…なんだか懐かしい…」


僕:「聞いてんのか!?」


メリー:「は、はぃ!」


僕:「こちとらやっすい原稿料でいかに稼いで生活出来るかって必死なんだよ!イタズラ電話に付き合う暇があるならネタを寄越しやがれぇぇぇ!!!」


メリー:「…あのぉ」


僕:「あ!?なんだよ!」


メリー:「その…メリーさんの事でいいなら、いくらでも書いてくれて構わないのだけど…」


僕:「…は?何言ってんのお前、お前があのふざけた都市伝説のメリーさんだとでも言うわけ?」


メリー:「正真正銘、そのふざけた都市伝説のメリーさんなの。」


僕:「…証拠がない」


メリー:「メリーさんが証拠」


僕:「…とりあえず、お前今どこにいるの?」


メリー:「…わたし、メリーさん。今…」


0:間



メリー:「というわけで、私、メリーさん!」


僕:「いや嘘だろ!?」


メリー:「これで信じる気になったかしら…」


僕:「…いや、さすがにな?嘘だと思ってたんだよ…猫のぬいぐるみとか招き猫とかクマのぬいぐるみとか色々書いてあったからさ…」


メリー:「でしょ?さすがにね?無理があると思うの。この姿も。」


僕:「メリーさんのイメージって、フランス人形なんだけど…」


メリー:「その固定概念は捨てる事ね…この世界においてメリーさんがイメージ通りの姿をしていた事なんて…多分ないの……」


僕:「……お、お疲れ…」


メリー:「どうも…」


僕:「…後さ、1個聞いていいか?」


メリー:「なにかしら?」


僕:「その姿でどーやって電話かけてきたの?」


メリー:「……」


僕:「……」


メリー:「内緒☆」


僕:「ご都合主義かよ!」


メリー:「そんなもんよ。コメディだもの。いちいち気にしてたらキリないわ」


僕:「メリーさんがそれ言っていいのか…?」


メリー:「(厨二臭く)時には知らない方が良いって事も、あるんだぜ」


僕:「その姿で言われてもなぁ…」


メリー:「この際、メリーさんの外見は一切無視した方が気が楽だと思うの」


僕:「……トコトコわんちゃんが、メリーさん…」


メリー:「可愛いでしょ?」


僕:「うん、外側は可愛い。それは認める。」


メリー:「認めたなら諦めなさいな。メリーさんはもう慣れっ子だから!」


僕:「慣れって言うより、開き直ってるし」


メリー:「そりゃ散々色んな器の中にいたらねぇ?開き直りもするわよ」


僕:「ちなみに、今までどんな外見だったんだ?」


メリー:「ん?気になる?メモ取らなくて大丈夫?掲示板の内容と被るけど、これも何かの縁ってことで!今までのメリーさんが何をしていたか詳細に教えてあげるの!」


僕:「おぉ…!メモ帳メモ帳…!」


メリー:「とくと書き連ねるがいいわ!メリーさんのこれまでの苦労話を!!」


僕:「あ、ろくなもんじゃないぞ?これ」


メリー:「失礼な!ちゃんと泣ける話からゲラゲラ笑える話まで盛り沢山よ!ほらほら、メモの準備はいいかしら!?」


僕:「えー、めっちゃ喋る気満々じゃーん」


僕:「M/それから僕は、メリーさんのこれまでの話をメモに書きなぐりまくった。なんか色々ツッコミたくなるような話から、涙腺を蚊に刺されたぐらいに刺激する話…他の怪異と協力してクズ撲滅とか、詐欺グループ潰ししてたとか…そこそこに波乱万丈っぽいメリーさん生を送っていたらしい。」


僕:「M/自分の執筆もやりながらメリーさんの話をメモして…ひとつの話にまとめようとした辺りでぶっ倒れ、病院に運ばれた…。電話をしたのはもちろんメリーさん。友人と電話をしてたタイミングで急に倒れたという設定で救急車を呼んでくれたらしい。」


僕:「M/僕が無事退院して家に帰ると、そこにはメリーさんの姿は無く…ただの抜け殻になったトコトコわんちゃんだけが取り残されていた…」


僕:「M/話はもう頭の中に入ってる。大丈夫。僕はパソコンを起動し、これまでのやり取りをまとめた一つの作品に取り掛かる」


僕:「……タイトル、どうしようかな…」


僕:「あっ!」



メリー:「わたし、めりーさん!」

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