無機も有機も嚙み分ける
りょっぴーぴあ
プロローグ
初めて目を覚ましたのは、医療カプセルの中だった。
私の体は極めて不安定らしく、食事はつながれた管から供給され、起きてから寝るまでその中で50年程過ごした。
医療カプセルから出られたとしても、研究室の中だけ。
両親とも研究室の中でしか交流できなかった。
その後の50年は1日1時間という僅かな時間だけ外出を許された。
私の体が少しだけ安定したからだという。
その僅かな時間に近くの公園へ出かけると、ニット帽を深くかぶった女の子と頭に鉢巻を巻いた男の子に出会った。
友達なんていなかった私に、彼らは物凄く眩しく、私の全てを話した。
彼らは町ですれちがう人々とは違って嫌な顔をせず、一緒に遊んでくれた。
球蹴り、鬼ごっこ、かくれんぼ、その他にも色んなことで遊んだ。
公園での日々は楽しく、その公園に足繫く通った。
その毎日は世界の色彩を2ビットから24ビットまで拡張してくれた。
ある日、球蹴りをしていたところ、木の枝に引っかかった蹴鞠を私が授かりし翼を用いてそれを取ってやった。
「すごい!やっぱり天ちゃんは私達とは違うんだね!」
私にはその言葉によって彼女との、彼らとの間が大きく開いた様に思えた。
違うって何?
私達は同じ人じゃないの?
そのままその日は彼らと別れた。
その日以降、彼らに会える事は無かった。
いつもの公園に来なかったのだ。
それがとても憂鬱で、苦しくて。
もちろん、彼女にそういう意図があっての発言でないことぐらい、私にもわかっていた。
だがそれを、私に刻まれた機械仕掛けのDNAはどうも気に入らないようだった____
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