妖精要請所に花輪が届いた

 前の話から3年後……、

 なぜか妖精要請所は復活した。

 

 妖精たちの不思議なパワーにより、要請所は息を吹き返し、勢力を拡大していった。 


 そして、本日、妖精要請所山形支部が設立された。


 山形と言えば、古くは修験道が盛んであったり、昔話も多数残っていたりと、妖精にとっては興味をそそられる場所なのだ。


 しかし……支部長は思った。


 この場所がなんだか魅力的だというのは分かる、私も妖精のスプリガンだ、だからこそ良く分かる、このなんとものどかな感じ、妖精的に心地よい……だが……。


 ピンポーン!


「こんちはーー!ここに新しくここに妖精を要請してくれるところができたってきいたので来ましたーー」


「あ、あなたたちは……」


「はい、化けタヌキと化けギツネです」


「お帰りください」


「我々は妖精です要請してください」


「妖精じゃないでしょ、妖怪でしょ」


「何を言っているコン、あんた妖精と妖怪の違いをハッキリ言えるコンか!?」


「急にキャラ付けしてきてもダメですよ!妖精と妖怪は違うでしょ!あの……その……雰囲気とか!」


「あんた妖精スプリガン……だったタヌね。あんたも……雰囲気はこちら側だタヌ……ハッキリ言えばあんたはコワモテで有名だタヌ……むしろあんたも妖怪じゃないタヌか!?」


「うっ、ギクッ」


「だから……我々は妖精です要請してください」


「よし、分かった入れ!」


 そのとき、要請所の入口に置かれていた花輪から……、


 ぶぶぶぶぶ……


「我々は妖精です要請してください」


「えっ……あなたたちは……」


「はい。日本の固有種、ニホンミツバチです」


「お帰りください」


「ぶぶぶぶぶ……なぜですか?我々の姿を見てください、小さくて羽根で飛んでいるでしょ、それに……ちょっとカワイイでしょ」


「うっ、ギクッ」


 ぶぶぶぶぶ……


「よし!分かった入れぃ!」

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