第11話 待ち伏せ
国王様はお目覚めになられ、ベッドではなくソファーに座っていた。アルノー様は私を国王様の前に案内すると、父上先程話した少女アマルフィですと紹介を受けた。
私は国王様の前に跪き、
「国王様にお目に掛かれる栄誉を頂けたことに、感謝申しあげます。」
「貴方が余や王妃それに、王太子やオステオ卿夫妻や、我が国の多くの民の病を治してくれたと王妃や皆から聞いた。礼を申す。ありがとう、世話になった。」
国王様自ら立ち上がり、私に向かい頭を下げた。この部屋に居る皆も同じように頭を下げてくれた。
「皆さま頭をおあげ下さい。私の様な物に過分すぎるご配慮をいただき、ありがとうございます。」と私も頭を下げた。
「所で、貴方は貧民街に治療院を作りたいと申しているそうだが、間違いはないのか?」
「はい、間違いございません。」
「治癒の力を持つ光の魔力の保持者。その力をいろいろな輩が取り込もうと暗躍するであろう。貴方の考えは、オステオ卿夫妻から聞いている。そして私もその事に賛同した。本来は私が行うべきものであるが、中々其処に手が回らない。それでどうだろう、今回の謝礼に、貴方を守る事を含めた、国からの支援を受けては貰えないだろうか?」
「それは、先程王太子様から聞いた、国王様の庇護下に入ると言う事でしょうか?」
「簡単に言えばそうなる。」
「もし、それを受けたとして、どのような事をして頂けるのでしょうか? それとは逆にどのような制約が付くのでしょうか?」
「そうだな、まず国が行う事はまず、治療院の建物の建設と設備、これはアマルの思った通りに作ると約束をしよう。それとアマルの護衛此れは平民の姿で皆に紛れて、交代で守るようになる。護衛長は我々が最も信用するドランにしようと思っている。」
「私の様な者にそのような優秀な方を付けて頂いて宜しいのですか?」
「構わない。其方にはそれだけの力があるのだ。」
「それと、貴方達の屋敷と爵位だ」
「屋敷と爵位ですか? 治療院の中の一部屋のお間違えではないのでしょうか?」
「いや、屋敷で間違いはない。」
「では、お屋敷も爵位もいりません。そうお答えしたら、国王様の庇護が受けられない。と仰るのなら、それでも構いません。」
「其方は、私の思っていた通りのお嬢さんの様だ。分かった。ではその分の金は、貧民街の衛生面の改善に役立て、公衆浴場や公衆トイレを作り、病気が蔓延しないように役立てるとしょう。」
「それならば、公衆浴場や、公衆トイレの地下に下水道を通し汚物が溜まらないようにし、それを一カ所に集め浄化してから川に流せば問題は無いかと思われます。」
「そうだな、浄化の魔石を利用すれば良いかも知れんな?」
「この世界にはスライム等はいないのでしょうか?」
「それは、魔物か?」
「はい。」
「何処かには居るかも知れんが、聞いたことが無い。」
「そう、なのですね。」しまった、これは前世のゲームの記憶だった。ヤバィ💦
「それも、夢で見たのかな?」
「あ…‼ そうかもしれません。ㇵㇵㇵ💦」
「そうか、分かったその事を踏まえた上で王都の下水計画を進めるとしよう。それと、早急に治療院を作る場所を決めるとしよう、アマルも治療院をどう造りたいかを決めていてくれ。それによって、建物の規模を決めたい。」
「ありがとうございます。」
「それと、私の庇護下に入る事での制約は、この国で災害や、疫病が発生したときは力を貸して頂きたい。約束頂けるだろうか?」
「分りました。お約束致します。では国王様もう一度御身体を見せて頂いても宜しいでしょうか?」
「ああ、頼む、このままでいいのかい?」
「はい、拝見させて頂きます。」
身体を見せて頂いたところ、一部に青い光が残っていたようだ、
「執事さん申し訳ありません、お願いして宜しいでしょうか?」
私の横に立ってくれた執事さんの御身体の一部分を指し、
「国王様この部分に痛み、もしくは違和感が残って居ませんか?」
「良く分かったな、少しだけ違和感があった。が、気のせいだろうと思っていたのだ。」
「他に違和感を、感じる所は有りませんか?」
「そう言えば、少しだけ話しにくい時がある。」
「見て見ましょう、申し訳ありません。見落としてしまっていたようです。直ぐに治療を開始いたします。」
「分かった。直ぐに頼む。」
ベッドに横になった国王様の治療を開始した。その後、足の裏までもう一度確認してから、
「お疲れさまでした。これで完治したと思います。如何でしょうか?」
「ああ、凄いな、先程まで感じて居た気だるさが無くなり、身体が軽くなった。病気が完治するとこんなに違うのだな。本当に偉大な力だ。アマル助かった。改めて礼を申すありがとう。」
「とんでも有りません。わたしの様な者にそう言って頂けて本当に名誉なことです。それから治療院の事を許して下さりありがとうございました。」
「これから忙しくなるだろう。頑張るのだぞ。」
「はい、ありがとうございます。では、私はこれで失礼させて頂きます。」
「それではドラン、アマルの事を頼んだよ。」
「はい、仰せのままに。」と、また裏から王宮を出た。
最初に来た道を迷いなくどんどん進むドランの後をついて行くと、先程シズルが消えた場所の脇道の奥に、二人の人影が横たわって居るのが見えた。
そのまま、何も無いかの様にドランは進み、彼が立ち止まると、後ろを着いて来た、シズルが私に目隠しをしてから、洞窟を出た。
洞窟を出て暫く歩いた後目隠しが外され、ドランが口笛を吹くと、何処からか、馬が現れ、来た時と同じように馬に乗り暫く走った。
少し遠くから、数等の馬の蹄の音が聞こえた。後ろを走っていた、シズルが私達の馬に近づきドランに何か告げると、踵を返して何処かに去って行った。
その直後、森の中から、
「お前は誰だ、おまえに用は無い。早く此奴を片付け、奴等を終え。」と、野太い男達の声が聞こえたと思ったら、金属が激しくぶつかる音が聞こえた。更に此方に向かって近づいて来る、馬の蹄の音が聞こえる、ドランは、其方に振り返る事無く私に、
「しっかり馬の手綱を握っていてください。彼等を振り切ります。」と言って馬のお腹を強く蹴ると、馬の速度がみるみる加速し、私は馬に振り落とされないよう手綱に必死にしがみついているのが精一杯だった。
♠ ♠ ♠
私達は、オステオ様のお屋敷に着き私を馬から素早く降ろし、ドランは侍従さんに何かを告げ、そのまま何処かへ瞬く間に走り去って行った。
私は、その後侍従さんに案内され部屋に戻ると、侍女さんが待っていてくれた。
「お疲れさまでした。お連れ様達はお部屋に戻りお休みになられました。」と伝えてくれた。
「ありがとうございます。ところでご主人様にはお許しを頂いているのですが、少し治療しても宜しいでしょうか?」と侍女さんに告げるとビックリしたようで、
「はい、構いませんが宜しいのでしょうか?」
「腰と両脚、それと、お腹に痛みは有りませんか?」
「はい、有ります。何故分かったのでしょう?」
「秘密です。では、治しましょう。明日は執事様を治しますので、今から、暫くお時間を下さい。」
「宜しくお願い致します。」
「ではベッドに横になって下さい。」
「そんな、勿体ない。」
「構いません。それを言うなら、私は貧民街の孤児ですよ。こんな素晴らしいベッドに私だけ寝るのは勿体ないです。さあ、横になって下さい。皆さんがメイキングしてくれたベッドは最高ですよ。」
「ありがとうございます。では失礼します。」
「はい、では早速ですが、まずお腹、両脚、腰の順で治して行きますね。」
何時もの様に掌に魔力を集め両脚を治し、お腹部分治し、下から見上げた時喉が少し光って見えたので、その部分も治し、次にうつ伏せになって貰い腰の部分を治した。
「どうですか?治療は完了しましたが、他に違和感を、感じる所は有りませんか?」
「ありません、夢見たいです。とても身体が軽くなり、嬉しくて走り回りたい気分です。」
「そう言って頂けると、私も嬉しいです。」
「他にお手伝いする事は有りませんか?」
「もうありません。後お風呂を頂いて、休むだけなので、侍女さんも疲れたでしょう。もう休んで下さい。遅くまで、待って居てくれてありがとうございました。」
「では、お休みなさいませ。」と侍女さんは笑顔で部屋を出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます