2回戦
1回戦振り返り
第5話 そして始まる2回戦
目が覚めると、私は化学実験室の椅子に座って寝ていた。周りを見ると鳴、里紗、瑠衣子さん、セルスさん、鈴さん、心さん、峰さん、エルナさん、菜七子さん、百合さん、そしてカレンさんが居た。どこを見ても、何回目をつぶって開けてを繰り返しても、菜緒ちゃんや瀬羅さん、弥江子さんの姿はなかった。
「私は、またひとりぼっちになっちゃったのかな…」
そんなことを思いながら時計を見る。時刻は昼12時になろうとしていた。すると、カレンさんが話し始めた。
「みなさん1回戦お疲れ様でした。終了者が殺されたため、1回戦は強制終了となりました。」
「カレンさん。ひとつ聞いていいですか?」
「なんでしょう?」
「私はみんなそれぞれに能力が振り分けられてることを後半まで知りませんでした。他の人には話してたんですか?」
「みなさん個室に入った後に机に置かれている紙を見て質問してきましたからね。しず様以外には言ったと思います。」
どうやら知らなかったのは私だけらしい。
「1回戦の答え合わせをしますね。なる様、なみ様、ななこ様の3人が殺人犯、しろい様が司令者、ひかり様が服従者、ゆり様が半幽霊、やえこ様が終了者、しず様が絶対王者、その他の方々は一般者でした。3人殺害して勝った方は無し。さなえ様を殺したのはなる様、くろい様を殺したのはしろい様、せら様を殺したのはななこ様、しろい様は自殺、なお様を殺したのはえな様でした。以上、1回戦の答え合わせでした。」
続けてカレンさんが話す。
「今から死んだ方々の秘密を公開しますね。時間が無いので簡潔に言います。さなえ様、やえこ様、くろい様が殺人、なみ様、ひかり様が薬物乱用、しろい様が死体遺棄、なお様が無免許運転、せら様が未成年飲酒、えな様が万引きです。」
おそらくみんな事情があったはずだ。だけどもう聞くことはできない。もうこの人たちはこの世に居ないんだ…。
「それではそろそろ2回戦のルール説明をしますね。2回戦からは進行役が変わります。みなさん、しばらく私とはお別れです。では、次の進行役の方お願いします。」
そう言うと目の前からカレンさんが消え、シスターの様な女性が出てきた。
「みなさんこんにちは。2回戦の進行役をさせていただきます、レイナと申します。よろしくお願いしますね。」
実験室に無言の間が生まれる。そんな中で鳴がレイナさんに質問をする。
「レイナさんは何教を信仰してるんですか?」
「私は七音教(しちおんきょう)を信仰しています。ね?しずさん。」
「…え?」
「あっ、そういえばそうでしたね。私ってばうっかりうっかり。」
七音教なんて聞いたこともない。なんで私に話しかけてきたんだ。分からなかった。
「それでは2回戦のルール説明をします。みなさんお手元のケータイを見てください。」
ケータイに目を落とすとそこには半幽霊と書かれたカードの画像が映っていた。
「みなさん、画面で能力は確認しましたでしょうか?今回は殺人犯の方以外は人を殺すことができません。そして今回も終了者が殺害、もしくは追放されたら2回戦が終了します。それでは2回戦スタートです。」
次の瞬間目の前からレイナさんが消えた。そしてみんなゾロゾロと実験室から出て行く。すると鳴から話しかけられる。
「ねぇ、しずちゃん?ほんとに七音教のこと知らないの?」
「…知らない。」
「そっか。」
そう言い残すと鳴も実験室から出て行った。実験室には私1人残っていた。ふとポケットに手を入れると、何か紙があった。
〖しずへ〗
私への手紙だ。誰からの手紙かは分からないけれど、その手紙を読んでみた。そこには信じられないことが書いてあった。
〖しずパイセン、誰からの手紙か分からなくてびっくりしました?その顔みたかったなー!あーしさ、しずパイセンと協力したくて。実はこのケータイ通話することができるんだよね!昨日見つけたwだからさ、お互いが個室にいる時に通話しよ!これあーしのケータイのIDね、メモして!
ID→04-0〗
これは里紗からの手紙だ。正直今までの経験的にあまり乗り気にはなれない。だけど…
私は個室に着くとさっそく里紗に通話をかけた。
―――第5話 そして始まる2回戦 完―――
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