第27話 誰かの妹?

「最初の種目は、女子百メートル走です」


 最初の種目は女子百メートル走。

 男子百メートルと女子百メートルは、全員参加と決まっている。

 俺たちの学校の体育祭は、百メートル以外は、種目に出るのも出ないのも自由ってことになっている。


 俺は別に百メートルしか出る気がなかったが、借り物競走に人が集まらなかったため、百メートルしか高い人同士でじゃんけんをして負けたやつかまた出ると言うルールの元じゃんけんをすると見事に負けて出ることになった。


「おお〜高崎さん速い速い!!」


 女子百メートルが始まると、高崎さんは圧倒的な力を見せて、同じレーンの他の組の人を蹂躙し、見事そのレーンで一位に輝いた。


「きゃー! 奈々がんばれ!」

「緑組恵花さん速い速い!!」


 続いて、高崎さんの次のレーンだった恵花さんは高崎さん同様圧倒な力を見せつけて、一位を獲得した。

 二人ともすごいな。


 後から聞いた話だと、恵花さんと、高崎さんお互い、体育祭最後の種目である学年組対抗リレーに出るらしい。


 俺はどっちを応援すればいいんだ〜って一瞬迷っていたが、やっぱり同じ組である高崎さんの方を応援するべきだと言う結論至った。


「続いては男子百メートル走です!」


 つ、ついに俺の番か……。

 そうこうしてるうちに俺の出る種目の一番目、男子百メートル走が始まった。

 俺は他の男子と同様、入場口まで歩いて向かった。


 歩いて向かってる際、百メートルを走り終えたと思われる恵花さんとばったりあった。


「恵花さん、すごかったね、圧倒的な走りだったよ」

「まあね、私の走りは昔から折り紙つきだから」


「そうなんだ! 昔陸上部でも入ってたの?」

「いや、部活は何も入ってないわ! それよりも純人! あなたせいぜい私にいいところ見せなさいよ! 私あなたが別の組であっても応援してあげるんだから」


「あ、ありがとう」


 俺は恵花さんに感謝を述べて、入場口まで再び走ろうと思ったが、恵花さんに伝えなきゃいけないことがあり再び恵花さんの方を見た。


「俺も、恵花さんのこと応援してるから各組対抗リレー! 恵花さんは俺とは別の組で敵同士だけどそれでと応援してるから!」


 俺が彼女にエールを送ると、恵花さんはキョトンとした後、ニコッと笑った。


「うふふ、バカね……当然でしょ! あなたちゃんと一位取りなさいよ! 高嶺の王子様の幼馴染!」


 俺は今の恵花さんの発言を聞いて、なぜだか今恵花さんの影にあの初恋の人を見た。


 なんでだろう、でも彼女が高嶺の王子様の幼馴染って笑って俺のことを言った時、なぜだかとても懐かしい感じがした。

 ***


「惜しかったね、純人くんもうちょっと一位だったのに、でも純人くんすごいね! 二位だなんて!」

「うん、まあ二位を取ることができたから俺はそれで十分だよ」


 俺は赤組テントに戻ると、高崎さんが俺に慰めの言葉をかけてくれた。


「まあ、一位の人に言われても説得力ないけどね」 

「もう! なんでそう言うこと言うの〜せっかく慰めてあげようと思ったのに!」


「あはは、ごめん、ありがとう高崎さん」


 俺が彼女に感謝を告げると、高崎さんは顔を赤らめてコクッと小さく頷いた。

 それから男子騎馬戦、女子大縄飛びが行われた。

 男子騎馬戦では蓮が一人無双を始め、一人で五人もの敵チームのはちまきを奪い取り緑組を勝利に導いた。


「続いては借り物競走です! 選手の人は入場口に集まってください」

「次、純人くんが出るんだよね?」


「うん! まあ一位は無理だと思うけど、できるだけやってみるよ」

「えへへ、頑張ってね!」


 俺は高崎さんにエールをもらいながら入場口に向かった。

 借り物競走か……頼むから変なお題出さないでくれよ。

 特に好きな人とか、好きな人とか、好きな人とか。


 大事なことだから三回思ったぞ。


「今より借り物競走のルールを説明する! 以前に決められた各レーンごとに左から赤組、白組、青組、緑組と並び、あそこに見えるテーブルの上に置いてある無数の紙の中から一つ選び、その紙に書いてあるお題をつれてあるいは、持ってきて、体育館本部テント付近にいる田城たじろ先生にお題と一緒に見せろ! そしてお題と持ってきた借り物が無事一致したものから順に抜けていく!」


 俺たち、借り物競走組は入場口に着くと、各レーンごとに、先生のルール説明を聞いた。

 先生のルール説明が終わると、早速体育祭進行を担当する放送部の部員が。


「それでは始まりまーす! 準備はいいですか!? ヨーイドン!!」

 そうデカい声で叫んだことで、ついに借り物競走が始まった。


「おりゃおりゃ〜行くぜ!!」


 俺の前のレーンの人は早速お題が置いてあるテーブルまで一直線に走って行った。

 ちなみに俺は先頭から二番のレーンである。


「な、なんだよこれ!?」

「はあ!? 恐竜の化石!? んなもんどこに落ちてるって言うんだ!?」


「こらこら、そこの青組の男子、お題の内容を正解するまで口に出すのはNGですよ!」


 前を走っていた生徒たちからお題に関する阿鼻叫喚な声が聞こえてきた。

 その阿鼻叫喚を聞いて俺は今震えていた。


 なんだよ、恐竜の化石って、んなもん落ちてるわけないだろう……。

 このお題を作った人はバカなのか?


 俺は自分のお題にどんなものがあてがわれるのか今から気になってドキドキが止まらなかった。

 結局、俺の前のレーンの人たち全員が、制限時間内にお題を借りてくることができず、全員脱落となった。


 そしてついに俺の番がやってきた。

 俺はスターターピストルの音で一気にお題のあるテーブルに向かって駆け出す。

 ちなみに俺、スターターピストルの音嫌いなんだよ、びっくりするから。

 中学校まで百メートル走とか、スターターピストルの音が嫌すぎて耳塞いでたもん。


 そんなことを考えながら、テーブルの前のお題の書いてある紙を見ると。

 そこには「誰かの妹か」と書いてあった。

 だ、誰かの妹? 

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