第25話 ひや〜蓮こんなすごい人が好きなのか!?

 体育祭の組分け発表から、三日後。

 本格的に体育祭の練習が始まっていた。

 現在各組ずつに集まって各組の団長、副団長、応援団長、応援副団長、そして各学年の組リーダーの紹介をしていた。


 学年の組リーダとは、各学年から男女二人が選出される、学年をまとめるリーダのことである。

 二年生の組リーダの紹介になった時、赤組のみんなから歓声が上がった。


「あたしは、二年赤組リーダー木南萌音! 不慣れなこともあるが、この赤組を総合優勝に導くために尽力したい! これからよろしく頼む!」

「おお〜!!! 木南さん可愛いー!」

「木南さんかっこいい!!」


 す、すごい歓声だ。

 俺たちの前に出てきた、木南先輩は黒い髪に一つにまとめているポニーテール、とても可愛い顔、スタイルも抜群。

 男子にモテない要素がないほどのルックスをしていた。


 ひや〜蓮こんなすごい人が好きなのか!?

 こんなの高嶺の花すぎるって……。


 あ、そういや蓮も高嶺の王子様って言われてるんだった。

 俺も高嶺の王子様の幼馴染って呼ばれてるし。

 そんなことを考えていると、赤組の役職についている人全員の自己紹介が終わった。


「いや〜木南先輩かっこかわいかったね〜あれじゃあわたしが勝てないのも納得だよ〜」


 俺は休憩時間になったので、空いているスペースに座り、同じく座っていた高崎さんとお話をする。

 高崎さんは自分の好きな人が好きだった木南先輩の圧倒的ルックスにやられているようだった。


「そうかな? 俺にしてみれば高崎さんも木南さんに負けないぐらい可愛いと思うけど?」


 俺は彼女を元気付けようとそう行ったら、高崎さんは顔がトマトぐらい真っ赤になって、とっても恥ずかしそうにもじもじしながら呟いた。


「も、もしかして純人くんわたしのこと口説いてるの?」

「いや、そんなつもりはない! もしそう聞こえたのなら、ご、ごめん」


「えへへ、別に謝ることないよ〜ちょっとびっくりしただけだから! それに、そう言ってもらえて嬉しいよ……」

「そ、それならよかった」


 高崎さんがもじもじしながら言うので、なんだか俺まで恥ずかしくなってきたよ。


 ***

 

 あれから一週間後。

 体育祭の練習の時間も日々増えていく中、俺はよそ見をして歩いていると、目の前にいた人にぶつかってしまった。


「あ、すみません」


 俺は急いでぶつかった人に謝ると、その人は蓮の好きな人である木南先輩であった。


「あたしもすまない、ちょっとボーとしてた」

「いえいえ、木南先輩が謝ることじゃありませんって! だから顔をあげてください!!」


 彼女が俺に向かって頭を下げてきたので、俺は急いで顔を上げるよう促す。

「ん? 君……名前は?」


「え? 間遠純人です……けど」


 俺が木南先輩にいきなり名前を聞かれて動揺しつつも答えると。


「君は!? 君はもしかして、蓮の幼馴染か!?」

「は、はい……蓮というのは綿谷蓮であってますよね?」


「ああ! あたし君のことを蓮から聞いていて、お話ししたいと思っていたんだ!!」


 木南先輩は目をキラキラさせながら俺の両肩を両手で掴む。

 学年学校問わず人気の先輩がいたモブである俺の肩を掴み目をキラキラさせているこの異様な光景は、誰の目から見ても気になるものだったのだろう。


 俺と木南先輩は今、赤組のみんなから注目されていた。


「ちょ、木南先輩、ここじゃ目立つのでどこか別の場所で話しませんか?」

「ああ、そうだな」


 俺は木南先輩に提案をし、別の場所で話をすることに。


「いや〜君が間遠純人か〜! あたし女子バスケ部部長の木南萌音って言う、よろしく頼む!」

「部長? 二年生なのに部長なんですか?」

「あ〜もう夏で三年生は引退してしまったからね、世代交代ってやつさ」


「な、なるほど」

「そういえば、木南先輩はどうな感じで蓮と知り合ったんですか?」


「ああ〜あたし女子バスケに所属してるんだよ! それで蓮が男子バスケ部だろ? 蓮がバスケ部に入ってきたばっかの時、よく朝練や他の部のみんなが帰った後に、一人で練習してたら、蓮も一人で練習していたりと、何かと一緒に練習してることがあってね、蓮が「先輩よく練習してるっすね、素敵です!」っていきなり話しかけてきてそっからだよ! ふふふ、今思い出すだけでなんか笑えてくるな!」


 木南先輩蓮のこと楽しそうに話すな、もしかしてこれ脈アリなのでは?


「へえ〜蓮も木南先輩もバスケ頑張ってるんですね〜!」

「まあ、あたしはバスケが生きがいっていうか」


「あはは、蓮と木南先輩なんかそっくりですね」

「そ、そうかい?」

「ええ、バスケ大好きなところとか、みんなに人気なところとかそっくりです!」

「ああ、そういえば人気で言えば」


 木南先輩は俺が言った人気というワードに引っ掛かりを覚えたらしい。


「あたし今度体育祭が終わった後、蓮に遊園地に行かないかと誘われてだな……その、蓮はみんなに人気だろ? だから一緒に行っていいか迷ってるんだ」

「木南先輩、それをいうなら木南先輩も十分人気じゃないですか! それに、一緒に行って大丈夫に決まってるじゃないですか〜! その方が蓮も喜びますし!」


「あの、蓮の幼馴染である君にお願いがあるんだ!」

「なんでしょう?」


「あたしと蓮と行く遊園地についてきてくれないだろうか!」

「はあ!?」


 俺は突然そんなことを言われて大きな声をあげる。


「もちろん無理にとは言わない! その、なんかあたし最近蓮と一緒にいたら胸がなんか変というかだな、なんかおかしいんだ! だからその、今蓮と二人っきりでどこかに行ける気がしないんだあたしは」


 え? なにそれ、蓮超脈ありじゃね?


「君も彼女とか蓮以外とかの友達を何人でも百人でも連れて行っていいから! 頼む!」


 いや、百人は無理でしょ……。

 俺はそんな感想を抱きつつ、いきなりの提案で今決めることができそうにないので。


「え? ちょ、ちょっと考えさせてもらえないかな?」


 木南先輩にそう言って頼みこんだ。


「わかった! じゃあこれあたしの連絡先だから決まり次第連絡してくれ!」

「れ、連絡先!? いいんですか?」


 俺はいきなり連絡先を登録するためのQRコードを渡されて戦慄する。


「ああ、いいんですか? もなにもあたしが渡したいから渡したんだよ!」


 俺はそう言ってにっこり笑う木南先輩とOINE交換、連絡先を交換した。

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