第9話 うんうん!! 知りたいな知りたいな〜!!
高崎さんにいきなりそんなことを言われて、俺はびっくりする。
なんかこの感じ、若干デジャブ感が。
一ヶ月前、これと同じく誰かにいきなりそう言われて、俺はびっくりした覚えがある。
「え? だからわたしとも友達になってよ!!」
「べ、別にいいですけど、逆にいいんですか?」
「ええ? なにが〜! わたしが友達になりたいって言ってるんだから良いんだよ!! それにさ、蓮くんと幼馴染で奈々とも友達で、わたしだけ仲間外れって酷いじゃん!!」
「あ、じゃあ、よろしくお願いします」
俺はいきなりのことで困惑しつつも高崎さんと友達になった。
すると、高崎さんは俺の座っていたベンチに座ってきた。
「それでさ! 一つ間遠くんに頼みがあるんだ〜! 蓮くんの趣味を教えて欲しいな!」
「れ、蓮の趣味?」
はたまたどうして、いきなり蓮の趣味なんかを?
「うんうん!! 知りたいな知りたいな〜!!」
高崎さんは体を可愛く左右に揺らし、目を輝かせて聞いてくる。
「そんなの直接蓮に聞けば良いのでは?」
「なんでっ〜そんな酷いこと言うの〜! 間遠くんのけちけちけち!」
俺がそう言うと、高崎さんはめちゃくちゃ弱いパンチを俺の肩に連続で浴びせてくる。
ん、なんだこの可愛いパンチは。
「わ、わかった……教えるから!」
「えへへ! ありがとっ!!」
高崎さんは俺に至近距離で白い歯を見せてとっても可愛く笑いかけてくる。
それを見て俺は頬を赤く染める。
危ねぇ〜俺が蓮の幼馴染じゃなかったらうっかり惚れるところだった。
日々蓮の王子様フェイスを見慣れてるから、笑いかけてくるだけでは俺は落ちんよ。
「それでそれで! 蓮くんの趣味って何?」
「蓮は一応多趣味だからな、映画鑑賞、ドラマ鑑賞、走ること、部活、とにかく数えればキリがない」
「へえ〜! 間遠くんは蓮くんのことなんでも知ってるんだね!!」
「そりゃ、蓮の幼馴染だからな」
「それじゃあさ! 蓮くんの好きな食べ物——」
高崎さんが続けて質問しようとしたところに大層びっくりした様子の恵花さんがやってきた。
「あんたたちそこで仲良さそうにベンチに座ってくっついて何してんの?」
「んえ? あ、奈々! やっほー!!」
「い、いや! 別にくっついてはいない!」
俺は恵花さんの発言に訂正を入れた。
「そうだよ! まとうくんの言うとおりだから!」
高崎さん、今、俺の名前間違えた?
「別に私はそれに対して怒ってるわけではないわ、ただ、いきなり何も言わずに穂乃果が教室から消えたからちょっとびっくりしただけよ」
「あはは、ごめんね! ちょっと間遠くんに相談事してて!!」
「相談事って? 蓮のこと?」
「うっ! さすが奈々! 私のことならなんでもお見通しだね!」
「あんたね、蓮のこと好きなら、私が付き合えるように手伝ってあげるって言ってるじゃん」
なんだって!? 高崎さんが蓮のことを好きだと!?
「だって〜! 奈々に頼んだら失敗しそうだもん!!」
「穂乃果、今なんか言ったかしら?」
「いや、その」
「まあ、いいわ、ごめんね間遠くん面倒ごとに巻き込んじゃって!」
恵花さんは俺にそう言って謝罪をした。
「いや、別にこう言う用件には、慣れているというか」
俺はそう言って彼女の謝罪に首を振って答えた。
こういう要件に慣れている理由は、入学式を迎えて数ヶ月は、いろんな女子が蓮と付き合うために俺を訪ねてきた。
好きな異性とお近づきになるために、その異性の最も近しい異性の友人、幼馴染を使うのは上等手段だからな。
最初の頃はひっきりなしに女子が俺を訪ねてきて大変だったな。
まあ、その要件を断り続けていたら、いつの間にか俺に話しかける女子はいなくなっていたが。
おかげで、女子と話す免疫はついたが。
「そういえばさ〜なんで間遠くんと奈々は友達なのに教室では全然喋んないの?」
恵花さんはそれを聞くと、小悪魔のような笑みを浮かべてニヤニヤした。
「うふふ! この坊やは恥ずかしがり屋なのですよ、だから徐々に関わっていこうってことになったのよ! 全く可愛いこと〜」
「そうなんだ! なんだか可愛いね、間遠くん」
恵花さんと高崎さんそんな小動物を撫でるような顔で俺を見ないで、恥ずかしくなる。
「それで、間遠くん、さっきの奈々の話聞いてたでしょ? 私と蓮くんが付き合えるように協力してくれないかな?」
「え? えーと」
俺が迷っていると、恵花さんが俺に優しく耳打ちをした。
「間遠くん、ごめんなんだけど、穂乃果に協力してあげてくれないかな? この子、好きな人にはカカシになるというか……蓮とはいつも話しているのは変わらないんだけど、それは私がいたからで、2人っきりだと緊張しちゃってダメみたい、だからお願い協力してくれない? 協力してくれたら今度遊びに行く時に、イエローモンスターダンジョンズで、あんたの好きなモンスター一匹交換してあげるから」
「よし、乗った!」
「わかった、高崎さん! 協力するよ!」
「わーい! 間遠くんありがとう!!」
「ぐっ! ぐわ!? 高崎さん距離感がバグってる……て……」
高崎さんは何を思ったが、俺に思いっきり抱きついてきた。
「ちょっと、穂乃果! あんた距離感バグり散らかしってるって!! ほら離れて離れて!!」
「ご、ごめんね……間遠くん」
「あ、いや! 全然大丈夫だよ!!」
本当にびっくりしたけど。
「それじゃあ、穂乃果帰るよ!! 早くしないと蓮が誰もいないって言って騒ぎ始めるから!」
「うん! 帰ろう!!」
「それじゃあ、間遠くん……いや、よかったらあなたも一緒に教室戻る?」
「いや! 俺は遠慮しとくよ、まだご飯最後まで食べてないし」
それに、いきなり恵花さん達と教室に戻ったらびっくりされると思うからな。
「そっか! じゃあまた今度ね!!」
「バイバーイ!! 間遠くん!!」
「やれやれ、大変なことになったな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます