第4話 素行調査

 まさか、あたし達の何でも屋で素行調査の依頼が来るとは思わなかった。ターゲットは24歳の女性。


 ふんわりと犯罪臭が匂ってくるけど、受けたからにはしっかり調査しないと。


 ああ、ターゲットが帰ってきた。さてどんな顔って八乙女さん!?


 なんで八乙女さんがっていうか、よくよく考えたらあたしがスタン張ってる場所、八乙女さんが住んでいる事務所前だし、あたし達の何でも屋じゃん!?


 なんで八乙女さんがターゲットにされてるの? 彼女、なんかしましたか? いや、多分あたしの知らないところで色々やってるんだろうなぁ……


 とりあえず依頼者に問いただしたい所だけど、依頼受けちゃったしなぁ。仕方ない、真っ当に素行調査続けよう。


 今、八乙女さんは何をしているかな。双眼鏡で覗いてみると、八乙女さんは生のきゅうり三本を鷲掴みにしていた。


 生のきゅうり三本? もしかして夕ご飯、生のきゅうり三本!?


 えっ、なんで、八乙女さんゴリッゴリのお嬢様だよ? 実家だって豪邸なのに。


 そういえば、先日彼女が珍しくピロートークを始めて、そのとききゅうりに関して話してた気がする!


 思い出せあたし、確か……『最近きゅうりダイエットを嗜んでいますの』『きゅうりを見てると、お股がヒリヒリするんですわ〜』とかそんなことを言っていたような……


 もしかして八乙女さん、きゅうりに脳焼かれた?『きゅうりに脳焼かれる』って単語だけならパワーワードな気がするけど、夕ご飯を生のきゅうり三本は相当やられている可能性が高い。


 このままだと八乙女さんがきゅうりになってしまうかもしれない。手遅れになる前に止めなくちゃ。


 止めると決まれば善は急げ。あたしは事務所にカチコミをかけた。


「八乙女さぁぁぁぁンンンンンン!」


「な、なんですの!? 白鳥さん!?」


「何ってそりゃあ、きゅうりを破壊しにきたんだよ」


「何を言ってますの?」


「ほら、きゅうりを渡して! きゅうりは危ないブツなんだから!」


「いや待ってくださいまし!? いや、いや、いやァァァァァ〜!?」


 依頼は無事、失敗した。

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