場面2 のこお姉さまへの尋問
〔ともはっとの通報で、愛媛県警が浄瑠璃寺に駆け付ける。捜査の指揮を執るのは、捜査一課のベテラン、
八十八騎警部「運転免許証から、被害者は
キヨっちゃん「ぬぁにお~! 言わせておけば・・お前らが速ぎるんじゃ、ボケェェェ」
依道「キヨっちゃん、やめなさいよ。恥ずかしいわねぇ・・」
キヨっちゃん「しっかし、遠乗 勝三だってぇ・・遠乗りに勝つぞう・・って、何て名前やねん! こりゃ、ビックらこいた、屁をこいた、ぶぅぅぅぅぅ!」
のこ「うちの真似すんな、ボケェェェ」
遠乗 勝三「放っといてんか、ボケェェェ」
八十八騎警部「まあまあ、お遍路ラリーの喧嘩は後でしてください。で、遠乗さん、続けてください」
遠乗 凛子「私らが車を降りたら、被害者の坂佐仁さんご夫婦が青い車の前に立っていました。そこへ、この人(のこを指さす)がやって来て、坂佐仁さんご夫婦と口論になったんです」
八十八騎警部「あなたは、この美のこさんでしたね。それは本当ですか?」
のこ「本当でんねん。てか、なんで、私まで大阪弁なのよ! 私・・ちょっとしたことで、坂佐仁さんご夫婦と口論になってしまいました」
キヨっちゃん「口論! どへええええ! こりゃ、ビックらこいた、屁をこいた、ぶぅぅぅぅぅ! ほな、この姉ちゃんが犯人やんか!」
のこ「犯人とちゃうわい。うちの真似すんな、ボケェェェ」
八十八騎警部「まあまあ・・のこさん、坂佐仁さんご夫婦と、どうして口論になったのですか?」
のこ「私、昆虫が大好きなんです。で、ツマジロスカシマダラという蝶のヘアーアクセサリーで髪を止めて歩いていたら、坂佐仁さんご夫婦が、つまらない蝶だと言って笑ったんです。それで口論になってしまいました」
おちゃま「つまらない蝶ですって・・ちょうですか!」
キヨっちゃん「ツマジロスカシマダラだってぇ! どへええええ! こりゃ、ビックらこいた、屁をこいた、ぶぅぅぅぅぅ!」
依道「キヨっちゃん、知ってるの?」
キヨっちゃん「いや知らんねん」
依道「どへええええ! こりゃ、ビックらこいた、屁をこいた、ぶぅぅぅぅぅ!」
のこ「あんたら夫婦で、うちの真似すんな、ボケェェェ」
八十八騎警部「皆さん、本堂であまり屁をこかないように・・その蝶のヘアーアクセサリーはありますか?」
のこ「私・・腹が立ったので・・捨てちゃいましたぁ。どこに捨てたか、覚えてまっしぇん」
八十八騎警部「ふ~む・・で、口論になって・・それから、のこさんはどうしましたか?」
のこ「5分ほど口論して・・私、坂佐仁さんご夫婦と別れて・・一人で納経所へ行きました」
八十八騎警部「遠乗さん。今の、この美のこさんのお話に間違いはありませんか?」
遠乗 勝三「ええ、この姉ちゃんは、5分ほどして向こうに行ってしまいました。そして、次にこの人(おちゃまを指さす)がやって来て、坂佐仁さんご夫婦と口論になったんです」
ともはっと「(絵を描きながら)ああ、屁の絵は難しい・・」
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