12. 未来の世界①
マコトを陥れようとしているのは、私に執着している彼なのだ、と確信した。
マコトが私のことをいじめている、と思い込んでいたからだ。
彼は私たちが心地好いと思っているKanadeの距離感を理解していなかった。
どれだけ、仲が悪いのではないのだ、と説明しても納得することはなかった。
──なんとか、彼をスタッフから外すことができないだろうか?
そう思い、事務所の社長に事情を説明した後、彼の運転により、あの交通事故が起きたのだ。
──事故直後、大怪我を負いながらも、車から出てきて、顔面蒼白で私の姿を見ていた彼の姿が脳裏に浮かんだ。
本人もここまでするつもりではなかったのだろうが、私にとってはどうでもいいことだった。
◇
──三年前から既に事務所スタッフとして在籍している彼と、接点を持つのはもうそろそろだったはず。
だから、私はKanadeを辞めることを決意した。
──これでいい。
二人に嫌われようと、蔑まれようと。
元いた世界で、私が判断を遅らせなければ、もしかしたらなんとかなったのかもしれない。
二度と後悔はしたくない。二人が生きて二人でKanadeとして活動してくれれば、私はずっとKanadeを推し続ける。
「じゃあ、私も辞めるよ」
「──え?」
当たり前のように、言ったのはマコトだった。
「もちろん、私も辞める!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます