12. 未来の世界①

 マコトを陥れようとしているのは、私に執着している彼なのだ、と確信した。

 マコトが私のことをいじめている、と思い込んでいたからだ。

 彼は私たちが心地好いと思っているKanadeの距離感を理解していなかった。

 どれだけ、仲が悪いのではないのだ、と説明しても納得することはなかった。

 ──なんとか、彼をスタッフから外すことができないだろうか?

 そう思い、事務所の社長に事情を説明した後、彼の運転により、あの交通事故が起きたのだ。

 ──事故直後、大怪我を負いながらも、車から出てきて、顔面蒼白で私の姿を見ていた彼の姿が脳裏に浮かんだ。

 本人もここまでするつもりではなかったのだろうが、私にとってはどうでもいいことだった。



          ◇



 ──三年前から既に事務所スタッフとして在籍している彼と、接点を持つのはもうそろそろだったはず。

 だから、私はKanadeを辞めることを決意した。

 ──これでいい。

 二人に嫌われようと、蔑まれようと。

 元いた世界で、私が判断を遅らせなければ、もしかしたらなんとかなったのかもしれない。

 二度と後悔はしたくない。二人が生きて二人でKanadeとして活動してくれれば、私はずっとKanadeを推し続ける。

 


「じゃあ、私も辞めるよ」

「──え?」

 当たり前のように、言ったのはマコトだった。

「もちろん、私も辞める!」

 柚芽ゆめまで、この突拍子のない、傲慢な申し出をまるで知っていたかのように、そう答えたのだ。



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