10. 未来②

 視界が真っ暗になり、再び目が覚めると、三年前に戻っていた。

 しばらくの間は戸惑った。けれど不思議なもので、人間というものは環境に適合していくものらしい。

 なにが起きたのか、そしてこれからなにをするべきなのかを考える。


 私たちKanadeを乗せた移動車が交通事故に遭った。

 マコトが脱退する日だ。

 この期に及んで、まだなんとかマコトのことを引き留められないか、と考えながら移動車に揺られている時。

 ──経験したことのない、とてつもない衝撃が身体を突き抜けた。

 車はひしゃげ、窓ガラスが飛び散る。

 

 ──きっと、マコトと柚芽ゆめは即死だ。薄れゆく意識の中、見た二人は一縷いちるの望みを持つこともできないほど、無惨むざんな姿だった。

 私だけがすぐには死ねず、遠くで救急車のサイレンが聞こえはじめた頃に、意識を手放したのだ。


 ──三年前に戻ったということは、マコトと柚芽ゆめは生きている。

 ……ああ、戻るなら、もう少し前──Kanadeを結成する前にしてくれれば良かったのに。

 

 

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